スラヴ語派 近隣言語への影響

スラヴ語派

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/04 07:33 UTC 版)

近隣言語への影響

スラヴ語派と隣接する言語の中でも、ルーマニア語ハンガリー語は特に語彙の面で多くの影響を受けている。西ヨーロッパの言語における、スラブ言語の大きな影響はゲルマン語派でも見られる。現代ドイツ語とそのオーストリアの方言は、スラブ語の影響下で形成された。語彙の中にわずかに残っているスラヴ系起源のものを挙げると、「境界」をあらわすドイツ語「Grenze」、オランダ語「grens」(スラヴ祖語の「*granĭca」から)、「市場」をあらわすスウェーデン語「torg」(スラヴ祖語の「*torgŭ」から)、などがある。ゲルマン語派の中でスラヴ語派からの影響を最も多く受けているものはイディッシュ語である。ソ連に属していた中央アジアの諸言語やモンゴル語なども、語彙の面での影響が見られる。

ゲルマン諸語

スラブ人によって設立されたドイツオーストリアの都市の名前はスラブの言葉に起源を持つ(シュヴェリーンロストックリューベックベルリンドレスデンなど)。スカンジナビアの言語では、ナビゲーションと貿易に関連するスラブの言葉からかなりの数の語彙を借用しており、おそらくスカンジナビアとスラブの接触の結果として継承されている。たとえば、「lodhia」(ボート、貨物船)、「pråm」(はしけ、東スラブ語:pramŭ)[4]、「torg」(市場、商圏)[5]、「besman / bisman」(市場規模)、「pitschaft」(印刷)、「tolk」(翻訳者)[6] などから。

フィンノ=ウグリ語群

その他


  1. ^ Mayer, Harvey E. "The Origin of Pre-Baltic." Lituanica. 37.4 (1991) 57-64.
  2. ^ Kapović (2008, p. 94 "Kako rekosmo, nije sigurno je li uopće bilo prabaltijskoga jezika. Čini se da su dvije posvjedočene, preživjele grane baltijskoga, istočna i zapadna, različite jedna od druge izvorno kao i svaka posebno od praslavenskoga".)
  3. ^ [1]
  4. ^ Hellquist, Elof (1922). "pråm". Svensk etymologisk ordbok (スウェーデン語). Project Runebergより。
  5. ^ Hellquist, Elof (1922). "torg". Svensk etymologisk ordbok (スウェーデン語). Project Runebergより。
  6. ^ Hellquist, Elof (1922). "tolk". Svensk etymologisk ordbok (スウェーデン語). Project Runebergより。


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