トライアスロン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/13 06:39 UTC 版)
種類
ワールドトライアスロン競技規則23条(附則A)の定めによるレース距離は以下の通り。大会によって距離は変更される。基準となる規格の背景は黄色。ディスタンスとは距離の意味。
種類 | スイム | バイク | ラン | 備考 |
---|---|---|---|---|
リレー(1人あたり) | 250-300m | 5-8km | 1.5-2km | 混合リレー、2×2混合リレー、3人リレー。 |
スーパースプリント | 250m-500m | 6.5-13km | 1.7-3.5km | |
スプリント | 750mまで | 20kmまで | 5kmまで | |
スタンダード | 1500m | 40km | 10km | オリンピック個人戦でも実施。 |
ミドル | 1999-2999m | 80-90km | 20-21km | |
ロング | 3000-4000m | 91-200km | 22-42.2km |
種類 | スイム | バイク | ラン | 備考 |
---|---|---|---|---|
アイアンマン | 3.8km | 180.2km | 42.2km | 五島長崎国際(日本ウルトラロング選手権)など。 |
アイアンマン70.3 | 1.9km | 90km | 21.0975km | アイアンマンの半分。 |
トライアスロン101 | 3.0km | 130km | 30km | 合計約101マイル。2007年から。 |
ルール
自転車のドラフティングと周回遅れの扱い
バイクでは、距離や部門により、以下のような「ドラフティング(いわゆるスリップストリーム、つまり他人を風よけとする行為)の禁止」または「ドラフティング許可だが、周回遅れでレースから除外(棄権)」のどちらかのルールが適用される。
「ドラフティング禁止」ルール
一般参加の多くの大会やエイジグループ(一般の部)で適用。また、ミドル距離とロング距離ではエリート含め全部門で適用(JTU競技規則[16]99条)。
- このルールでは、通常の自転車レースに見られる集団走行、他人を風よけに使っての走行は禁止されている[注 7]。
- 違反した場合、審判からタイムペナルティ(一定時間[注 8]所定のペナルティボックスで待機)またはストップ・アンド・ゴー(一定時間左端または支障のない場所で待機)のどちらかを告げられる(108条、127-129条)。スタンダード距離以下は2回目の違反で、ミドル距離以上は3回目の違反で失格(130条)[注 9]。
- トライアスロンでのトラブルの多くは、ドラフティングによる失格判定の問題である。ルールを明確化するためいっそのことドラフティングを認める方が良いという意見もある。しかし、ドラフティングを許してしまえば、スイム・バイクでは集団に着いていく力さえあればそれ以上の能力は不要。ランだけで勝負が決まることになるとの批判も多い。特にロング大会においては、自らの力で走りきることを主旨としており、ドラフティングが認められていない(コンペティティブ・ペーシェンスとしての側面が強い)。
- ドラフティング禁止というルール、そしてUCI管轄外ということでバイクはその制限を受けない、という2点があるために、ロードレースでありながらタイムトライアルバイクに複数のボトルや補給食、スペアチューブや畳めるタイヤ、携帯工具など修理機材を積めるように小改修したバイクを使用する選手が多い(UCIの制限は受けないが、トライアスロンとしてのバイクの規定はある。)。
「ドラフティング許可だが、周回遅れでレース除外」のルール
スタンダード距離以下のエリート部門(オリンピック、世界トライアスロンシリーズやワールドカップを含む)、U23・ジュニアなどの部門、チームリレーなどで適用(99条)。
- バイクで周回遅れの場合は、審判によってレースから除外される(114条)[注 10]。強制的に棄権の扱いとなる。周回遅れは「ラップ(LAP)」と呼ばれる[注 11]。なお、スイムやランで周回遅れとなっても除外されない。
その他のルール
- 第三者の手を借りてはならない。
- パンクやメカトラブルも自分で対応・処置しなければならない。
