Ushi no toki mairiとは? わかりやすく解説

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丑の刻参り

(Ushi no toki mairi から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/25 03:16 UTC 版)

丑の刻参り(うしのこくまいり)、丑の時参り(うしのときまいり)とは、の刻(午前1時から午前3時ごろ)に神社御神木に憎い相手に見立てた藁人形を釘で打ちつけるという、日本に古来伝わる呪いの一種。典型では、嫉妬心にさいなむ女性が、白衣に扮し、灯したロウソクを突き立てた鉄輪を頭にかぶった姿で行うものである。連夜この詣でをおこない、七日目で満願となって呪う相手が死ぬが、行為を他人に見られると効力が失せると信じられた[1][2]。ゆかりの場所としては京都市貴船神社が有名[3]。ただ、貴船神社は24時間開門していないため実際には着手不可能である。


注釈

  1. ^ 三橋 2011, pp. 264–5で「一本歯の高下駄」と記すが、挿絵の歌川豊広の図では明らかに二本歯の下駄
  2. ^ 神託を受けたのは貴船神社だが、神託の内容は「大和大路へ走り出で、南を指して行きければ」とあるように南の宇治川が指定場所である。貴船神社の神託により、神社とは遠く離れた宇治川へ行かせる矛盾を解消するため、浅井了意作『安倍晴明物語』中の「人形(ひとがた)をいのりて命を転じ替たる事」では宇治川を貴船(貴布称)川に変更している。

出典

  1. ^ a b c d e f g h 三橋健神道の本 : 知れば知るほど面白い! : 決定版』西東社、2011年。ISBN 9784791618163NCID BB04934323https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000011062368-00 
  2. ^ a b c d e 新村出 編「うしのときまいり」『広辞苑』(第4)岩波書店、1991年。ISBN 978-4-00-080101-0 
  3. ^ 小向, 正司『神道の本』 2巻、学研〈Books Esoterica〉、1992年、208頁。 (雑誌コード 66951-07; 共通雑誌コード T10-66951-07-1000)
  4. ^ a b 日本国語大辞典, 2, 小学館, (1972), p. 567, https://books.google.co.jp/books?id=YBtbAAAAMAAJ 
  5. ^ a b c 小松和彦「いでたちは白い着物を着て、髮を乱し、顔に白粉、歯には鉄漿口紅を濃くつくる、頭には鉄輪をかぶり、その三つの足にろうそくを立ててともす。胸に鏡を掛け、口に櫛をくわえる。履き物は歯の高い足駄である」。引用元:日本史攷究会, 岡田芳朗, 亀谷弘明, 大本敬久, 奥富敬之, 高橋和弘, 深谷幸治, 鹿毛敏夫, 松井吉昭, 吉田正高, 熊澤恵里子, 安藤優一郎, 松丸明弘, 柴辻俊六, 杉原美智子, 林英雄「多賀社参詣曼陀羅を読む」『時と文化 : 日本史攷究の視座 : 岡田芳朗先生古稀記念論集』歴研、2000年、173頁。ISBN 4947769025NCID BA50221967 
  6. ^ a b c d e 梅屋, 潔. “のろい”. 民俗学事典編集委員会編『民俗学事典』丸善、562-563頁、2014年12月. 2017年3月閲覧。
  7. ^ a b 鳥山石燕「丑時まいりハ、胸に一ツの鏡をかくし、頭に三つの燭〔ともしび〕を點じ、 丑みつの比神社にまうでゝ杉の梢に釘うつとかや。 はかなき女の嫉妬より起りて、人を失ひ身をうしなふ。 人を呪咀〔のろわ〕ば穴二つほれとは、よき近き譬ならん」(『今昔画図続百鬼』「丑時参」)
  8. ^ 関一敏; 大塚和夫 編『宗教人類学入門』弘文堂、2004年、149頁。 
  9. ^ Pfoundes, C. (1875). Fu-so Mimo Bukuro: A Budget of Japanese Notes. Japan Mail. pp. 19-20. https://books.google.co.jp/books?id=TiINAAAAYAAJ&pg=PA19 
  10. ^ 網野善彦, 横井清『都市と職能民の活動』中央公論新社〈日本の中世 / 網野善彦石井進編集 6〉、2003年、222頁。ISBN 4124902158NCID BA60895548https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000004066298-00 
  11. ^ 糸井道浩『京都学の企て』知恵の会、勉誠出版、2006年、68頁https://books.google.co.jp/books?id=eXBMAQAAIAAJ。"鬼門は丑寅(東北)の方向であり、..丑寅を時刻でみると、丑の刻.."。 
  12. ^ 『日本国語大辞典』小学館
  13. ^ a b 丘, 眞奈美『京都奇才物語』PHP研究所、2013年。ISBN 4569812015https://books.google.co.jp/books?id=pMMUAgAAQBAJ&pg=PT120 
  14. ^ 関一敏, 大塚和夫『宗教人類学入門』弘文堂、2004年、57頁。ISBN 4335561024NCID BA70147437https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007592038-00 
  15. ^ 宇井無愁『落語のみなもと』中央公論社、1983年、169頁https://books.google.co.jp/books?id=ix3UAAAAMAAJ。"これでみると、呪う側とそれを防ぐ側の方式を一つに合せたのが、後世の丑の刻参りの風俗であるらしい。"。 
  16. ^ 永藤, 靖 (Nagafuji, Yasushi) (2003), 古代仏教説話の方法: 霊異記から験記へ, 三弥井書店, pp. 22, https://books.google.co.jp/books?id=BNcxAAAAMAAJ 
  17. ^ 勝部, 昭、川原, 和人、宮澤, 明久、柳浦, 俊一、大谷, 祐司、長峰, 康典『タテチョウ遺跡発掘調査報告書III』1990年3月25日(原著1990年3月25日)。doi:10.24484/sitereports.2854NCID BN02053896https://sitereports.nabunken.go.jp/2854 
  18. ^ 飯塚, 敏夫 (1934). “第六 丑の刻詣りと不能犯學說”. 刑法論攷. 第1巻. 松華堂書店. pp. 133-142 
  19. ^ 沢登佳人「許された危険の法理に基づく因果関係論の克服」『法政理論』第30巻第4号、新潟大学法学会、1998年3月、101-127(107-111)、ISSN 02861577NAID 110009103098 
  20. ^ 宮本, 英脩 (1932). 刑法大綱. 弘文堂書房. p. 187 
  21. ^ 「わら人形呪い」で逮捕や名誉毀損に問われる境界線”. ニュースポストセブン (2017年2月19日). 2022年6月15日閲覧。
  22. ^ ご神木にプーチン氏わら人形、「抹殺 祈願」の紙も…「ウクライナ思う気持ちわかるがやり方まずい」”. 読売新聞オンライン (2022年6月9日). 2022年6月25日閲覧。
  23. ^ ご神木にプーチン氏のわら人形、生年月日と「抹殺祈願」の紙も…逮捕の72歳は黙秘”. 読売新聞オンライン (2022年6月15日). 2022年6月25日閲覧。


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