ダウンタウン熱血行進曲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/12 21:23 UTC 版)
ゲーム内容
主人公であるくにお率いる熱血高校チームをはじめとする全4チームで、クロスカントリーや玉割りなどを行い、得点を競うゲームである。競技中の「殴る・蹴る・武器の使用」がルールで認められている。最大4人までの同時対戦が可能である。セーブ機能はない。
1人プレイで、かつ熱血高校チームでプレイし優勝すると、くにお・とうどう・やまだによる寸劇エンディングが見られる[3]。
競技種目
各競技について回数・制限時間が設定可能で、さらに2人以上でプレイする場合は、種目の順番やプレイする種目を設定できる。
共通ルールとして、相手を転倒させる・アイテムを拾うことで得点が加算され、相手に転倒させられることで減点される[3]。
なお1人プレイの場合、各競技において回数が2回(もしくは3回)以上行わなければならない。また各競技終了時点でチームの累計得点が1位でなければ、その時点でゲームオーバーになってしまう。
- 夢見町クロスカントリー
- 冷峰学園のある夢見町に設定されたコースを回り、その順位を競う[3]。コースは冷峰学園をスタートし、街中、公園、他人の家屋内や庭、屋根の上、マンションの屋上を駆け抜け、下水道を泳ぎ抜き、冷峰学園に戻ってくるというもの。
- 各チェックポイントの通過順位に応じて点数が加算されていく(ゴールでの得点は他のチェックポイントより高い)。制限時間以内にゴールできないと無効試合となり、順位に応じた点数が入らない。
- トップのランナーが先に進むことで画面がスクロールするエリアでは、遅れて画面の外へはみ出てしまうとコースアウトとなり減点されてしまう。
- スタート時にピストルが鳴る前にスタートラインを超える行為(フライング)を3回行う、体力が0になる、下水道で溺れて失神すると失格となり、競技から除外されチームの点数を減点されてしまう。
- 障害部屋競争
- 様々な障害がある部屋を順に回っていき、その順位を競う[3]。クロスカントリーと違い、各部屋は1画面で画面がスクロールしないためコースアウトは無い。また、制限時間も各部屋ごとのもので、時間切れになってもその時点で部屋にいた選手にチェックポイント通過の点が入らないだけで、無効試合にはならない。各部屋の通過順位に応じて点が加算される。
- CPUが足が遅く、ジャンプ力も低めの選手を操作する場合、ジャンプ台の部屋でジャンプの失敗を制限時間内まで繰り返す現象が発生する(まえだ、にしむら、くまだの最遅3人に至っては最初のジャンプ台にすらジャンプできない)。プレイヤーがそのキャラクターを攻撃をし、ジャンプの位置を変えれば通過できる。また、壁から手が飛び出してくるエリアでも通過の失敗を繰り返してしまうが、こちらはCPU一人のみになると手が飛び出してこなくなる。
- クロスカントリー同様、スタート時にフライングが発生する(3回で失格)。またこちらも体力が0になると失格となり、競技から除外されチームの点数を減点されてしまう。
- 棒の上の玉割り競争
- 2チーム1組(組み合わせは任意)となり、中央上部に設置された赤いくす玉をどちらが先に割るかを競う[3]。くす玉の下に2本の棒があり、その棒をよじ登って拳でくす玉を割る。2つの棒は非常に近い位置にあり、登っている最中に上や隣にいる相手の選手を殴って下に落とすことができる。体力が0になると失格となるが、この競技においては失格によるチームの減点はない。
- 勝ち抜き格闘大会
- 冷峰学園校舎側面に設置されたリングでバトルロイヤルを行い、体力が無くなるかリングアウトした選手から脱落していく。最後までリングに残った選手の勝利となり、制限時間以内に勝者が決まらなければ無効試合になる。この競技では必殺技を持っている選手はそれが使用可能となる。PCE版ではリングの外観が違うものが2つ用意されていて、試合ごとにリングが変わる仕様になっている(このうち柔道場ではリングアウトができない)。
- CPUのキャラクターをしばらく壁に向かって投げ付けるとパワーゲージに変化は無いもののKO判定が出る。ただしその直後にそのCPUのキャラクターが透明人間となってプレーヤーに攻撃を仕掛けてきたり、また逆に立ち上がったものの何もせずに立っているだけの状態になるというバグが発生することがある。これらいずれも攻撃して倒すと、正式にKOしたことになる。
- 必殺技「マッハ叩き」を持つわしおとはやさかは、コマンドボタンの都合から一部のアイテム(格闘の指輪、マジックステッキ、ビタミンドリンク)を「マッハで叩いて」しまうため、アイテムの効果を受けることができない。これ以外にも、コマンドボタンの都合により一部の動作ができないキャラクターがいる。この現象はプレーヤーが操作する時のみ発生し、CPUが操作する場合は通常通りアイテムの効果を受けることができてしまう。
