ガンダムジェミナス ガンダムジェミナスの概要

ガンダムジェミナス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 03:01 UTC 版)

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アフターコロニーの機動兵器 > ガンダムジェミナス

資源衛星「MO-V」で開発された試作型ガンダムタイプMS(モビルスーツ)。のちにOZ(オズ)プライズによって衛星ごと接収される。機体名の「ジェミナス」は黄道十二星座の1つ双子座に由来する[1]

メカニックデザインは阿久津潤一(ビークラフト)が担当。本項では、作中に登場する各発展機の解説もおこなう。

デザイン

ビークラフト(現アストレイズ)で製作に関与した新谷学はインタビューに際し、『G-UNIT』の企画当初は『ガンダムW』の外伝ではなく、プラモデルのオリジナル企画として検討されていたことから、西遊記をモチーフにしたガンダムなどの案が提示されたと語っている。そのなかで『鋼鉄ジーグ』をモチーフにしたパーツ交換ギミックを取り入れたガンダムがのちのジェミナスへと変遷したことを説明している。デザインにあたっては、阿久津潤一が嗜好していた『バーチャファイター2』の影響からハチマキなどの意匠が取り入れられており、アサルトブースターには『スタートレック』に登場したエンタープライズ号の意匠が存在すると語っている[2]。また、『G-UNIT』は5体のプラモデルを発売する企画としてスタートし、のちに6体目の発売案が出たが消滅、その折に新谷が発案したハイゴッグから変形するガンダムのアイディアを阿久津がデザインしたものがガンダムバーンレプオスであり、その後ストーリー進行においてときた洸一が作中に登場させたとしている[3]

設定解説

諸元
ガンダムジェミナス
Gundam Geminass
型式番号 OZX-GU01A(X-GU01A)(1号機)
OZX-GU02A(X-GU02A)(2号機)
全高 17.3m
重量 7.9t
(宇宙用ユニット装着時:10.2t)
装甲材質 G-METAL(ガンダニュウム合金
ルナ・セラミック
ファイン・ケプラー複合材
出力 6,479kW
推力 96,365kg
武装 ビームソード×2
アクセラレートライフル×1
G-UNITシールド×1
搭乗者 アディン・バーネット(1号機)
オデル・バーネット(2号機)
レオス・アロイ(1号機)
ピーニャ・ハーシー(2号機)

開発は資源衛星都市「MO-V」に存在する企業「ハーマン・インダストリ」でおこなわれ、設計は同地の科学者ドクター・ペルゲによっておこなわれた[4]。MO-VがOZの傘下に入ったことから、同組織の制式採用を視野に入れていた機体でもある[5]。「Gユニット」に分類される機種であり、ウイングガンダムゼロやその派生機群とは異なり、特定のコンセプトに特化するよりも換装機構により各種任務に対応する汎用性を重視している[4]。そのため、主動力炉とコックピットを内包する胴体をコアとして、頭部や四肢まで含めた共通規格のオプションパーツを換装することで、あらゆる戦場に適応可能な汎用性を獲得している[4]。この換装機構のためにジェミナスの機体各部にはリニアロック・ボルトと呼ばれる電磁駆動式のジョイントが備えられ、各パーツを接続している[6]。Gユニットとして開発された他機とは装備の互換性を有している[4]

武装・装備

ビームソード
高出力のプラズマを磁界収束によって刀身状に形成する兵装。非使用時はバックパックにマウントする[6]
アクセラレートライフル
OZ内部の量子物理学研究所で開発されていた試作ビーム兵器。螺旋型粒子加速器ミューオンを加速投射するビーム兵器。電磁コンデンサーが内蔵されており、「ハイパーショット」と呼ばれる溜め撃ちが可能[6]
非使用時はシールド裏側にマウント可能。
G-UNITシールド
ハニカム構造をもつガンダニュウム合金製の盾で、装備に組み込まれているEM(電磁場)フィールド発生装置によって実弾とビーム双方を防御可能としている[6]
質量感応型索敵システム
胸部に設置される。物質による空間のゆがみを増幅・補足し、モニターに投影する[6]

