対蹠付近の点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 07:32 UTC 版)
先に触れたように、逆解法の反復計算は対蹠点付近において、収束しなかったり、収束が遅かったりする。例えば、WGS84測地系において ( ϕ 1 , L 1 ) = ( 0 ∘ , 0 ∘ ) , ( ϕ 2 , L 2 ) = ( 0.5 ∘ , 179.5 ∘ ) {\displaystyle (\phi _{1},L_{1})=(0^{\circ },0^{\circ }),\ (\phi _{2},L_{2})=(0.5^{\circ },179.5^{\circ })} であるとする。この計算は1 mmの精度に達するまでに130回の計算が必要になる。逆解法がどのように実装されるかによって、計算結果は正しく19936288.579 mを返したり、間違った結果を返したり、エラーとなったりする。例えばNGS online utilityによる計算結果は5 kmも長い。Vincentyが提案した方法はこのような場合に収束を速める(Rapp, 1973)。 逆解法が収束しない例として ( ϕ 1 , L 1 ) = ( 0 ∘ , 0 ∘ ) , ( ϕ 2 , L 2 ) = ( 0.5 ∘ , 179.7 ∘ ) {\displaystyle (\phi _{1},L_{1})=(0^{\circ },0^{\circ }),\ (\phi _{2},L_{2})=(0.5^{\circ },179.7^{\circ })} がある。Vincentyの未出版のレポート(1975b)によると、異なった手法がそのような状況に適しており、60回の反復計算の後に19944127.421 mという正しい計算結果に達した。しかし、この手法は他の多くの場合において何千回もの反復が必要となる。 ニュートン法は全ての入力点に対して収束が速い(Karney, 2013)。
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