ハンガーフォード橋とゴールデン・ジュビリー橋 歴史

ハンガーフォード橋とゴールデン・ジュビリー橋

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/26 17:19 UTC 版)

歴史

初代のハンガーフォード橋はイザムバード・キングダム・ブルネルによって設計され、1845年吊り橋式歩道橋として完成した[4][5]。橋の名前は、市場と川の南岸を繋ぐことから、テムズ川の北側にあったハンガーフォード・マーケット英語版から取られた[1][6][7][8]

サウス・イースタン鉄道英語版を新設されたチャリング・クロス駅まで延伸するため、初代の橋は1859年に買収された。鉄道会社は元の吊り橋を、ジョン・ホークショー英語版が設計し、錬鉄の格子桁で出来た9スパンの橋へと架け替え、1864年に開設した[7][8][9]。古い橋で使われていたは、ブリストルクリフトン吊り橋英語版で再利用された。また煉瓦を積み上げて作られた古い橋のバットレスは、現在でもそのまま使用されている。ただしチャリング・クロス側の1基は、1870年ヴィクトリア堤防英語版建設により、当初の立地からやや川に近い場所へ移っている。南岸のバットレスには入口、そしてブルネルが歩道橋に付けた蒸気船埠頭からの階段が現在も残っている[7]

鉄道橋の両側には後から歩道橋が付け加えられたが、上流側の1本は、後に線路の拡張に伴って取り外された。1951年フェスティバル・オブ・ブリテン英語版用に軍隊のベイリー橋(移動式・プレハブの仮設橋)が建てられた時には、別の歩道橋が橋に付け加えられた。1980年には、下流側の鉄道橋・歩道橋の更新工事に伴い、仮設歩道橋が上流側に架けられた。ハンガーフォード橋は、ロンドンに3本しかないで歩道橋と鉄道橋が一体となった橋である。残りの2本はフラム鉄道橋英語版バーンズ鉄道橋英語版である[1][6][8]

歩道橋は次第に、細すぎ、荒れていて危険だと噂されるようになり、1999年には殺人事件まで起きた[10]。1990年代半ばには、鉄道橋の両側に新しい構造の歩道橋を立てる決定がなされ、1996年には新デザインの公募が行われた。

ホークショーの設計した鉄道橋を支える錬鉄が脆く、川を走る船に当たりかねないという事実も、歩道橋の架け替えを後押しした[11]マーショネス号転覆沈没事故以来、水位部分はコンクリートで覆われるべきだとの共通認識も広がっていたが、橋の所有者であるレールトラックにはこの工事を行うだけの余裕が無かった。このためゴールデン・ジュビリー橋では、レールトラックに費用負担を強いることなくこの保護工事が行われた。


注釈

  1. ^ 英: The Hungerford Suspension bridge
  2. ^ 収蔵:カルメン・ティッセン=ボルネミッサ英語版・コレクション、ティッセン=ボルネミッサ美術館マドリード[12]
  3. ^ 英: Ramboll UK

出典

  1. ^ a b c Sir Howard Roberts and Walter H. Godfrey (1951年). “Hungerford or Charing Cross Bridge”. University of London & History of Parliament Trust. British History Online. 2013年2月26日閲覧。
  2. ^ London SE1 Community website (2003年7月2日). “Princess opens gleaming Golden Jubilee Bridge”. Bankside Press. 2013年2月26日閲覧。
  3. ^ Waldman, Melanie (2010年12月8日). “Golden Jubilee Bridges”. BootsnAll Travel Network. 2013年2月26日閲覧。
  4. ^ 1845 Hungerford”. Bridgemeister. 2017年8月1日閲覧。
  5. ^ a b Hungerford Footbridges”. リフシャツ・デイヴィッドソン・サンディランズ英語版. 2017年8月2日閲覧。
  6. ^ a b Bevan, Frances (2012年6月7日). “Hungerford Bridge”. Status, Scandal and Subterfuge. Swindon Heritage. 2013年2月26日閲覧。
  7. ^ a b c Keeling, Gary. “Hungerford Bridge (1845)”. MyBrunel.co.uk. 2013年2月26日閲覧。
  8. ^ a b c d e f Gilbert, David (15 December 2010). “Banister Fletcher Lecture 2010: David Gilbert "A short history of London in wrought iron"”. London Society Journal (461). http://www.londonsocietyjournal.org.uk/461/davidgilbert.php 2013年2月26日閲覧。. 
  9. ^ Hungerford (Charing Cross) Railway Bridge & Golden Jubilee Footbridges”. Where Thames Smooth Waters Glide. 2017年8月2日閲覧。
  10. ^ “Bridge murder gang get life”. BBCニュース (BBC). (2000年5月19日). http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk/755081.stm 2010年5月4日閲覧。 
  11. ^ a b c d e WSP英語版 Cantor Seinuk Gifford英語版 (2003年8月5日). “Golden Jubilee (Hungerford) footbridge”. Engineering Timelines. 2015年1月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年2月26日閲覧。
  12. ^ Charing Cross Bridge”. ティッセン=ボルネミッサ美術館. 2017年8月2日閲覧。
  13. ^ Golden Jubilee Footbridges”. Ramboll Environ. 2017年8月2日閲覧。
  14. ^ Garden Bridge Planning Application: Transport Assessment (Report). Garden Bridge Trust. (23 May 2014). pp. 62,63. ""High level annual pedestrian demand data was obtained for other local bridges across the River Thames. The data consisted of a mixture of existing TfL surveys and surveys commissioned specifically for the Garden Bridge."" 





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ハンガーフォード橋とゴールデン・ジュビリー橋」の関連用語

ハンガーフォード橋とゴールデン・ジュビリー橋のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ハンガーフォード橋とゴールデン・ジュビリー橋のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのハンガーフォード橋とゴールデン・ジュビリー橋 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS