あさりちゃん 特別編

あさりちゃん

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/07 09:13 UTC 版)

特別編

『大長編』

『あさりちゃん』ではサブタイトルに「大長編」と付く話が4話収録されている(100巻現在)[22]

大長編 あさりちゃんのワンダーランド
5巻に収録。パパが考案した筏の「アドベンチャー号」に試乗し、もし無事に世界一周できれば、パパには専務のイスが待っているということで、浜野一家が世界一周を試みる話。
連載初期である1980年に描かれた作品で、宝くじの最高当選金額が1000万円であることや、あさりの「世界一周が無理ならせめてディズニーランドに行こうよ」というセリフ(当時は東京ディズニーランドはまだ無かった)、さらにゲストキャラクターのシージャックさんの歌が田原俊彦の「ハッとしてGood!」であることなど、当時を思わせる、または世相を反映した描写が多く含まれている。
大長編 あさりの千一夜
10巻に収録。珍品コレクターであるオーレル王国の国王に「ことばをしゃべるサル」と間違えられて攫われたあさりを、ママとタタミが連れ戻そうと奮闘する話。
この話に登場する美形のオーレル国王シーク・アーメッドさんは作者のお気に入りらしく、コミックス50巻刊行記念のお祝いのコメントコーナーに登場した。最近の版では人食い人種に触れたページが修正されている。
大長編 悪魔の国の大冒険
12巻に収録。いばらの誕生パーティーでのプレゼントを買うお金を持たないあさりが、悪魔の力を借りることでお金を得ようとする話。
本作品のアニメ版は最終回に放映された。
大長編 あさりの英雄伝説
13巻に収録。中世にタイムスリップしたママ、タタミ、あさりの三人が「選ばれし英雄」として活躍する話。
本作品の原典になっているのはワグナーの楽劇「ニーベルングの指環」である。作中にはジークフリードの妻であるブリュンヒルデや雌のドラゴンファーフナーの娘)に変身するメリュジーヌなどのキャラクターが登場する。作中に登場するジークフリードの武器であった聖剣(ノートゥンク)はクライマックスであさりも使いこなせるが、この聖剣と前の使用者であるジークフリードには、物の見方によっては「恥ずかしい」秘密が隠されていた。

『あさりっぱ!』

33巻に収録。いわゆるクロスオーバー作品。作者の同じ『どろろんぱっ!』の大福寺あんこと小野小町が登場。

物語が『どろろんぱっ!』サイドから始まり、小町の行動をメイン軸としてストーリーが展開していく。さらにラストも『どろろんぱっ!』サイドの顛末でしめられるため、どちらかと言えば『どろろんぱっ!』の外伝と言ったほうが近い。

この作品でのあさりたちの役割は、狂言回しもしくはツッコミで、特にあさりは小町の(本人的には)必死の行動に辛辣なチャチャを入れている。

この作品で、タタミとあんこは県下学力テストで一点差のライバル同士だったと語られる。このテストで勝ったのはタタミ。しかもタタミはこの一件であんこを脅威に感じており、持ち前の心の狭さをいかんなく発揮する。

『タタミちゃん』

61 - 65巻、67巻に収録。タタミが主人公の漫画。小学2年のタタミと幼稚園児のあさりが登場する。「小学二年生」で1999年4月号から2001年3月号まで連載されていた。

当時のタタミは小学2年生。このころから頭が良く、既にメガネをかけていた[23]。あさりにいつもふりまわされていた。当時のあさりは、桜貝幼稚園の年長である。当時の母・さんごはヘアスタイルがストレートヘア。当時の父・イワシは今とあまり変わらないが、少しだけ若々しい。

『ハイスクールあさりちゃん』

56 - 60巻、62 - 65巻、67 - 69巻、73、74、76 - 79巻、83、84、86、87、89、93、96、98、99巻に収録。高校生になった浜野姉妹を描いている。

あさりは高校1年生。小学生の時と同じで運動大好きの勉強嫌いだが、地元の巻貝中学を卒業後、名門貝柱高校にて陸上短距離選手として学費・学力免除の特待生になっていた。陸上での成績は優れているが素行の悪さは相変わらずで、顧問とコーチを悩ませている。身長は低いままで基本的な性格はほぼ変わっていないが、髪を茶髪に染め、口紅の色や化粧に凝ったりと、小学校時代には疎かったファッションに敏感になっていることが大きな相違点である。得意の絵で漫画家を志し、既にコンクールで入賞経験がある。しかし画力が高い反面ストーリーの構成力がイマイチであるため、大きな賞を受賞するまでには至っていない。

タタミは高校3年生。英才学院中を卒業後(「中学生あさりちゃん」では巻貝中学に進学したあさりと同じ制服を着た姿で登場している)、貝柱高校に進学。受験を控えており、背もかなり伸びていて(あさりとの身長差が頭一つ分以上になっている)顔立ちの整った美少女へとなっており、大人っぽく成長している。生徒会に所属しており、大磯潮をはじめとする後輩たちに頼られている。巻数が増えていくにつれて顔がどんどん可愛くなっていき、その事は作者自身も認めている。

母・さんごは中年女性となり、少し顔が老けている。出番は少ない。父・イワシは中年男性となり、あまり変わっていないが少し太っている。出番は57巻のみ。うにょは老犬となっており、「にょん」と鳴くのは今と同じ。出番は57巻と89巻のみ。

藪小路いばらは貝柱高校を受験したが、不合格。同窓会には出席していない。

岬みりあ・島井沙紀は同じ高校(私服の高校)に進学。吉川ゆかりは2人とは違う高校に進学。

港海里・鮎川守も同じ高校(高校名不明)に進学。より大人っぽく美男子になっており、女子生徒からモテている。また相変わらず仲が良く未だにつるんでいるため、「ホモ」だと言われることも多いらしい。

田西マイケルは国籍のあるアメリカに渡り、そこで暮らしている。同窓会には怪我をしたこともあり出席していない。

大磯潮は高校1年生。貝柱高校に進学。風紀委員となっている。

速井太郎は高校1年生。スポーツ名門高校・揚巻高校に進学。あさりを「ライバル」と公言し度々勝負を挑んだりしているが、その気持ちの中には恋愛感情も含まれている様子。単純な性格から、大磯潮や美大和とあさりとの関係を誤解し、嫉妬の念を抱いたことも。顔がそっくりな親戚が登場したことがあった。本編での出番の少なさとは裏腹に、「ハイスクールあさりちゃん」では出番が多い。

桜貝小学校校長・岩穴鱓之介は教職を退職。不真面目なあさりを指導できないと部を去ったコーチの後任として、貝柱高校陸上部にやってくる。

美大和は貝柱高校に並ぶ名門進学校・鴎学園の2年生。長身で筋肉質な体格を生かし投擲選手として活躍。図書館で出会ったタタミに好意を抱く。なお、87巻のハイスクール編は彼をメインに据えた物語となったため『ハイスクール美大和』として収録されている。

『カリスマ保育士あさりちゃん』

70巻と75巻に収録。保育士となって活躍するあさりの姿を描いている。雑誌『幼児と保育増刊号』に掲載された。

保育士になったあさりは、園長からは「園児並保育士」と言われる。よって子供には大人気だが、園長からは給料を渡すより託児料を取った方がいいのではないかと思われている。

児童を思う余り保護者に向かって一方的に捲くし立てる感情的な面は見られるものの、子供の理解者たりうる保育士ぶりを発揮している。

後輩として副担任の田丸良彦先生も登場。あさりは客観的に先輩として振舞う落ち着きすら見せる。

ただし、以上の話の筋立てに対して作者(作者ちゃん)は「あさりが保育士なんかなれるわけがない!」「こんな保育士に子どもを預けたくなんかない!」とコメントしており、あくまでも雑誌の企画によって執筆された『あさりちゃん』本編とは繋がりえないパラレルワールド的なストーリーであることが明言されている。

