いわない温泉 (北海道) いわない温泉 (北海道)の概要

いわない温泉 (北海道)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/03 00:10 UTC 版)

いわない温泉
温泉情報
所在地 北海道岩内郡岩内町
座標 北緯42度57分05.5秒 東経140度30分46.6秒 / 北緯42.951528度 東経140.512944度 / 42.951528; 140.512944座標: 北緯42度57分05.5秒 東経140度30分46.6秒 / 北緯42.951528度 東経140.512944度 / 42.951528; 140.512944
交通 主に自動車での移動
泉質 炭酸水素塩泉/塩化物泉
泉温(摂氏 49.6~62.6
pH 7
温泉施設数 4
外部リンク https://iwanai-onsen.jp/
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岩内町の温泉郷としては、敷島内で1844年(弘化元年)に開湯したとされる朝日温泉や1963年(昭和38年)に温泉宿が開業した雷電温泉に続く第3の位置づけとなるが、2010年(平成22年)から朝日温泉が無期限休業、2019年(令和元年)には雷電温泉が廃業したことで、現在は岩内町唯一の温泉となっている[1]

歴史

1974年(昭和49年)に円山高原リゾートエリアでの温泉開発が始まり、1978年(昭和53年)に開湯。開湯年には北海道内では初の国民年金健康保養センターもオープン。既存の観光名所で沸いた療養泉としての注目も集めた。

以降、1987(昭和62年)に行われた新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の総合調査により、ニセコ山系のまた地熱系における北西端に位置することが判明。また、1994年(平成6年)には、北海道立地下資源調査所の松波武雄らにより、「円山地区の極めて狭い地域に多様な熱水が存在する」との検証結果も発表[2]。以降、各井戸の静水位が海水面より約10mから15m高い位置にあるなど、様々なデータが追加されている。

なお温泉利用者向けの評価としては、学術論文では北海道を代表する「北海道の療養温泉16選」のひとつとされ[3]、2003年(平成15年)発刊の温泉学者松田忠徳による著書『決定版北海道ホンモノの温泉』で示された北海道温泉番付では「西の小結」に格付けされた[4]

2022年12月、温泉としての公式ウェブサイトがオープン。公開を記念して「ぜったい、いわない。」のキャッチコピーの下、キャンペーンも実施[5][6]

泉質

ニセコ連峰の最西端に位置する岩内岳の麓に湧き出る湯の泉質は源泉によって2種類に分かれ、5号井から引く天水由来の炭酸水素塩泉(5号井)と、6~8号井から引く海水起源の塩化物泉が存在する。

なお、湯上り後の清涼感が特徴で「美人の湯」とも呼ばれる炭酸水素塩泉は「白湯」、多くのミネラル成分を含み、高い保温効果を持つことから「温まりの湯」とも呼ばれる塩化物泉は「赤湯」とも称される。より細分化すると、炭酸水素塩泉はナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉の1種類、塩化物泉はナトリウム-塩化物強塩泉、ナトリウム-塩化物泉、ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉の3種類となる[7]

また、温泉源が深部で接していることにより揚湯時の条件が変わることもあり、入浴施設ごとに打ち出す湯の特徴は微妙に分かれるが、いずれも加温を必要としない平均42 - 47℃[8]の高温泉のため、源泉掛け流しで供給されている。また一部の湯ではkgあたり29g近くという、有馬温泉の金泉にも匹敵する溶存物質総量が示されている。


  1. ^ いわない温泉ポータルサイトiwanaiより
  2. ^ 地下資源調査所報告 第66号(1994)
  3. ^ 一般社団法人日本応用糖質科学会平成27年度大会(第64回)・応用糖質科学シンポジウム 講演要旨集(中扉)」『応用糖質科学:日本応用糖質科学会誌』第5巻第3号、2015年8月20日、B1、doi:10.5458/bag.5.3_b1ISSN 2185-6427 
  4. ^ 松田忠徳著『決定版北海道ホンモノの温泉』
  5. ^ プレゼント|いわない温泉|北海道・ニセコ連峰の温泉地”. いわない温泉. 2022年12月12日閲覧。
  6. ^ 【北海道岩内町】ニセコ連峰最西端の岩内町で、好循環型再生可能エネルギー活用型地域を目指して、新たな温泉地ブランド「いわない温泉」がスタート。”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES. 2022年12月12日閲覧。
  7. ^ 地方独立行政法人北海道立総合研究機構|地下資源調査所報告 第66号(1994)
  8. ^ 温泉|いわない温泉|北海道・ニセコ連峰の温泉地”. いわない温泉. 2022年12月12日閲覧。
  9. ^ 円山展望台(iwanai.)
  10. ^ [1]
  11. ^ まちの再生可能エネルギーの取り組み(岩内町ホームページ)
  12. ^ http://www.iwanai-h.com/onsen.html
  13. ^ 【公式サイト】温泉 積丹の温泉宿に宿泊 | いわない温泉 おかえりなさい | 岩内港を望む高台の温泉宿”. www.iwanai-okaeri.com. 2022年12月12日閲覧。
  14. ^ 温泉 | 高島旅館 | いわない温泉【公式】”. www.iwanai-takashima.com. 2022年12月12日閲覧。
  15. ^ 北海道岩内町の源泉100%かけ流し温泉
  16. ^ 教育委員会:文化:歴史詳細 昭和53年(1978) - 岩内町役場
  17. ^ 教育委員会:文化:歴史詳細 平成4年(1992) - 岩内町役場
  18. ^ 1日9万円でパウダースノー 富裕層の遊びに加わる「宿」 - 日本経済新聞2022年2月8日
  19. ^ 岩内町都市計画マスタープラン(岩内町HP)
  20. ^ 円山地区乗り合いタクシーについて(岩内町HPより)
  21. ^ a b c 岩内町観光ポータルサイト(アクセス)


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