オートレフラクトメータ
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/01/25 22:35 UTC 版)
オートレフラクトメータ(英:Autorefractor)とは目の屈折度を測定する装置である。
目的
オートレフラクトメータは他覚的屈折検査装置であり、検眼時に球面屈折度・円柱屈折度・乱視軸を測定する[1]。自覚的屈折検査(視力検査)の予備検査や、患者の屈折状態を把握する目的で用いられる[1]。
種類
オートレフラクトメータは合致式・結像式・検影式・画像解析式の4種類に大別される[1]。なお、現行のオートレフラクトメータは大半の機種で画像解析式を用いる[1]。
合致式のものはシェイナーの原理に基づいて眼屈折度を求める[1]。平行光線束を2つの細かい光束に分離して眼底に投光することで、光束の眼底上での相対位置関係から眼屈折度を求める[1]。
結像式のものは眼底に像を投影させ、その反射光束を結像レンズを介して受光部でキャッチし、同時にレンズを前後に移動させて受光部でのぼけが最小にあなる結像レンズ位置を探って眼屈折度を求める[1]。
検影式のものは検影法の理論を用いて眼屈折度を求める[1]。スリット状の光束を眼底に投射し、その反射光束を凸レンズと開口絞りを経由させ受光素子でキャッチする[1]。同時に眼底上に投射したスリット状の光束をスキャンさせ、それに伴う受光素子側での光の動きを解析することで眼屈折度を求める[1]。
画像解析式は眼底に像を照射し、その眼底像を二次元撮像素子でキャッチして画像解析することで眼屈折度を求める[1]。この方式の特長として、各経線での屈折度を同時に測定できるため、他の方式よりも測定時間が短い[1]。
検査方法
使用時には検定窓の汚れがないか見て、装置に付属する模擬眼(模型眼)を測定して測定精度を確認する[2]。そして、測定モードは測定する度に雲霧機能が作動するように設定する[2]。
測定時は患者が楽な姿勢で測定できるようにする[2]。あごが確実にあご台に載っているか、額当てから額が離れていないかなどを確認しなければならない[2]。
測定を開始した後は、装置を操作し、モニター画面越しに照準を合わせる[3]。測定時に中間透光体の混濁が確認できる場合もあるが、この場合は白内障の可能性があり、その後の検査に有益な情報と考えるべきである[3]。そのほか、瞳孔経や瞳孔の動きの観察も行う[3]。
測定値にバラつきがあれば、測定回数を多くするか再測定する[3]。
内部固視標
オートレフラクトメータの中を覗くと、道路の向こうに風船が浮かぶ絵が見えることがある[4]。測定時にはこの像がぼやけるが、この時に目がピントを合わせようとする調節機能が働かない状態にして雲霧測定する[4]。子供の場合は調節力が強く、この方法だけでは調節機能の影響を取り除くことができない[4]。そのため、点眼薬で調節を麻痺させて検査を行う(調節麻痺下屈折検査)[5][4]。
なお、風船の他に気球が浮かぶ画像である場合もある[6]。ニデックによると、この画像は正確な場所は分からないものの、アリゾナ州の道路を撮影したもの[6]。そして、気球の絵と道路の写真を合成してオートレフラクトメータに用いられている[6]。トプコン製の機器では赤い屋根の家になっている[7]。
歴史
オートレフラクトメータはメリーランド州で1970年から開発に着手され、1973年3月に販売開始された[8]。日本では1980年から1981年にかけてニデックや日本光学、キャノンなどが参入した[8]。
はじめは他覚的屈折調査のみの測定であったが、自覚的屈折調査も同時に行おうとするモデルの開発が行われてきた[8]。視力表による視力検査を行い、自覚によって裸眼視力や矯正視力の確認ができるとともに球面度数の自覚による修正もできる製品が販売されるようになった[8]。
脚注
- ^ a b c d e f g h i j k l 神田寛行 2015, p. 23.
- ^ a b c d 有賀義之 2022, p. 100.
- ^ a b c d 有賀義之 2022, p. 101.
- ^ a b c d 板谷正紀. “屈折検査|検査方法を知る - Myopia Square(マイオピア スクエア)”. マイオピアスクエア. ゼロメディカル. 2026年1月26日閲覧。
- ^ 神田寛行 2022, p. 25.
- ^ a b c 福田瑠千代 (2017年6月22日). “眼科で見る例の「気球」の正体を機器メーカーに聞いた メーカー「元写真はアリゾナ州、気球は合成」”. ねとらぼ. ITmedia. 2026年1月26日閲覧。
- ^ “視力検査のときに見えるもの~C字型のマークと赤い屋根”. Through the LENS by TOPCON. トプコン (2023年11月22日). 2026年1月26日閲覧。
- ^ a b c d 小沢秀雄 1983, p. 19.
参考文献
- 小沢秀雄「眼科光学機器の展望 -国際眼科学会より-」『光学技術コンタクト』第21巻第1号、1983年1月、18-26頁、doi:10.11501/2336071。
- 神田寛行「オートレフラクトメータの原理と限界」『あたらしい眼科』第32巻臨時増刊号、メディカル葵出版、2015年12月10日、23-25頁、ISSN 0910-1810。
- 有賀義之「特集:眼鏡を学ぼう 快適な矯正のための基礎と臨床 眼鏡処方に必要な視機能検査」(PDF)『視覚の科学』第43巻第4号、日本眼光学学会、2022年12月、99-105頁。
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