PXシステム

ジェミナスなどの一部機体に搭載されたシステム。開発はドクター・ペルゲによるもので、「PX」とは「PILOTS EXPERINCE」の略。これは人間の緊張が極限になったとき感覚が鋭敏になる研究から作られたもので、発動時は機体速度を高めることができる。機体とパイロットへの負荷が大きいという欠点があるため、通常はリミッターが設定されているが、これを解除することでさらなる高性能を発揮する「オーバードライブモード」となる[4]

ジェミナスのコックピットはリーオーをベースとしているが、このPXシステムに対応したヘッドレストが設置されている[4]。のちにPXシステム対応の新型シートへと換装される[7]

換装ユニット

地上用ユニット
肩と脚に装備される基本ユニット。地上用でありながら宇宙空間でも運用可能。
宇宙用ユニット
アサルトブースター」の別名をもつ高機動ユニット。肩・脚・背部にスラスターが追加され、推力を向上させる[1]
高機動型ユニット
劇中未登場。宇宙用ユニットのバリエーションで、こちらは大気圏内での使用を前提とした飛行ユニット[1]
ガンダムEXA』では、レオス・アロイがMO-Vに輸送前状態の01に装備させて搭乗。
陸戦重装ユニット
劇中未登場。陸戦重視を目的とした装備で、増加装甲や大型火器の装備によって、耐弾性と砲撃戦能力が強化されている[1]
『ガンダムEXA』では、ピーニャ・ハーシーがMO-Vに輸送前状態の02に装備させて搭乗。
『コミックボンボン』「Gユニットコンテスト」作例
以下の形態は、1997年に『コミックボンボン』誌におけるジェミナス換装形態の読者公募「Gユニットコンテスト」がおこなわれた際に、雑誌側の作品例として掲載されたもの[8]。デザインはGユニットのコンセプト段階で描かれたものを流用している[9]
重火力型後方支援用陸戦ユニット
重火力戦や遠距離戦を得意とする地上用ユニット。格闘戦には不向き[8]
大気圏内用全天候型多目的空戦ユニット
マッハ7.5での高速移動が可能な飛行用ユニット。偵察機や攻撃機としての運用も可能としている[8]
水中型特殊戦術用砲雷撃戦用ユニット
水深1200メートルまでの潜航が可能な水上・水中戦用装備で、移動速度も96ノットに達する[8]

注釈

  1. ^ 両肩バインダーは接近戦モードにおいてバイソンクロー、バックパックは頭部のレドームを構成する[16]
  2. ^ a b c 装備の呼称は『電撃データコレクション』を参照[19]