- (※:パルクフェルメ#自転車競技におけるパルクフェルメも参照)
世界の主な大会
スタンダードディスタンス
- オリンピック
- 個人男女と、混合リレー[注 12]の3種目が行われている。
- 世界トライアスロンシリーズ
- トライアスロンワールドカップ
ロングディスタンス
- 世界ロングディスタンストライアスロン選手権
- 日本代表選考会は、日本ロングディスタンス選手権、五島長崎国際トライアスロンなどが兼ねる[19]。
- アイアンマンレース - アイアンマン世界選手権大会
- アイアンマンレースはワールド・トライアスロン・コーポレーション(WTC)が開催するロングディスタンス規格のトライアスロン大会。アイアンマン世界選手権大会がハワイ島のカイルア・コナで開催されており、全世界の予選会の上位入賞者が参加権を得る。
チャレンジ・ファミリー
すべての年代、あらゆる能力のアスリートにレースを提供し、観客に感動と興奮をもたらすイベントとして、世界各国でロングディスタンスレースを開催している。ドイツのロート発祥。
注釈
- ^ a b 2000年9月、シドニーオリンピックでトライアスロンが正式種目となり、スタンダード・ディスタンス形式が採用され、これ以降、国際的にスタンダードディスタンスとオリンピックディスタンスは同義となったが、現状は「スタンダード・ディスタンス」と呼ぶのが正式である。
- ^ コース設定の関係で「スプリント」よりも短かかったり長かったりした場合、ショート・ディスタンスと呼ぶ主催者もいるが、これは正式名称ではない
- ^ 「日本トライアスロン発祥記念碑」が同温泉に隣接する海水浴場に設置してある[10]。
- ^ NHK総合テレビで、1985年(昭和60年)4月28日大会当日、合計2時間30分(7:30〜8:00・10:00〜10:45・13:00〜13:30・18:00〜18:45)、「挑戦することは素晴らしい、中継・南の島のトライアスロン大会」として全国中継された。
なお、地理的条件から、通常の全国中継と異なり、実現には衛星使用が不可欠だったが、当時まだ、専用の放送衛星はなく(衛星放送開始1989年6月以前だったため)、NHKは、東京放送センターと沖縄放送局間を、借り受けた通信衛星・さくら2号(多目的衛星)で結ぶことで、総合テレビによるこの大会の全国中継を実現させた。[12]。 - ^ NHK衛星第1テレビジョン(放送開始1989年(平成元年)6月1日)にて、同年9月17日大会当日、合計6時間(6〜8時・11〜12時・15〜18時)、“日本列島古里発スペシャル「トライアスロン・イン・佐渡」(中継・向後雅博、金剛英華)”で、早朝スイムスタート、日中バイクコース、夕方ゴールシーンなど、全国中継され、長距離に渡るバイクコースは、ヘリコプターで中継された[13]。なお、現在の大会名「佐渡国際トライアスロン大会」となったのは1996年大会(平成8年9月1日)から、また、開催日が毎年9月第1日曜日となったのは1990年大会(平成2年9月2日)からである。佐渡国際トライアスロン大会#歴史
- ^ 以前は諸般の事情から、アイアンマン・ジャパンの制限時間は15時間であったが(長崎県・五島市で開催されていた時代)、北海道・洞爺湖畔にて開催されるようになってからは17時間に延長されている。
- ^ 具体的には、ミドル距離以上では前方選手の前輪先端から後方12mに25秒以上、スタンダード距離以下では後方10mに20秒以上いてはならない(105条)。
- ^ ロング、ミドルは5分、スタンダードは2分、それ以外の距離は1分。
- ^ タイムペナルティを履行できなかった場合も失格(130条)。
- ^ 周回遅れの追い抜きが起こるであろうと審判が判断した場合も安全上の理由から除外を宣告できる(114条)。
- ^ レース除外のルールを変更することも可。周回遅れでも競技続行を認められた場合は、周回遅れとなった選手が周回遅れとした選手の後ろに付く事が禁止となる(114条2項)。
- ^ 1人がスイム・バイク・ランを連続して行い、男女男女の順(2022年競技規則から)にリレー。2021年の東京オリンピックからの新種目。
- ^ 国籍移動申請中も含む。
- ^ 当初は常滑市の中部国際空港周辺で開催していた[23]が、後に知多半島広域がコースとなっていた[24]。
出典
- ^ “競技紹介 トライアスロン”. 日本オリンピック委員会. 2022年5月15日閲覧。
