スリランカ鉄道
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/19 03:56 UTC 版)
運行路線
スリランカ鉄道は。9路線で構成されており、1950年代から急行列車の運行が開始された。
系統 | 路線名 | 区間 | 営業キロ |
---|---|---|---|
メインライン | メインライン | コロンボ・フォート駅 - バドゥッラ駅 | 289.6km |
マータレーライン | ペラデニヤ・ジャンクション駅 - マータレー駅 | ||
ノーザンライン | ノーザンライン | ポルガハウェラ・ジャンクション駅 - カンケサントゥライ駅 | |
マンナールライン | メダワッチ・ジャンクション駅 - タライマンナール駅 | ||
バッティカロアライン | マホー・ジャンクション駅 - バッティカロア駅 | ||
トリンコマリーライン | ガル・オヤ・ジャンクション駅 - トリンコマリー駅 | ||
コーストライン | コーストライン | コロンボ・フォート駅 - ベリアッタ駅 | 183.7km |
ケラニ・バレーライン | コロンボ・マラダーナ駅 - アビッサウェラ駅 | ||
プッタラムライン | ラーガマ駅 - プッタラム駅 | 119.1km |
課題
財政
スリランカ鉄道は継続的に大きな財政的損失を被り、1943年以来赤字で運営されている。2007年5月には、約30億スリランカ・ルピーの収益があったが、政府から70億ルピーの補助金が必要であった[21]。費用が大きくなる要因はビクトリア朝から維持されているインフラの維持費であり、人件費についても州の雇用政策によって人員超過が続いている[22]。
地元住民に対する差別
2017年2月、スリランカのサンデータイムズ紙は、トイレが人種差別的であるとしてスリランカ鉄道を批判した。記事によると、外国人観光客と地元住民で利用できるトイレが異なるという。コロンボ・フォート駅をはじめとする5駅で外国人観光客は「外国人用トイレ」と標識のある衛生的なトイレを利用できるのに対して、地元住民は整備の行き届いておらず不衛生なトイレの利用を強いられている。運輸大臣によるとこの外国人用トイレは観光省の予算で整備されているという[23]。
インフラ
スリランカ鉄道はビクトリア朝時代のインフラと老朽化した設備を保有しており、維持管理に多大な資金が必要となっている。また、車両の輸送容量も低下し、サービスの品質が低下している。車両の輸送容量を維持するためにスリランカ鉄道は2007年以降車両を増備している[24]。
他の交通機関との連携不備
スリランカ鉄道は道路やバスとの接続が悪く、十分に連携ができていない。また、他国の輸送システムのようにスリランカではバスとの連絡切符の発行なども行なっていない。バスと鉄道の時刻表も連絡していないため、それぞれの交通機関が独自で運営を行なっている。そのため、バスから鉄道へ乗り継ぐ効率が低下している[25]。
安全性
スリランカでは線路に人が容易に入れるようになっており、自分撮りをしようとして列車に轢かれる事故が多発している。2017年には6月には男性2人が線路上で自分撮りの最中に列車に轢かれる事故が発生しており、これを受けてスリランカ鉄道は自分撮りの取り締まりを行うと発表した[26]。
事件・事故
- 1964年3月18日 - 列車が高速で脱線し、ミリガマ近郊で60人以上が死亡した。
- 1985年1月19日 - LTTEによって急行Yal Devi号が爆破され、11人の民間人が死亡した。
- 1996年7月24日 - LTTEによる列車爆破テロ、デヒワラで70人の民間人が死亡した。
- 2001年8月19日 - アラッワ - ランブッカ間で車両が脱線、46名が死亡
- 2002年
- 2004年12月26日 - 同日発生したスマトラ島沖地震による津波によって列車が流され、1,700名以上の人が死亡した[27]。これは世界最大の鉄道事故となった。詳細は「2004年スリランカ津波列車事故」を参照
- 2005年4月26日 - ポルガハウェラ近郊の踏切を渡ろうとしたバスに列車が衝突、バスの乗客37名が死亡した。
- 2017年6月13日 - コロンボ市内の線路上で自分撮りをしていた2人の兄弟が鉄道に轢かれる事故が発生した[26]。
脚注
- ^ “Head of Organisation”. Sri lanka Railways. 2017年1月15日閲覧。
- ^ a b “Performance Report - 2016: Department of Sri Lanka Railway”. parliament.lk. The Parliament of Sri Lanka. 2018年3月7日閲覧。
- ^ “Overview”. Sri Lanka Railways. 2012年2月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年2月6日閲覧。
- ^ “SLR at a Glance” (英語). www.railway.gov.lk. 2019年9月13日閲覧。
- ^ “Ceylon Railway Enthusiasts Circle (CREC)/SLRF” (英語). スリランカ鉄道145周年記念誌. (2010年1月2日)
- ^ “Cameos of the past: First train on line to Badulla from Colombo” (英語). Sunday Observer. (2010年7月19日). オリジナルの2016年3月3日時点におけるアーカイブ。
