アダルトアニメ 審査

アダルトアニメ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/26 03:33 UTC 版)

審査

日本のアダルトアニメでは、刑法175条わいせつ物頒布罪)を受けて、性器描写にモザイク処理がかけられる自主規制がなされている。この刑法175条については、現状にそぐわない不合理な規制であるから廃止すべきとの批判もあり[10][11]参議院議員山田太郎が刑法175条の見直しを提唱している[12]

ビデ倫による、アダルトビデオと同様の審査を受審し、同協会の基準に従って表現を自主規制している作品が多いが、メーカーによってはコンテンツ・ソフト協同組合(旧・メディア倫理協会、メディ倫)による審査を受審している作品や、自主規制組織による審査を受けていない作品も存在する。2010年現在性描写がなく暴力や犯罪などの反社会的なシーンの描写によって成人指定とされた作品は存在しない。

映画倫理機構(映倫)では、審査方針の規約によりアダルトアニメは、残虐物の一部のオリジナルビデオとともに原則として区分適用外となっている[13][14][注 3][注 4]

2006年4月より経済産業省の指導でCESA、コンピュータソフトウェア倫理機構日本アミューズメントマシン工業協会映倫管理委員会(現:映画倫理機構)、日本ビデオ倫理協会と映像コンテンツ倫理連絡会議(仮称)において、アニメ・実写映画・コンピュータゲームなどに対する審査基準・表示の一本化を協議することが決定しているが、それに伴い、性描写がなくても暴力などの反社会的なシーンを含むアニメも成人指定の可能性がある[注 5]


注釈

  1. ^ その後に規格制定された、ビデオCDDVDでは審査基準が変わっており、修正が行われている。
  2. ^ 近年のライトノベルやコミックの市場では、低予算アニメ化には適さない難解な作品にヒット作が偏っている。一方、近年のアニメ業界は制作会社が過当競争に近い乱立状態になっているため、特にアニメ化権を巡る競合の激化も著しく、低予算アニメに適したコンテンツの不足は慢性的なものになっている。
  3. ^ TOKYO MXで放送されているComicFestaアニメのアダルト版も同様。
  4. ^ (当初は付録OADとして製作されていた)『ノ・ゾ・キ・ア・ナ Sexy増量版』がODS先行上映の際に映倫審査でR18+指定となっている(ただし、性器の直接的な表現はなし)。また、R18+指定のアニメ映画では『マルドゥック・スクランブル 圧縮』や『ベルセルク 黄金時代篇III 降臨』、『チーム★アメリカ/ワールドポリス』(ただし人形劇である)がある。
  5. ^ コンピュータゲームのレーティングでは、2006年3月以降CEROにより18歳未満の者への販売を禁止する区分「Z」(18才以上のみ対象)が設けられた。CEROでは性描写を家庭用ゲームで用いるのを禁止しており、もっぱら過激な暴力や犯罪の描写を含むゲームを「Z」に区分している。

出典

  1. ^ 我妻洋 『社会心理学入門(上)』講談社1987:103-104 ISBN 4061588060
  2. ^ a b 記憶のかさブタ 幻のポルノアニメ特集
  3. ^ a b c 上崎よーいち「開封!18禁アニメの世界」『ビデオボーイ』英知出版、1998年4月号、104頁。
  4. ^ a b 上崎よーいち「開封!18禁アニメの世界」『ビデオボーイ』英知出版、1998年4月号、105-106頁。
  5. ^ 上崎よーいち「ビデオトレンド95-96 エロスアニメ」『ビデオ・インサイダー・ジャパンGAGA、1996年3月号、107頁。
  6. ^ 上崎よーいち「開封!18禁アニメの世界」『ビデオボーイ』英知出版、1998年4月号、108-109頁。
  7. ^ 上崎洋一「DVDアニメオブジェクション」『DVDザ・ワールド』コアマガジン、2001年8月、41頁。
  8. ^ 上崎洋一「G-type編集長・上崎洋一のPinkPineappleを斬る!」『ピンクパイナップルアニメカタログ2004』ソフトガレージ、2003年12月30日、96頁。
  9. ^ 『そらのいろ、みずのいろ Blu-ray版~誰にも言えない……ヒミツの夏♥~』”. エイ・ワン・シーストア. エイ・ワン・シー. 2022年3月1日閲覧。
  10. ^ 志田陽子 (2020年7月17日). “ろくでなし子裁判・最高裁判決は何を裁いたのか ――刑事罰は真に必要なことに絞るべき”. Yahoo!ニュース. 2023年3月2日閲覧。
  11. ^ 小宮自由 (2016年5月19日). “わいせつ物頒布罪は廃止すべきである”. アゴラ. 2019年9月24日閲覧。
  12. ^ 「必要な議論を飛ばして表現規制で全ての問題を解決しようとしている」“青少年健全育成基本法”の議論が抱える、そもそもの問題点とは【山田太郎と考える「表現規制問題」第5回】”. ニコニコニュース. ドワンゴ (2017年6月8日). 2023年3月2日閲覧。
  13. ^ 映画倫理機構(映倫) 審査の流れ”. 映倫 (2017年6月8日). 2023年3月2日閲覧。
  14. ^ 映画の区分と審査方針”. 映倫 (2017年6月8日). 2023年3月2日閲覧。





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