- また、本来はすがたの「爆弾パンチ」、りゅういちの「爆魔龍神脚」、りゅうじの「天殺龍神拳」等はジャンプの着地した瞬間(しゃがみ状態)に出すが、CPUが操作する場合はジャンプせずにこれらの技を使ってくることがある。
アイテム
各競技場にはアイテムが落ちており、拾って武器として殴ったり、投げて相手にぶつけてダメージを与えたりすることができる。所持アイテムは手元に表示され、一度に持てるのは1つだけ。別のアイテムを拾うには現在持っているアイテムを投げるなどして手ぶらにしなければならない。重いアイテムは殴るスピードが遅く投げた時の飛距離も短いが、所持中に移動速度が遅くなることはない。アイテムを所持したまま競技終了すると、次に競技に参加したときに、そのアイテムを持ったまま競技に参加できる(玉割り競争後は除く)。
- ばくだん(爆弾)
- 持って投げると爆発して、敵を吹っ飛ばすことができる。見た目の違いは無いが、敵や物に投げて当ててから数秒後に爆発するタイプと、即爆発するタイプの2種類ある(攻撃力は時間差がある方が高い)。なお、爆弾鬼ごっこの爆弾とは異なる。
- ぼくとう(木刀)
- オーソドックスな武器。しみず、ごだい、はやみはこれを持っていないと必殺技が使えない。
- マジックステッキ
- 振ると光り、足がもちづき並に速くなったり、力が強くなったりする(前述のように「勝ち抜き格闘」における一部キャラクターを除く)。一度光ると効果は競技終了まで持続し、ステッキを持ち続ける必要は無い。たまにハズレもあり、これは振っても光らない。
- 鉄アレイ
- 重くて強力な武器だが、少々攻撃速度が遅い。また、投げた時の飛距離もやや短く画面端まで届かない時がある。
- めりけんさっく(メリケンサック)
- 攻撃力が若干高く攻撃速度も速い反面、リーチが短い。
- たいや(タイヤ)
- 唯一「担ぐ」アイテムで、担いでいるタイヤの上に乗る事もできる。武器としての攻撃力が高くリーチも長いが、重いため攻撃速度は遅い。投げると転がり、転がっている最中に触れるとダメージを受ける。
- まいぼうる(ボウリングの球)
- 砲丸投げのように上に投げるためリーチは短い。着地後は障害物に当たるまでずっと転がり続け、触れるとダメージを受ける。PCE版には大小のボールが存在し、大きいボールで殴った時には相手が吹っ飛ぶこともある。
- ビタミンドリンク
- 飲むと体力が回復する(前述のように「勝ち抜き格闘」における一部キャラクターを除く)。見た目の違いは無いが回復量は大小2種類ある(PCE版では大回復がオレンジ、小回復が青と色による違いがある)。大の方は個人の通常の体力の上限を超えて255まで回復するが、小のほうは体力が128以上だと回復しない。飲みきるまでは時間を要し、その間に攻撃を受けると落としてしまい、体力は回復しない。
- かくとうのゆびわ(格闘の指輪)
- 小さくて見落としやすくリーチも短いが、武器としての攻撃力が全アイテム中最も高い。またこれを持っていると勝ち抜き格闘で必殺技「人間魚雷アタック」という必殺技が使えるようになる(前述のように一部キャラクターを除く)。
クロスカントリー、障害部屋競争において、ビタミンドリンクを飲むごとに武器の数が減っていき、最終的には武器が全くなくなるという現象が起こる。
個人賞
全競技が終了すると、個人賞の発表が行われる。点数が表示されるので総合成績に影響があるように見えるが、実際には加算されない。
個人賞は各人の累計得点を参考にして選ばれる。なお、この「累計得点」には競技終了後に順位に応じて加算される得点は含まれない(順位による得点は個人ではなくチーム全体に入る得点として扱われるため)。
- かんとうしょう:100点
- 敢闘賞。累計得点において2位に該当する選手に授与される。
- さいゆうしゅうせんしゅしょう:200点
- 最優秀選手賞。累計得点において1位に該当する選手に授与される。
- なめてるやつでしょう:-150点
- なめてる奴で賞。累計得点において「得点が0点より高い選手の中で最も低い点数」の選手(あくまでマイナス得点の選手は対象外)に授与される。
- れいほうがくえんしょう(DS版ではあとみっくぼんばーしょう):100点
- 冷峰学園賞。累計得点からクロスカントリーでの得点を差し引いた点数が最も高かった選手に授与される。よって、クロスカントリーのみプレイした場合は受賞者なしとなる。
- とうどうグループとくべつしょう(DS版ではTCCとくべつしょう):250点
- 藤堂グループ特別賞。受賞の対象は正確には判明していないが、最後の競技が始まる直前まで累計得点がマイナスで、最後の競技に出場し、最終的に累計得点が0点を上回った選手に授与される。
注釈
- ^ 後発作品「熱血物語EX」では「前田の飛び蹴り」という名前で正式に必殺技がある。
出典
- ^ a b c “5月10日号特別付録 ファミコンロムカセット オールカタログ”. ファミリーコンピュータMagazine (徳間書店) 7 (9): 41. (1991-05-10).
- ^ “Nintendo Switch Online update adds Japanese titles and a licensed game” (英語). Destructoid (2023年9月6日). 2023年9月6日閲覧。
- ^ a b c d e ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータMagazine(アンビット、2016年)51ページ
- ^ 清水佑一 (2007年5月17日). “ウェブドゥ、EZweb向けに「くにおくん」の新アプリを配信” (日本語). ケータイ Watch. インプレス. 2019年11月30日閲覧。
- ^ 階堂綾野 (2007年11月15日). “ウェブドゥジャパン、「熱血硬派くにおくんEZ」にて『ダウンタウン熱血行進曲DX』を配信開始” (日本語). iNSIDE. イード. 2019年11月30日閲覧。
- ^ “熱血硬派くにおくん『ダウンタウン熱血行進曲』がケータイに登場!” (日本語). 電撃オンライン. KADOKAWA (2007年11月15日). 2019年11月30日閲覧。
- ^ “任天堂、「バーチャルコンソール」の12月配信タイトルを公開” (日本語). 電撃オンライン. KADOKAWA (2007年11月30日). 2019年11月30日閲覧。
- ^ 滝沢修 (2010年3月17日). “D4エンタープライズ、「プロジェクトEGG」「くにおくん」や「いっき」など、家庭用ゲーム機やAC用レトロゲームの配信を決定” (日本語). GAME Watch. インプレス. 2019年11月30日閲覧。
- ^ “『ダウンタウン熱血行進曲 どこでも大運動会』3DSVCで再登場” (日本語). iNSIDE. イード (2012年5月9日). 2019年11月30日閲覧。
- ^ ひびき (2013年6月6日). “『ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会』が3DSバーチャルコンソールに登場、4人までのDLプレイも可能” (日本語). iNSIDE. イード. 2019年11月30日閲覧。
- ^ “PCブラウザゲーム『くにおくんの熱血大運動会』、Yahoo! Mobageで提供開始 オンライン対戦プレイが可能” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA (2015年12月17日). 2019年11月30日閲覧。
- ^ a b “ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会 まとめ [ファミコン]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2017年7月2日閲覧。
- ^ a b “ダウンタウン熱血行進曲 どこでも大運動会 まとめ [ゲームボーイ]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2017年7月2日閲覧。
- ^ a b “ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会 まとめ [PCエンジン]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2017年7月2日閲覧。
- ^ a b c 「新作ゲームクロスレビュー」『ファミ通』、KADOKAWA、2015年3月12日、205頁。
- ^ a b 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、495頁、ASIN B00J16900U。
- ^ a b c 「10月号特別付録 PCエンジンオールカタログ'93」『PC Engine FAN』第6巻第10号、徳間書店、1993年10月1日、18頁。
- ^ ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータMagazine(アンビット、2016年)7ページ
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