- ^ “Construction of Matara-Kataragama railway line in Southern Sri Lanka begins” (英語). Colombo Page (2010年4月6日). 2019年9月9日閲覧。
- ^ a b Farzandh, Jiffry (2011年12月19日). “B. D. Rampala - an engineer par excellence” (英語). Ceylon Daily News. オリジナルの2012年1月13日時点におけるアーカイブ。 2012年1月3日閲覧。
- ^ “Rampala regime in the local Railway History” (英語). The Island. (2010年7月19日)
- ^ a b “Power sets to steam long distance travel” (英語). Dailynews. (2010年9月3日). オリジナルの2012年3月8日時点におけるアーカイブ。
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- ^ “Railway gets new power sets from China” (英語). Dailynews. (2010年4月23日). オリジナルの2012年3月8日時点におけるアーカイブ。
- ^ Dissanayake, Ridma (2012年4月11日). “Southern railway line re-opens today” (英語). Ceylon Daily News. オリジナルの2012年4月13日時点におけるアーカイブ。 2012年9月11日閲覧。
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- ^ “Sri Lanka gives northern rail rebuilding deal to India’s IRCON” (英語). Lanka Business Online. (2010年8月18日). オリジナルの2011年10月4日時点におけるアーカイブ。
- ^ “Samudra Devi in a Tangle of Love!” (英語). The Island. (2009年7月12日). オリジナルの2011年9月13日時点におけるアーカイブ。
- ^ “Train travel in Sri Lanka | Timetables, fares, tickets, advice” (英語). www.seat61.com. 2019年9月10日閲覧。
- ^ “Railway Electrification: Let us Start, at least now” (英語). The Island. (2010年3月27日). オリジナルの2010年7月5日時点におけるアーカイブ。
- ^ “Samudra Devi in a Tangle of Love!” (英語). The Island. (2009年7月12日). オリジナルの2011年9月13日時点におけるアーカイブ。
- ^ “IESL proposes railway electrification project” (英語). Daily News. (2010年12月25日). オリジナルの2012年3月8日時点におけるアーカイブ。
- ^ “Rolling Stock: Sri Lanka in 60 mln dlr train deal with China” (英語). Lanka Business Online. (2007年5月11日). オリジナルの2012年5月6日時点におけるアーカイブ。 2011年11月6日閲覧。
- ^ “A new paradigm for providing economic services” (英語). Daily FT. (2011年8月3日). オリジナルの2012年4月1日時点におけるアーカイブ。
- ^ Warakapitiya, Kasun (2017年2月5日). “Passengers hold their noses at racist, incompetent railway” (英語). Sri Lanka Sunday Times 2017年3月26日閲覧。
- ^ “China - Sri Lanka’s top lender in 2009” (英語). (2010年4月18日). オリジナルの2016年3月4日時点におけるアーカイブ。 2019年4月27日閲覧。
- ^ Mapatunage, Prasad Sachintha (2012年9月23日). “Sri Lanka can easily enforce a car-free day” (英語). The Sunday Times 2012年9月26日閲覧。
- ^ a b “線路での「自分撮り」取り締まり、死亡事故相次ぐスリランカ”. AFPBB News. (2017年6月14日) 2021年7月16日閲覧。
- ^ “スマトラ沖地震で大津波が襲ったスリランカ、鉄道復旧への道”. エキサイトニュース. (2011年11月10日) 2021年7月16日閲覧。
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