- ^ 実際はフルマラソンと同じ42.195km。
- ^ “JTU競技規則” (PDF). 日本トライアスロン連合. pp. 41 (2019年1月22日). 2022年4月17日閲覧。
- ^ “Canoeing and triathlon added to 2016 Paralympic Games”. BBC News (bbc.co.uk). (2010年12月11日) 2011年9月5日閲覧。
- ^ Paratriathlon added to the Rio 2016 Paralympic Games | Triathlon.org - International Triathlon Union
- ^ 英語版
- ^ 公益社団法人日本トライアスロン連合(JTU)の概要・歴史日本トライアスロン連合、2022年2月27日閲覧。
- ^ “大会によって距離が異なる?耐久レースとしてのトライアスロン”. 【SPAIA】スパイア (2016年12月9日). 2020年11月20日閲覧。
- ^ a b “オリンピック トライアスロン混合リレー 日本は13位”. 日本放送協会. (2021年7月31日) 2022年2月28日閲覧。
- ^ 「皆生大会の始まり」皆生トライアスロン協会編。
- ^ a b 参加者数は同大会公式ホームページによる。
- ^ [1]
- ^ [2]
- ^ 参加者数は1999年大会公式パンフレット P33 「これまでの大会記録 WINNERS」一覧表による。
- ^ “World Triathlon競技規則(簡易和訳)” (PDF). 日本トライアスロン連合. pp. 149 (2021年12月18日). 2022年4月17日閲覧。
- ^ “JTU競技規則” (PDF). 日本トライアスロン連合. pp. 41 (2019年1月22日). 2022年4月17日閲覧。
- ^ 世界トライアスロンシリーズ横浜大会横浜トライアスロン、2022年5月1日閲覧。
- ^ 公式サイトITUトライアスロンワールドカップ(2020/宮崎)、2022年5月1日閲覧。
- ^ 2022 ワールドトライアスロン ロングディスタンストライアスロン選手権 エリート日本代表選考基準日本トライアスロン連合、2022年2月27日閲覧。
- ^ a b “2024NTTランキング”. 日本トライアスロン連合 (2023年12月15日). 2024年4月10日閲覧。
- ^ NTTトライアスロンジャパンカップランキング日本トライアスロン連合
- ^ コースマップアイアンマン70.3セントレア知多半島ジャパン実行委員会、2022年4月29日閲覧。
- ^ アイアンマン70.3セントレア常滑ジャパン 大会コースのフィニッシュ地点変更について中部国際空港(2010年8月16日)2022年4月29日閲覧。
- ^ アイアンマン70.3セントレア知多半島ジャパン 2015年大会の開催場所、コース概要についてアイアンマン70.3セントレア知多半島ジャパン実行委員会事務局、2022年4月29日閲覧。
- ^ 2022 五島長崎 国際トライアスロン大会 大会概要五島長崎国際トライアスロン大会事務局、2022年5月15日閲覧。
- ^ “アイアンマン・ジャパン北海道、一時休止を決定”. CYCLE. (2016年1月22日)
- ^ “認定記録会・標準記録(16歳以上男子タイム・認定級)変更”. 日本トライアスロン連合 (2021年12月14日). 2024年4月13日閲覧。
- ^ 日本テレビ. “猫ひろし、国際トライアスロンで6位「あと10キロ長かったら…」|日テレNEWS24”. 日テレNEWS24. 2019年11月3日閲覧。
- ^ “いざ、アンコールワット国際トライアスロン大会へ”. 猫ひろしドットコム. 2019年11月3日閲覧。
- ^ “Tri to catch me! Action couple Jenson Button and Jessica Michibata compete for charity in Perth triathlon”. Mail Online (2010年12月19日). 2019年11月3日閲覧。
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