『さんごママの相談室』

65巻、76巻、77巻に収録。「人生の達人」を自称するさんごママこと浜野さんごが、読者からの悩み相談に回答するコーナー。

「相談室」とは名ばかりで、実際には何の役にも立たない回答が多い。その為、あさりから「鬼畜系身の上相談」と評されている。

『5年2組のあさりちゃん』

単行本完結後に書き下ろされた新作。あさりは5年生、タタミは中学1年生という設定。新しい担任の松原さより先生登場。


  1. ^ 1979年9月号 - 1982年3月号
  2. ^ 1988年創刊号 - 1992年9月号(休刊号)
  3. ^ 1992年11月号 - 1995年7月号
  4. ^ 1979年9月号 - 1980年3月号
  5. ^ 1979年4月号 - 2012年3月号(休刊号)(中断期間を挟んで)
  6. ^ 1981年4月号 - 2012年3月号(休刊号)
  7. ^ 1981年4月号 - 2010年3月号(休刊号)
  8. ^ 1979年4月号 - 2004年2・3合併号(中断期間を挟んで)
  9. ^ a b c 『「あさりちゃん」ありがとネ 姉と妹二人で描いてきたギャグ漫画100巻で幕』(室山まゆみ)日本経済新聞(2014年2月28日)
  10. ^ アニメ本放送よりも前にレギュラーとして登場したキャラクターは浜野家4人と藪小路いばらの計5人だけ。父のイワシも出番が少なく影が薄かった。
  11. ^ あさりちゃん(浜野あさり)がTwitterをはじめました!”. 漫画『あさりちゃん』公式サイト. 2019年10月4日閲覧。
  12. ^ “『あさりちゃん』連載35周年、コミックス100巻で完結”. ORICON NEWS. (2013年12月25日). https://www.oricon.co.jp/news/2032347/full/ 2020年9月21日閲覧。 
  13. ^ 「あさりちゃん」ギネス認定=2人組女性漫画家で最多巻数 時事通信 2014年9月10日閲覧
  14. ^ あさりちゃん 5年2組”. 小学館. 2016年6月7日閲覧。
  15. ^ 漫画『あさりちゃん』7年ぶり新刊発売 102巻は7割が新作描き下ろし&読切収録”. ORICON NEWS. オリコン (2023年5月26日). 2023年5月27日閲覧。
  16. ^ 例を挙げると、1巻「あさり塾へ行く」の回ではあさりは6年生となっているが、これは掲載誌が「小学六年生」であったためである。
  17. ^ 公式ページでは名前の由来は「イシダタミ貝」と記載されているが、最初は「たたみいわし」が名前の由来だったらしく、「あさりちゃん」の連載開始から間もない頃の読者からの質問の手紙に「タタミ」の名前の由来を尋ねたものがあり、それに対して室山は「たたみいわしが由来です」と答えている。また1981年頃の小学館学年誌の別冊付録の読み切りにも、読者に質問に答えるコーナーでは、タタミ自身が「たたみいわしって知ってる?」と自ら名の由来に答える描写もあった(その前にあさりが「節分の日に鬼が捨てて行った子で浜野家の実子ではないから、海と関係ない名前が付いている」と嘘の回答をしてタタミに殴られている)。
  18. ^ 連載初期に読者からの「あさりちゃんのお姉さんの名前はしじみちゃんではないのですか?」という質問の手紙に室山は「しじみはあさりよりも小さいからタタミにしました」と答えている。
  19. ^ 台風で壊れた屋根の補強を姉妹に押し付けるなど。
  20. ^ 娘たちがへそくりの500円貯金を盗もうとした際の罰として木に縛りつけた際に「児童虐待じゃありませんのよ」と近所に弁解したことがある。
  21. ^ アサリやタタミからは、娘たちが生まれてから一度も働いたことがないため馬鹿にされたことがあり、イワシもサンゴは働いた経験が少ないため外に出ても難しいと発言していた。
  22. ^ 「大長編」が冠されていない話でも、「母をたずねて三万光年」「あさりちゃんの悪魔の森」といった長編作品は存在している。
  23. ^ タタミが近視になったのは幼稚園の年長の頃で、これは作者(妹の真里子)が幼稚園の頃に近視になったことが由来となっている。
  24. ^ 「よりぬきあさりちゃん」下巻・作者インタビューより
  25. ^ 翌月の1982年4月号で『あさりちゃん』の休載についてのお知らせと編集部からのお詫びの言葉が掲載されていた。なお、同号では表紙にあさりのイラストが描かれており、『あさりちゃん』のアニメ特集記事も掲載されていた(漫画だけは掲載されていなかった)。
  26. ^ a b c d 『視聴率15%を保証します!』第5章 『クレヨンしんちゃん』誕生---視聴率との闘い pp.152 - 155
  27. ^ Bパートは「死神をぶっ飛ばせ!」を再放送。
  28. ^ 「全国放映リスト」『アニメージュ』1983年1月号、徳間書店、84 - 85頁。 
  29. ^ a b 福島民報』1982年1月25日 - 1983年2月28日付朝刊、テレビ欄。
  30. ^ a b 「全国放映リスト」『アニメージュ』1982年9月号、徳間書店、97頁。 
  31. ^ 「全国放映リスト」『アニメージュ』1982年9月号、徳間書店、96頁。 
  32. ^ アニメディア』1982年11月号『テレビ局ネットワーク』98ページ。
  33. ^ 河北新報』1982年5月5日 - 5月27日付朝刊、テレビ欄。
  34. ^ 日刊スポーツ』1983年5月5日 - 5月26日付テレビ欄。
  35. ^ 信濃毎日新聞』1982年2月8日、1983年3月7日付テレビ欄。
  36. ^ 『北日本新聞』1982年6月23日付 - 1983年7月20日付各朝刊、テレビ欄。
  37. ^ 『北國新聞』1982年4月10日付 - 1983年4月2日付各朝刊、テレビ欄。
  38. ^ 『北國新聞』1982年1月31日付 - 1983年3月6日付各朝刊、テレビ欄。
  39. ^ サンリオ「KIRIMIちゃん.」と、あさりちゃんがお魚コラボ!10月2日(金)〜東京駅でグッズが登場 小学館 2020年9月25日






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