Wigmore Hallとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Wigmore Hallの意味・解説 

ウィグモア・ホール

(Wigmore Hall から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/04 08:20 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

ウィグモア・ホール (Wigmore Hall) は、イギリスロンドンにある世界最高峰のコンサートホールの一つ。クラシック音楽、中でも器楽室内楽声楽リサイタルの場として有名であり、その独特の優れた音響でも知られる。552席。

歴史

ロンドンのウィグモア・ストリート(Wigmore Street)にショールームを構えていたドイツピアノ製作会社ベヒシュタイン社が、隣接する土地に1901年にホールを建造し、ベヒシュタイン・ホール(Bechstein Hall)と称した。開場記念リサイタルは同年5月31日、ウジェーヌ・イザイヴァイオリン)とフェルッチョ・ブゾーニピアノ)の出演であった。

第一次世界大戦の勃発に伴い、1916年、同ホールはショールーム、会社の保有するピアノの在庫137台などとともに敵国ドイツ国民の資産としてイギリス政府に接収され、競売された。5万6千ポンドで落札したのはデベナム百貨店であった。ホール単独でも建築費が10万ポンド要したことを考えれば、戦時下の懲罰的な廉売だったと言えるだろう。1917年に、面している通りの名をとってウィグモア・ホールと改称され、今日に至る。

早くからリサイタル・ホールとして世界最高峰のコンサートホールの一つに数えられ、プロコフィエフヒンデミットアンドレス・セゴビアジャクリーヌ・デュ・プレなど、世界を代表する多くの演奏家がその舞台に上っている。

建物

当時を代表するイギリスの建築家トーマス・エドワード・コルカット英語版の手になる擬ルネサンス様式で、内装にはアラバスター(雪花石膏)および大理石が壁面、床面、階段などにふんだんに使用されている。ホール平面形は長方形であり、蒲鉾型というか、凹面形の天井が特徴的である。舞台真上には4分の1球状の凹面ドーム(キューポラ)が配され、ジェラルド・モイラの原画になる、音楽神を中心とする美しい天井画も印象的である。

コンサート活動

イギリスの他の多くのホールと同様、6月半ばから8月にかけてはオフ・シーズンである。9月のシーズン・イン以降はほぼ毎日コンサートやリサイタルでの利用があり、平日、休日ともしばしば昼夜2部で利用もされるため、ウィグモア・ホールでのコンサートは年間400以上にもおよぶ。平日昼1時からはBBCのライブ中継を伴うリサイタルが頻繁に行われており、また日曜日の11時30分からは「サンデー・モーニング・コンサート」がほぼ毎週行われる。日曜日のこのイヴェントは、終了後に無料のシェリー酒・ワイン・コーヒーならびに軽食が供され、演奏を終えたばかりのアーチストと歓談できる場合もあるため、ロンドン市内および近郊のクラシック音楽愛好者に人気が高い。

エイベックス・リサイタル・シリーズ

日本の大手エイベックス・クラシックス・インターナショナルが『日本が世界に誇るトップアーティストを音楽界の殿堂ウィグモア・ホールで堪能するリサイタル・シリーズ』として2016年に始めたシリーズ。毎年3人の日本を代表する奏者のウィグモア・ホールデビューを企画している。2016年第1回はピアニスト辻井伸行、バイオリニスト諏訪内晶子、バイオリニスト庄司紗矢香、2017年第2回はピアニスト辻井伸行、バイオリニスト樫本大進、バイオリニスト三浦文彰、2018年第3回にはチェリスト伊藤悠貴が出演し、同年は作曲家藤倉大のポートレート・リサイタルも開催された。[1]

脚注

[脚注の使い方]

外部リンク

座標: 北緯51度31分00秒 西経0度08分57秒 / 北緯51.516535度 西経0.149292度 / 51.516535; -0.149292


「Wigmore Hall」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Wigmore Hall」の関連用語

Wigmore Hallのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Wigmore Hallのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのウィグモア・ホール (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS