スーパーマリオサンシャイン スーパーマリオサンシャインの概要

スーパーマリオサンシャイン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/11 10:26 UTC 版)

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スーパーマリオサンシャイン
Super Mario Sunshine
ジャンル 3Dアクション
対応機種 ニンテンドーゲームキューブ
開発元 任天堂
発売元 任天堂
プロデューサー 宮本茂
手塚卓志
ディレクター 小泉歓晃
臼井健太
プログラマー 林田宏一
音楽 近藤浩治[注 1]
田中しのぶ
シリーズ スーパーマリオシリーズ
人数 1人
メディア GC用8cm光ディスク
発売日 2002年7月19日
2002年8月26日
2002年9月14日
2002年10月4日
対象年齢 CEROA(全年齢対象)
ESRBE(6歳以上)
ELSPA:3+
OFLC:G[1]
PEGI3
解像度 最大480p
売上本数 約87万本
約628万本[2]
その他 プログレッシブモード対応
ドルビーサラウンド プロロジックII対応
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2020年9月18日には本作と『スーパーマリオ64』、『スーパーマリオギャラクシー』の3本をまとめた、『スーパーマリオ 3Dコレクション』がNintendo Switch専用ソフトとして2021年3月末までの期間限定で発売された。

ゲームシステム

前作『スーパーマリオ64』のシステムを踏襲した続編的作品で、マリオが南国のリゾート地「ドルピック島」を舞台に様々な冒険を繰り広げていく。ゲームキューブの性能を生かした緻密なの描写が特徴的で、背中に背負った「ポンプ」で落書きや汚れを落とす、水を放射するなどの水を駆使したアクションをゲームの中心に据えている。前作同様、箱庭を探索するステージ構成となっており、ゴールは特に決められていない。

操作は前作とほぼ同じであるが、ヘッドスライディングやポンプアクションが追加された代わりにパンチ、キックなど従来の一部攻撃アクションが削除されている点も今作の特徴として挙げられる[注 2]。ポンプのノズルは変更可能で、それぞれのノズルによって能力や効果に違いがある為、場面ごとの使い分けが非常に重要になってくる。このため、他シリーズの変身マリオの要素は概ねポンプのノズルチェンジ能力に当てられている。

ダメージを受けると画面右上にオレンジ色のライフメーター(水中では水色の酸素メーター)が出現してダメージごとに減っていき、メーターが完全になくなる(8回ダメージを受ける)か奈落などに落ちると1ミスでマリオの残数が減る(モンテマンレースやタイムコースで負けるか、イカサーフィンでは壁や障害物にぶつかると即ミスとなる。また、ピンナパークの『ジェットコースターでフーセン割り』では3周する間にロケットで風船を全て割らないと即ミスになるので残数を増やすことがオススメ)。残数が0の時にミスしたらゲームオーバーとなり、タイトル画面に戻るか、セーブした状態からやり直すことができる。ライフメーターはコインを取ると回復(コイン1枚毎にライフ1回復)し、1UPキノコを取るとフル回復。水中ではコインか気泡を取る、もしくは息継ぎをすると回復。なお、前作では落下する高さや攻撃によってライフの減りが異なっていたが、今作ではコロナマウンテンの障害物に触れたとき以外は、1つずつしか減らない。リコハーバーの『GO!GO!イカサーフィン』では制限時間が過ぎたときにゴールすると、ステージから追放されてやり直しになる(この際、1ミスでマリオの残数が減ることはない)。

本作はヨッシーも登場する。ヨッシーのタマゴを持ったニセマリオを倒す事で出現するようになる。乗る事ができ、乗っている間は口からジュースを発射可能。ただしヨッシーに乗るには、タマゴのふきだしに描かれた「欲しがっているフルーツ」を与えてタマゴを孵化させる必要がある。胃袋メーターは時間が経つと減っていき、ジュースを発射しても減っていく。また、本作では従来のヨッシーとは異なり水が苦手であるため、水に入ったり(これは今回のヨッシーは魔法の絵具の力で具現化されたものだからという説がある)、胃袋メーターが空になったりするとヨッシーの体が緑になってその場で消えてしまう。落ちているフルーツを食べて補給でき、フルーツによって身体やジュースの色が変わる(ピンク、オレンジ、紫の全3色)。

また、本作で探すのは「スター」ではなく、太陽の形をした「シャイン」である。シャインを集めると、少しずつドルピック島の太陽の光が強くなる。シャインを一定数集めるとマリオがサングラスをかけたり、アロハシャツを着たりすることができるようになる。

一定時間操作しないでいるとマリオが寝はじめる。最初はその場に座りこんで寝ているが、更に一定時間経つと横になって眠ることになる。本作以降は眠っている時に「Zzz…」のマークがつくようになり、鼾の音もリニューアルされているほか、マリオが寝はじめるタイミングも早くなっている。体力が残り3以下のときはうなだれて喘ぐようになる。

中心の街ドルピックタウンから、8つのステージに移動しクリアしていく形となる。各ステージは8つのSTORYからなり、STORYの違いにより、同一マップのステージの状況が逐一変化していく。1つのSTORYで最低1つのシャインが取得できるほか、隠しステージやコイン集めなどで取得できる。シャインは119個以下で通常エンディングだが、全120個のシャインを集めた後にもう一度コロナマウンテンに行ってクッパを倒すとパーフェクトクリアでハッピーエンディングとなる。なお、STORY7は全ステージでニセマリオを倒す条件に統一されている。

ポンプアクション

背中に背負ったポンプを用いてゲームを進めていく。画面右下にポンプメーターがあり、放水するごとに減っていく(装着しているノズルにより1回の消費量は異なる)。補給は水中で行うか、噴き出す水に触れる、ペットボトルを取得する、ノズル交換(後述)のいずれか。

ノーマルノズル(Normal Nozzle)
最初から使用可能。ポンプアクションの基本的なノズルで、前方に放水し、敵を倒す、落書きを消すという役割をもつ。主観視点にすることで放水する角度も変えられる。放水の勢いを利用してバック宙や、ロープに捕まっての大車輪ジャンプ、水を地面に撒いた上での飛び込み(ヘッドスライディング)移動などにも用いることが可能。ジャンプアクションを組み合わせたりRトリガーの押し込み具合などで、放水のパターンがいくつか変化する[注 3]

以下の3種類のノズルは、ドルピックタウンやコース上に存在する各種ノズルボックスで1つだけ取得でき、ノーマルノズルと切り替えることができる。他のノズルと切り替えたい場合はその都度ノズルボックスで取得する必要がある。ドルピックタウンにあるノズルボックスは条件を満たすと使用できるようになる。各ステージの半透明ボックスは、コース内のどこかにある実体化したボックスのノズルをそのステージ内で入手・セーブすれば全て実体化し、それ以降はどのストーリーでも実体化している。

ホバーノズル(Hover Nozzle)
青いノズルボックスに入っている。最初からノーマルノズルとともに使用可能。また、コースをクリアするかヨッシーを降りた後は、他のノズルの取得状況にかかわらずこのノズルに戻っている。
2つのノズルで下向きに放水し、落下速度をゼロにした上で一定時間微速上昇しながら空中移動が可能。放水中は自由に方向転換が可能で、高所からの着地によるダメージを防いだり、マリオのジャンプでも届かない足場の離れた箇所に飛び移る際に大きな効果を発揮する。真下にある地面の落書きや敵を攻撃可能。底の見えない場所でもホバー放水で滞空可能。
ターボノズル(Turbo Nozzle)
灰色のノズルボックスに入っている。ドルピックタウンではヨッシーを出現させた状態で、一定数のシャインを集めるとこのノズルを持ったニセマリオが出現し、倒すと使用可能になる。汚れを消すことには向いておらず、前方移動に特化したノズル。
数秒間パワーをチャージした後、後方へ勢いよく水を噴射し続ける。これにより地上、水上を問わず高速ダッシュができる。水上のほうがやや操作性がよく、常に水を補給しながらダッシュするためポンプメーターが減らない。作中ではこれを使うことを前提としたステージも存在する。水中に潜った状態でも使用可能で普通に泳ぐより遥かに早く推進する事が可能。ダッシュ中にジャンプすれば通常より大きなジャンプが可能。通常ホバー滞空でも届かない場所に行けるほか、ボディアタック等では壊せない扉を突き破る事もできるが、水の消費量がノーマルより多い。
ロケットノズル(Rocket Nozzle)
赤いノズルボックスに入っている。ドルピックタウンではターボノズルを出現させた状態で、一定数のシャインを集めるとこのノズルを持ったニセマリオが出現し、倒すと使用可能になる。汚れを消すことには向いておらず、上移動に特化したノズル。
数秒間パワーをチャージ(ボタンの押す強さで加減ができる)した後、下向きに勢いよく水を放出し通常より高くジャンプができる。空中でも使用できるが、一回の使用で多くの水を消費するうえ、放水し続ける事が出来ない。飛び上がった状態でヒップドロップすると強力なスーパーヒップドロップとなり、これでしか破壊出来ないブロックも存在する。ジャンプやスピンジャンプと併用し、空中で噴射させることで飛距離を更に稼げる。ただし、ジャンプ時の着地の瞬間や、水上にいる時は水を消費するだけで不発におわる。

ストーリー

物語はマリオがピーチ姫たちと共にドルピック島という南国の島をバカンスで訪れる所から始まる。

マリオたちが乗る王族専用の飛行機がドルピック島の空港に着陸しようとしていた。しかし不思議な力を持つ絵の具の力で、落書きされた滑走路の中心部が陥没した為に、危うく着陸を失敗して事故を起こしかける。空港で出会ったポンプとともにこの問題を解決するマリオであったが、そこへ警察官が近づいてきて、マリオは逮捕されてしまう。それというのも、ドルピック島ではあちこちで同じような落書きと、それにともなう被害が発生、島の守り神である光の象徴「シャイン」たちが逃げてしまい、太陽の光が十分に届かない事態にまで発展しており、島の各所でマリオにそっくりな人(ニセマリオ)が落書きをしていたという目撃情報が寄せられていたためである。裁判でもピーチ姫たちの異議も却下され、無実にもかかわらず有罪判決を受け、島をきれいにするまで島を出てはならないことを宣告されてしまう。 マリオたちは潔白の証明と島民たちのために、落書きを消しながらシャインを集め、真犯人を追うことにする。

