河豚汁
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/12/20 10:37 UTC 版)
『河豚汁[1][2]』または『ふぐ汁[3]』(ふぐじる)は、古典落語の演目。別題として『河豚鍋[1][2]』または『ふぐ鍋[3]』(ふぐなべ)[注釈 1]。江戸落語・上方落語の両方で演じられる[3]。
フグ料理を作ったものの、毒が怖いと食べるのを躊躇する主人公が、家を訪れた者を毒味役にするという内容。
原話は享和2年(1802年)刊行の十返舎一九の笑話集『臍くり金(へそくりきん)』の「鰒汁」(ふぐじる)[1]。この原話を上方落語の2代目林家染丸がアレンジしたとされる[1][2][4]。東大落語会編『落語事典 増補』は、2代目三遊亭圓歌が『河豚鍋』の演題で演じたとする[1]。
一方、宇井無愁は明和2年(1765年)に京都で刊行された『軽口独狂言』第3巻所収「河豚汁の独(原文ママ)味」を原話とする[3]。
あらすじ
※以下、東大落語会編『落語事典 増補』掲載の内容に準拠する[1]。
フグを手に入れた旦那は、食べたいと思えども怖さが先に立ちそのまま置いていた。そこで出入りの男にひそかに毒味をさせるべく、フグであることを伏せたまま持たせて帰す。数日後に様子を探ると男は特に異状もなく元気そうだったので、旦那は安心してフグを食べた。後日男が再訪した折に旦那が「あれはフグだった」と明かすと男は「食べられましたか? 」と尋ね、旦那がそうだというと「それなら自分も帰って食べよう」。
バリエーション
宇井無愁が『落語の根多 笑辞典』に掲載する上方落語版では、商家の旦那が手料理で作った河豚汁を、訪れた乞食に番頭を通じて渡すという形である[3]。この内容は『軽口独狂言』所収の原話に近い[3]。相手が乞食という点は十返舎一九の「鰒汁」でも同様で、前田勇は「現行は出入りの男と出入りの旦那との事に改む」と記している[2]。
脚注
注釈
出典
参考文献
- 前田勇『上方落語の歴史 改訂増補版』杉本書店、1966年。NDLJP:2516101。
- 東大落語会『落語事典』(増補)青蛙房、1973年。NDLJP:12431115。
- 宇井無愁『落語の根多 笑辞典』角川書店〈角川文庫〉、1976年。NDLJP:12467101。
関連項目
- らくだ (落語) - フグ毒で死亡した、と言及される人物が登場する。
「河豚汁」の例文・使い方・用例・文例
- 河豚汁という食べ物
河豚汁と同じ種類の言葉
- 河豚汁のページへのリンク
