アシル基
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/10 09:54 UTC 版)
アシル基の有機金属化学・触媒化学
多くのカルボニル化反応では、アシル基の配位子が中間体となっており、その中には触媒反応として重要なものも含まれる。金属に配位するアシル基は、金属-アルキル結合に一酸化炭素を挿入する方法や、ハロゲン化アシルと低電子価の金属錯体の反応、有機リチウム化合物と金属カルボニルの反応などで生成する。金属アシル化合物をO-アルキル化すると、フィッシャー型のカルベン錯体が得られる[2]。
命名法
アシル基の名前は、対応する酸の英語名の-icという語尾を、-ylに変えることで得られる。なお、メチル基(methyl)、エチル基 (ethyl)などはアルカンから誘導されたアルキル基を示すための「-yl」であって、アシル基を意味するものではない。IUPACの系統名を使うことが推奨されているが、慣用名があるものについては系統名がほとんど使われていない。
アシル基の名前 (R-CO-) |
対応するカルボン酸の名前 (R-CO-OH) | ||
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慣用名 | 系統名 | 慣用名 | 系統名 |
ホルミル基 formyl |
メタノイル基 methanoyl |
ギ酸 formic acid |
メタン酸 methanoic acid |
アセチル基 acetyl |
エタノイル基 ethanoyl |
酢酸 acetic acid |
エタン酸 ethanoic acid |
プロピオニル基 propionyl |
プロパノイル基 propanoyl |
プロピオン酸 propionic acid |
プロパン酸 propanoic acid |
ベンゾイル基 benzoyl |
安息香酸 benzoic acid | ||
アクリリル基 acrylyl |
プロペノイル基 propenoyl |
アクリル酸 acrylic acid |
プロペン酸 propenoic acid |
- ^ a b , IUPAC Gold Book - acyl groups
- ^ Elschenbroich, C. “Organometallics” (2006) Wiley-VCH: Weinheim. ISBN 3-527-29390-6
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