途中でニセマリオによってピーチ姫がさらわれてしまい、さらにはニセマリオの正体がクッパの息子であるクッパJr.であることが発覚する。クッパJr.はクッパから「ピーチ姫はクッパJr.の母親であり、悪人であるマリオにさらわれた」と吹き込まれており、今回の事件はクッパJr.によるピーチ姫の「奪還作戦」なのであった。

最終的にマリオたちはクッパたちとコロナマウンテンの奥で決戦を行い、撃破する。本来の明るさを取り戻したドルピック島で、ポンプを交えて改めてバカンスをやり直すマリオたち。 一方、クッパはクッパJr.にピーチ姫が実際には母親ではないことを告げようとするが、クッパJr.はそれを知っていたことと、大きくなったらまたマリオと戦いたいことをクッパに話す。クッパは息子の頼もしさを喜ぶが、今はゆっくり休もうと言うのであった。


注釈

  1. ^ 本作を最後にメインコンポーザーを退き、以降は監修や一部の作曲などでの参加のみにとどまっている。
  2. ^ 一部攻略本では、転倒したクリンを弾き飛ばす行為等をパンチもしくはキックと表記している場合もある
  3. ^ 厳密にいえば、弱く押し込むことによる歩きながらの放水と、トリガーを完全に押し込むことでの固定放水の2パターンのみ。このため、Nintendo Switchに移植された「スーパーマリオ3Dコレクション」では、R・ZRトリガーに各パターンの役割を与えることで放水能力を再現している。
  4. ^ 本作発売時2002年の時点で職業が「配管工」と断定された他、好物が「スパゲッティ」、嫌いな食べ物が「毒キノコ」、好きな人や体重は「秘密」、両親の名前は知らないものとされた。
  5. ^ ユーザー登録時に「スーパーマリオブラザーズ2」でのクッパ戦、「スーパーマリオワールド(スーパーマリオアドバンス2)」でのイギー戦、「スーパーマリオ64」でのクッパ戦のゲーム画面が流れている。
  6. ^ 任天堂公式ガイドブックでは、「なぜか村長がシャインをかくし持っていた」と言及されている。
  7. ^ 前作では常にステージ内に配置されていたのと違い、今作では決まったSTORYでのみ登場。
  8. ^ 前作では赤コイン(1つにつき2枚分)を含めた100枚コインのスターを取得できていたが、今作では不可能となった。
  9. ^ SHINE GET自体は和製英語Engrish
  10. ^ SHINEは単体で使うと「磨く」「輝く」という意味になる。
  11. ^ Delfinoはイタリア語で「イルカ」を意味する単語。

出典

  1. ^ SUPER MARIO SUNSHINE Game (Multi Platform). Office of Film And Literature Classification.
  2. ^ O'Malley, James (2015年9月11日). “30 Best-Selling Super Mario Games of All Time on the Plumber's 30th Birthday”. Gizmodo. Univision Communications. 2015年9月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月9日閲覧。
  3. ^ TMK Mario in Japan | Super Mario Sunshine” (2018年2月28日). 2020年12月6日閲覧。
  4. ^ 「スーパーマリオ 3Dコレクション」更新データVer.1.1.0、本日11月17日より配信開始 - GAME Watch”. GAME Watch (2020年11月17日). 2020年12月6日閲覧。
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  6. ^ Super Mario Sunshine reviews”. Metacritic. 2007年11月11日閲覧。
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  13. ^ ニンテンドーゲームキューブ – スーパーマリオサンシャイン. Weekly Famitsu. No.915 Pt.2. Pg.99. June 30, 2006.
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  16. ^ a b Guzman, Hector (2002年8月25日). “Super Mario Sunshine review”. GameSpy. 2006年5月3日閲覧。
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  20. ^ Stardingo (2002年8月25日). “Super Mario Sunshine review”. GamePro. 2008年10月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年11月22日閲覧。
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  22. ^ Wales, Matt (2006年5月17日). “Super Mario Galaxy preview”. ComputerAndVideoGames.com. 2007年11月11日閲覧。
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  30. ^ Campbell, Colin; Keiser, Joe (29 July 2006). "The Top 100 Games of the 21st Century". Next Generation. 2007年10月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月6日閲覧
  31. ^ Boutros, Daniel (2006年8月4日). “A Detailed Cross-Examination of Yesterday and Today's Best-Selling Platform Games”. Gamasutra. 2007年11月11日閲覧。






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