Vincenty法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/21 15:53 UTC 版)
Vincenty法(ヴィンセンティほう、英: Vincenty's formulae)とは回転楕円体上の測地法の反復計算アルゴリズムである。サディアス・ヴィンセンティ (1975a)によって考案された。
- 地球形状は回転楕円体として近似可能であり、Vincenty法の逆解法は、その面上で二点間の最小距離(測地線の長さ)を計算する。ただしVincenty法の計算誤差は[1]、与える入力点によっては 0.5 mm(0.020″)に達する場合もある。
- 近年は Karney (2013) による計算方法がVincenty法よりも計算精度・計算速度ともに高く[2]、多く用いられる。
背景
測地法(測地線の長さに関する計算)において、順解法(direct method)はある点からの距離と方位角により、他の点を求めるものである。逆解法(inverse method)は2点間の回転楕円体面上距離と方位角を求めるものである。
Legendreは回転楕円体上の測地線は緯度を更成緯度とし、方位角を同じものとすることで補助球の大円上に正確に対応させられることを示した。 楕円体上の経度と距離は単純な積分によって、補助球上の経度とその大円上の弧長から導かれる。BesselとHelmertはそれらの積分について収束の早い数列を与えた。それにより測地計算が任意の精度で行えるようになった。
Vincenty法の工夫
Vincentyの目的は当時すでに存在していた回転楕円体上の測地法アルゴリズムのプログラムの長さを最小化することであった。彼の未発行のレポート(1975b)によれば数キロバイトのメモリしか搭載していないWang 720 電卓を使用した。
長距離において良い精度を得るために、伝統的な補助球を用いた手法(Legendre (1806), Bessel (1825), and Helmert (1880))を使用している。また、Vincentyの手法はRainsford (1955)による解法にも依存している。
プログラムサイズを最小化するためにVincentyはこれらの数列を初項を小さな値とする拡張し
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