ソニータイマー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/26 00:37 UTC 版)
島津タイマー
2022年9月、島津製作所の子会社・島津メディカルシステムズが、医療機関に納入したX線撮影装置の点検の際に、サービス技術社員が一定の時間が経つと電力供給回路が遮断されるようタイマーを装着。故障を偽装し部品交換により、修理代を稼ぐ不正が43件発覚した。当初は熊本営業所管内で発覚、後に鹿児島県(12件)や宮崎県(13件)など九州一円に広がった。不正には九州支店に所属するサービス技術者少なくとも7人(うち5人は営業所長の経歴を持つベテラン)が関与していた。タイマーは市販の汎用品で、設置から約10-40日後に作動し、経年劣化による故障であるかのように見せかけていた。故障を装って部品を交換する際に取り外して処分していたため、証拠がのこされておらず、嫌疑濃厚者のうち自白したのは2人のみで、2人は退職したとして調査委のヒアリングを拒絶。残る1人は病死した。メディアは「ソニータイマー」になぞらえ、「島津タイマー」などと報道した[7][8]。不正は2022年4月に内部通報で発覚。親会社の島津製作所が2023年2月に公表した調査報告書によると、不正は2009年ごろ創設された。この偽装により、8300万円以上の修理費用を売り上げていた[8]。
関連文献
- 城島明彦ほか著 『ソニー病』 洋泉社、2006年1月 ISBN 4896919874 (第2章 ネットから生まれたソニータイマー伝説[9])
- 野村純一・松谷みよ子監修 『いまに語りつぐ日本民話集 第3集12 乗物とメディアの怪』 作品社、2003年4月 ISBN 4860571053
脚注
- ^ a b Brian X. Chen; 平井 眞弓 (2010年1月26日). “20年にわたってソニーを苦しめる「ソニータイマー」説”. WIRED.jp 2019年2月4日閲覧。
- ^ 牧ノブユキ (2014年6月30日). “保証期間が切れた直後に壊れるタイマー付き製品」は実在するか?”. ITmedia PC USER. 2014年8月2日閲覧。
- ^ “ネットで囁かれる 「ソニータイマー」の正体”. J-CASTニュース. (2006年8月22日) 2019年2月4日閲覧。
- ^ 怒賀新也 (2006年6月16日). “初心者ユーザーの増加に対応したソニーVAIO事業部の取り組み―G-Forceジャパン”. ITmedia 2016年5月6日閲覧。
- ^ 大河原克行 (2007年6月21日). “ソニー、定期株主総会を開催。「利益を伴う成長へ」-「ソニータイマーという言葉は認識している」中鉢社長”. impress AV Watch (インプレス) 2015年12月12日閲覧。
- ^ Hunter Skipworth (2010年1月22日). “The myth of the Sony 'kill switch'” (英語). telegraph.co.uk (デイリー・テレグラフ) 2015年12月12日閲覧。
- ^ “本当に仕掛けられていた“島津タイマー”…子会社社員による不正の手口とは?”. 重道武司(日刊ゲンダイ) (2023年2月16日). 2023年7月1日閲覧。
- ^ a b “存在した「島津タイマー」、内部通報もみ消し10年以上不正明かされず”. 日経XTECH (2023年3月23日). 2023年7月1日閲覧。
- ^ 井上トシユキによって執筆された章。2ちゃんねるにおける「ソニータイマー」をめぐる噂を論じている。
- 1 ソニータイマーとは
- 2 ソニータイマーの概要
- 3 島津タイマー
- 4 関連項目
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