垂足曲線
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/29 22:18 UTC 版)

垂足曲線(すいそくきょくせん、英: pedal curve)は、曲線の接線に対する、固定された点の直交射影が成す曲線である[1][2][3][4][5]。より正確に言えば、平面曲線Cと点P (Pedal point)について、Pを通るCの接線の垂足(接線と垂線の交点)Xの軌跡を垂足曲線という。逆に、曲線C上の任意の点Rで接する接線Tのある垂線が、ある点Pを通るなら、その接線の垂足は垂足曲線を成す。
垂足曲線を補完するために、四角形PXRYが長方形となるように点Yを取る。点Yの軌跡はcontrapedal curveと呼ばれる。
曲線のorthotomicは、Pを拡大の中心として垂足を2倍に拡大した曲線である。これは、Pを接線Tで鏡映した点の軌跡である。
垂足曲線は、曲線Cnの垂足曲線をCn+1として、C0,C1,C2,C3...と定義していったときの一連の曲線の最初の曲線である。この曲線内で、CnをC0の n th positive pedal curveという。逆にC0はCnのn番目の負垂足線 (nth negative curve) または逆垂足曲線と呼ばれる[6][7][8][9][10]。
方程式
直交座標によるアプローチ
Pを原点とする。また、曲線CをF(x, y)=0とする。C上の点R=(x0, y0)の接線は次の形で書くことができる。
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楕円(黒)の垂足曲線(赤)。楕円はa=2,b=1で垂足曲線は4x2+y2=(x2+y2)2。 例として、楕円の垂足曲線を挙げる[12]。楕円の方程式は次の式で表される。
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同じ楕円のContrapedal curve 楕円のエボリュート曲線の垂足曲線。楕円のcontrapedal curveと一致する。 蝸牛形 - 円の垂足曲線 Cが円であるとき、上記の議論から蝸牛形は以下の様な定義ができる。
- 円の垂足曲線。
- ある固定点と円上の点を直径の両端とする円の包絡線。
- 中心が円上にあり固定点を通る円の包絡線。
- 同半径の円上を転がる円の輪転曲線。
円の火線は蝸牛形の縮閉線である。
例
有名な曲線の垂足曲線を挙げる[16]。
曲線 方程式 垂足点 垂足曲線 円 円周上の点 カージオイド 円 任意の点 蝸牛形(リマソン) 放物線 焦点 頂点における接線 放物線 頂点 ディオクレスのシッソイド デルトイド 中心 Trifolium 楕円または双曲線 焦点 副円 楕円または双曲線
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