ゼアズ・ア・プレイス 曲の構成

ゼアズ・ア・プレイス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/25 07:07 UTC 版)

曲の構成

「ゼアズ・ア・プレイス」のキーはEメジャーで、4分の4拍子で演奏される。ビートルズとしては珍しく演奏時間が短い楽曲で、曲中でブリッジは1つしかない[10]。エヴェレットは、本作ではビートルズの初期の曲から一部拝借していると述べている。その例として、「『ラヴ・ミー・ドゥ』のコーラスからIを交互にIVで装飾する2小節のグルーピングを引用し、本作の最初のヴァースに加えている」とし、「『プリーズ・プリーズ・ミー』から、ジョージ・ハリスンが演奏するギターとジョン・レノンが演奏するハーモニカが同じオクターブをまたぐラインが使われている」としている[3]。また、本作の冒頭のベース音[3]Bであり、これは「プリーズ・プリーズ・ミー」で聴けるものと同じである[10]。ビートルズの初期のシングルの多くがそうであるように、本作はハーモニカをフィーチャーしている[11][注釈 1]

レノンとマッカートニーは、本作を完全四度完全五度の2声ハーモニーで歌っていて、レノンが低音部、マッカートニーが高音部を歌っている[9]。これについて、マッカートニーは「2人で歌った。僕が高音部で、ジョンが低音部とメロディだ。これはいいことで、後で楽譜に書く時にメロディがどこにあるのかを決める必要がなかったんだ」と語っている。ハリスンはバッキング・ボーカルを担当している[10]

本作の歌詞は、私語りの形式で書かれている。曲中で語り手は、自己充足していることを宣言し、心の中に引きこもることで孤独を乗り越えることができると述べている。アラン・W・ポラック英語版は、本作について「自信に満ちた言葉とは裏腹に、逆説的に非常に緊張感がある音楽」としている[10]。エヴェレットも本作を「幸福とうつ病の異常な調和」と表現している[8]


注釈

  1. ^ ビートルズがイギリスで発売した初期のシングル4作のうち、「ラヴ・ミー・ドゥ」、「フロム・ミー・トゥ・ユー」、「サンキュー・ガール」、「アイル・ゲット・ユー」でハーモニカが使用されている[12][13]
  2. ^ ルイソン、エヴェレット、ケネス・ウォマック英語版は発売日を1964年3月2日としているが[26] [27][28]、ジョン・C・ウィンは1964年2月20日としている[29]

出典

  1. ^ a b The Hot 100 Chart”. Billboard (1964年4月11日). 2020年10月19日閲覧。
  2. ^ Lewisohn 2000, pp. 353, 364.
  3. ^ a b c d Everett 2001, p. 143.
  4. ^ a b c d e Riley 2002, p. 56.
  5. ^ a b c Hertsgaard 1995, p. 32.
  6. ^ Sheff 1981, p. 196.
  7. ^ MacDonald 2007, p. 65.
  8. ^ a b Everett 2001, p. 145.
  9. ^ a b c Miles 1998, p. 95.
  10. ^ a b c d e Pollack 1991.
  11. ^ Everett 2001, pp. 116, 127.
  12. ^ MacDonald 2007, pp. 58, 62, 77, 80, 85.
  13. ^ Womack 2009, p. 286.
  14. ^ a b c d e f Lewisohn 1988, p. 24.
  15. ^ Winn 2008, p. 29.
  16. ^ Winn 2008, p. 32.
  17. ^ Lewisohn 1988, p. 28.
  18. ^ Everett 2001, p. 123.
  19. ^ Lewisohn 1988, pp. 23, 28.
  20. ^ Lewisohn 1988, p. 32.
  21. ^ Lewisohn 1988, pp. 23–24.
  22. ^ Jopling, Norman (30 March 1963). “Guess What!”. Record Mirror: 12. 
  23. ^ Womack 2009, p. 290.
  24. ^ Gould 2007, pp. 212–213.
  25. ^ Womack 2009, pp. 290–291.
  26. ^ Lewisohn 1988, p. 200.
  27. ^ Everett 2001, p. 214.
  28. ^ Womack 2009, p. 289.
  29. ^ Winn 2008, p. 106.
  30. ^ Marcus 1980, pp. 186–187.
  31. ^ Kramer 2009, p. 68.
  32. ^ a b Hertsgaard 1995, pp. 32–33.
  33. ^ Ingham 2009, pp. 21–22.
  34. ^ Marshall 2006, p. 11.
  35. ^ Gould 2007, p. 148.
  36. ^ Cott & Doudna 1982, pp. 249–250.
  37. ^ MacDonald 2005, p. 65.
  38. ^ Deming, Mark. Flamin' Groovies Now - Flamin' Groovies | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年10月20日閲覧。
  39. ^ Deming, Mark. Dogs from the Hare That Bit Us - The Dickies | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年10月20日閲覧。
  40. ^ Rabid, Jack. Flamin' Groovies Now - Flamin' Groovies | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年10月20日閲覧。
  41. ^ Deming, Mark. B-Sides the Beatles - The Smithereens | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年10月20日閲覧。
  42. ^ BBC Radio 2 - 12 Hours to Please Me, Gabrielle Aplin - There's A Place - Please Please Me session”. BBC. 2020年10月20日閲覧。






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