トロフィー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/25 15:27 UTC 版)
スポーツ以外の文化・芸術などの分野でも競技会の優勝者にトロフィーが授与される場合もある。基本的にトロフィーは優勝者に贈られるものだが、各種大会においては成績上位者(入賞者など)に小型のトロフィーが授与されることも珍しくない。歴代の大会優勝者等を記した細長いペナントが取り付けられることもある。
また、狩猟で仕留めた鹿などの首から上の部分を剥製にするなどして、壁に飾ったりするものをハンティング・トロフィー(狩猟戦利品)という。
概要
語源
ギリシャ語の戦利品・戦勝トロフィーを意味する「Tropaion(古代ギリシャ語のτρόπαιον)」が語源とされる。勝利の地にある勝利を祝う記念碑を指す。τρόπαιοςは「旋回させるもの、飛翔させるもの」と訳され、τροπηは「旋回、方向転換、飛翔、経路」を意味する[1]。これがラテン語のtrophaeumに転じた。
由来
この用語は、インド・ヨーロッパ語族や伝統的な民族の間で証明されている風習を指し、戦争で敵から奪い取った鎧・兜・盾など(当初は敗者の遺体と武器)を戦利品として飾る慣習からといわれ、公共の広場や特別に配置された場所に展示し、勝利を記念する(そして敵を怯えさせる役割を果たす)ものであった。ユリウス・カエサルによれば、勝利したガリア人は敗者の遺体を武器ごと杭に吊るしたが、ローマ人は敗者の武器を木に吊るしただけだったという。
古代ローマの詩人ウェルギリウスの叙事詩『アエネーイス(XI 、V)』には、「大いなるマルスよ、あなたのための戦利品である巨大な樫の木を塚の上に立て、それを切り落とし、首領メゼンスの遺骸と彼の輝く武器を着せる」。時には、これらの木は「トロピオン」と呼ばれる非常にシンプルなマネキン(木製の柱で、鎧や武器を固定するための横棒が付いていることもある)に置き換えられることもあった。
紀元前の硬貨・テトラドラクマ銀貨の裏面には、柱に飾られた戦利品の甲冑に勝利の女神・ニケが銘文を刻もうとしている様子が描かれており[2]、古くからの慣習であったと言える。
建築に見られる古来のトロフィー
ローマ時代、tropaeum(トロフィー)という用語は、勝利の地にある記念碑(例:Tropaeum Alpium)を指すのに使われた。死に対する勝利を象徴するトロフィーという用語は、初期キリスト教時代の殉教者の葬儀記念碑(例:バチカンのネクロポリスにあるガイウスのトロフィー)にも使われた。
tropaeum(トロフィー)はまた、戦争を象徴する要素(戦利品、兜、武器、盾、鎧などの武器)、またはそれが象徴する人格(典礼のトロフィー、芸術家のトロフィー)を総称した装飾的なモチーフを指す。これらのトロフィーは、しばしばブロンズや漆喰で彫刻され、軍事的成功を表したり、勝利、力、技術の寓意となっている。
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戦利品の武器(バイザー付きヘルメット、盾、矢、矢筒、トランペット、オークの枝)をドレープとリボンの弓で結んで吊るす。
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トロフィーとブクレーンのフリーズ。
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この教会の左側の扉には、上部のパネルに小さなカルトゥーシュが描かれ、そこから落下する典礼用のトロフィーがぶら下がっている。
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芸術家の属性のトロフィーで飾られた欄間扉[3]。
- ^ Définitions lexicographiques et étymologiques de « Trophée » du Trésor de la langue française informatisé, sur le site du Centre national de ressources textuelles et lexicales
- ^ Studio ivy Co.,Ltd. (2005年12月23日). “トピックス(2005)”. ANCIENT GREEK COINS. 2013年6月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月5日閲覧。
- ^ Palette de peintre, pinceaux, livres parchemins, creusets, cornue, palmes et lauriers.
- 1 トロフィーとは
- 2 トロフィーの概要
- 3 現代のトロフィーとデザイン
- 4 関連項目
トロフィーと同じ種類の言葉
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