出典

  1. ^ a b c d 『電撃データコレクション 新機動戦記ガンダムW 増補改訂版』アスキー・メディアワークス、2012年2月、52-53頁。ISBN 978-4-04-886314-8
  2. ^ 『月刊ガンダムエース』2020年1月号、KADOKAWA、438-442頁。
  3. ^ 『月刊ガンダムエース』2020年2月号、KADOKAWA、28-34頁。
  4. ^ a b c d e f 『電撃データコレクション 新機動戦記ガンダムW 増補改訂版』アスキー・メディアワークス、2012年2月、88-89頁。ISBN 978-4-04-886314-8
  5. ^ ときた洸一『KCデラックス 新機動戦記ガンダムW デュアルストーリー G-UNIT』第1巻、講談社、2005年9月、42-43頁、ISBN 4-06-372069-1
  6. ^ a b c d e 『1/144 HG ガンダムジェミナス01』バンダイ、1997年5月、組立説明書。
  7. ^ ときた洸一『KCデラックス 新機動戦記ガンダムW デュアルストーリー G-UNIT』第1巻、講談社、2005年9月、122-123頁、ISBN 4-06-372069-1
  8. ^ a b c d 『コミックボンボン』1997年10月号、講談社、30-31頁。
  9. ^ 『月刊ガンダムエース』2020年1月号、KADOKAWA、442頁。
  10. ^ KADOKAWA『新機動戦記ガンダムW G-UNIT オペレーション・ガリアレスト』第9話ほか。
  11. ^ a b c d e f g h i j k 『1/144 HG ガンダムLOブースター』バンダイ、1997年7月、組立説明書。
  12. ^ a b 『電撃データコレクション 新機動戦記ガンダムW 増補改訂版』アスキー・メディアワークス、2012年2月、54-55頁。ISBN 978-4-04-886314-8
  13. ^ ときた洸一『新機動戦記ガンダムW G-UNIT オペレーション・ガリアレスト』第21話、KADOKAWA。
  14. ^ ときた洸一×新谷学(アストレイズ)「G-UNITシークレット対談前編」、ときた洸一『新機動戦記ガンダムW G-UNIT オペレーション・ガリアレスト』第2巻188 - 189頁、KADKAWA。
  15. ^ ときた洸一『KCデラックス 新機動戦記ガンダムW デュアルストーリー G-UNIT』第2巻、講談社、2005年10月、140-141頁、ISBN 4-06-372087-X
  16. ^ a b c d e f g h i j k 『1/144 HG ガンダムアスクレプオス』バンダイ、1997年7月、組立説明書。
  17. ^ ときた洸一『KCデラックス 新機動戦記ガンダムW デュアルストーリー G-UNIT』第3巻、講談社、2005年11月、94-97頁、ISBN 4-06-372098-5
  18. ^ a b ときた洸一『KCデラックス 新機動戦記ガンダムW デュアルストーリー G-UNIT』第3巻、講談社、2005年11月、110-113頁、ISBN 4-06-372098-5
  19. ^ a b c d e f 『電撃データコレクション 新機動戦記ガンダムW 増補改訂版』アスキー・メディアワークス、2012年2月、56頁。ISBN 978-4-04-886314-8
  20. ^ a b c d ときた洸一『KCデラックス 新機動戦記ガンダムW デュアルストーリー G-UNIT』第2巻、講談社、2005年10月、146-147頁、ISBN 4-06-372087-X
  21. ^ a b c 『月刊ガンダムエース』2020年3月号、KADOKAWA、98-99頁。
  22. ^ ときた洸一『新機動戦記ガンダムW G-UNIT オペレーション・ガリアレスト』第9・13話、KADOKAWA。
  23. ^ 『月刊ガンダムエース』2019年10月号、KADOKAWA、141頁。
  24. ^ 『月刊ガンダムエース』2019年10月号、KADOKAWA、111-115頁。
  25. ^ 『月刊ガンダムエース』2019年10月号、KADOKAWA、131頁。
  26. ^ 『月刊ガンダムエース』2019年11月号、KADOKAWA、159-160頁。
  27. ^ 『月刊ガンダムエース』2019年10月号、KADOKAWA、118-123頁。
  28. ^ ときた洸一『新機動戦記ガンダムW G-UNIT オペレーション・ガリアレスト』第10話、KADOKAWA。
  29. ^ ときた洸一『新機動戦記ガンダムW G-UNIT オペレーション・ガリアレスト』第11- 12話、KADOKAWA。
  30. ^ ときた洸一『新機動戦記ガンダムW G-UNIT オペレーション・ガリアレスト』第15話、KADOKAWA。
  31. ^ ときた洸一『新機動戦記ガンダムW G-UNIT オペレーション・ガリアレスト』最終巻あとがき、KADOKAWA。
  32. ^ ときた洸一『新機動戦記ガンダムW G-UNIT オペレーション・ガリアレスト』最終話、KADOKAWA。
  33. ^ ときた洸一『KCデラックス 新機動戦記ガンダムW デュアルストーリー G-UNIT』第3巻、講談社、2005年11月、154-157頁、ISBN 4-06-372098-5






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