ティーガー (航空機) 派生型

ティーガー (航空機)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/31 07:43 UTC 版)

派生型

フランス陸軍向けの近接航空支援/空対空戦闘仕様HAP
HAP
ティーガーHAP(フランス語: Helicoptere d'Appui Protection)/HCP(英語: Helicopter for Close Protection)は、フランス陸軍向けの空対空戦闘/近接航空支援仕様である。2003年3月26日に初号機が初飛行。70機の調達を予定している。
機首にGIAT社製の30mm機関砲を装備しており、スタブウイングには対空戦闘用のミストラル空対空ミサイルか近接航空支援用のSNEB 68mmロケット弾ポッドを搭載し、操縦席上部にTV、FLIRレーザー測距装置、直接視野光学センサーを収めた照準システムを装備する。
HAD
ティーガーHAD(フランス語: Helicoptere d'Appui Destruction)は、フランス陸軍向けの対戦車戦闘仕様で、50機の調達を予定している。
本質的にはHAPと変わらないが、エンジンの出力を14%向上させたほか、機首にもFLIRを装備する。当初HAC3Gとして計画されていた頃はメインローター上に対戦車ミサイル用のTV、FLIR、レーザー測距装置で構成された照準装置を搭載する予定だったが、量産型ではHAPと同様操縦席上部に搭載されている。主兵装はファイア・アンド・フォーゲット(撃ちっ放し)機能を有する最新型のPARS 3 LR(トリガト)対戦車ミサイルか、有線誘導式のHOT3であるが、スペイン陸軍ではスパイクERを装備させている。
その他はHAPと変化は無く、スペイン陸軍もこの型を2003年9月に採用し、24機を発注した。フランス陸軍へは2011年、スペイン陸軍へは2007年から納入が行われる。
オーストラリア陸軍向けのARH
ARH
ティーガーARH(英語: Armed Reconnaissance Helicopter)は、オーストラリア陸軍OH-58 カイオワ偵察/軽武装ヘリコプター及びブッシュマスター・ガンシップUH-1イロコイを基にした武装ヘリコプター)の後継機として2001年8月14日に採用し、22機を発注。2004年2月20日に初号機が初飛行。
HAP/HCPの機体を基にHAD仕様の出力向上型エンジンを搭載し、AGM-114ヘルファイア対戦車ミサイルの運用能力を追加。
2004年11月23日から納入が開始。しかしその後オーストラリア陸軍のC4Iシステムへの適合に失敗したこと、部品をヨーロッパから取り寄せなければならず維持費が高騰したことなどにより、2020年代には早々に退役させる計画になっている。
ドイツ陸軍向け近接支援/対戦車攻撃型のUHT
UHT
UH Tiger(ドイツ語: Unterstützungshubschrauber Tiger、支援ヘリコプター・ティーガー)は、ドイツ陸軍仕様の多用途攻撃型である。2002年8月2日に初号機が初飛行。調達計画では最終的な装備機数を120機としていたが、80機へと削減された。さらに40機へ削減したい意向を国防省は表明したが、ユーロコプター社のCEOは70機から55機の生産を期待すると述べた[1]
ドイツ陸軍は、フランスGIAT社製の30mm機関砲は反動がきつすぎるという理由で、UHTへの機首機関砲搭載を見送ったため、固定武装はない。しかし、近い将来に反動を低減させたラインメタル社製RMK30 30mmリヴォルヴァーカノンを搭載させる計画が存在する。
武装はHADと同じPARS 3 LR(トリガト)対戦車ミサイルかHOT3対戦車ミサイル、近接航空支援用のハイドラ70ロケット弾、空対空戦闘用のAIM-92スティンガー空対空ミサイル、12,7mm重機関銃ポッド、20mm機関砲ポッド。こちらも対戦車ミサイルの照準器がメインローター上に存在する。
2005年3月18日から納入開始。

注釈

  1. ^ ティーガーはドイツ語の呼称であり、英語ではタイガーと読む。フランス語及びスペイン語ではTigreと綴って、フランス語ではティーグル、スペイン語ではティグレと読む。

出典






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