Ukrainian Autocephalous Orthodox Churchとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Ukrainian Autocephalous Orthodox Churchの意味・解説 

ウクライナ独立正教会

(Ukrainian Autocephalous Orthodox Church から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/02 05:45 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
キリスト教 > 東方教会 > 正教会 > ウクライナ独立正教会
ウクライナ独立正教会に属するキエフの聖アンドリーイ教会

ウクライナ独立正教会(ウクライナどくりつせいきょうかい、ウクライナ語: Українська автокефальна православна церква)は、ウクライナに存在した正教会の一つである。

正教会は一カ国に一つの教会組織を置くことが原則だが(ウクライナ正教会以外の例としてはロシア正教会ギリシャ正教会ルーマニア正教会日本正教会など。もちろん例外もある)、これら各国ごとの正教会が異なる教義を信奉しているわけでは無く、同じ信仰を有している[1]

概要

ウクライナ独立正教会の創立会議1921年キエフ聖ソフィア大聖堂で行われた。ロシア正教会司祭の一部はモスクワ総主教庁からの独立・ウクライナの自治教会の創立を宣言し、ヴァスィーリ・ルィプキーウスクィイを府主教として選んだ[注 1]ソ連時代になると、ウクライナ独立正教会は弾圧され、聖職者全員と信者の一部はソ連の秘密警察によって惨殺された。

1942年にウクライナ独立正教会はポーランド正教会の援助によってドイツ支配下のウクライナにおいて再創立された。ポリカールプ・シコールシクィイは新たな府主教となった。しかし、1944年にウクライナは赤軍によって占領されると、ウクライナ独立正教会は禁止され、ウクライナ東方カトリック教会とともに、ソ連国家保安委員会からの弾圧を受けた。そのためにウクライナ独立正教会の聖職者と信者の一部はウクライナから逃れて西欧、米国カナダオーストラリアへ渡り、外国で定住した。

1980年代末に、ウクライナ独立運動がきっかけでウクライナ独立正教会はウクライナに戻り、活動を再開した。1990年にキエフでの教会会議においてムスティスラーウ・スクルィープヌィクがキエフならび全ウクライナの府主教として選ばれた。

ウクライナ独立正教会は、ウクライナ、西欧、米国、カナダなどにおいて宗教団体として公認されているものの、長らく世界の正教会から教会法上の合法的教会として承認されていなかった。しかし2018年10月16日に、コンスタンディヌーポリ全地総主教庁により、ウクライナ正教会・キエフ総主教庁とともに正統性を承認された[2]。これら一連の動きに反対するロシア正教会は、コンスタンディヌーポリとの相互領聖を絶っている。

2001年においてウクライナ独立正教会は11の主教区があり、404人の主教・司祭・輔祭がいる。ウクライナ独立正教会の信者はウクライナの西部・中部に最も多い。2000年9月14日よりウクライナ独立正教会の府主教はメフォーディイ・クダリャコーウである。ウクライナ独立正教会はウクライナにおけるカトリック・正教の諸教会とならんでキエフ・ルーシ時代のキイウ府主教区の直接の系譜を主張している。その独立正教会位の根拠の一つとして、コンスタンディヌーポリ総主教グリゴリオス7世から1924年に与えられたトモスを挙げ、その時に設立された教会組織の継承を主張している[3]

2018年12月15日にウクライナ正教会・キエフ総主教庁と統合し、新生「ウクライナ正教会 (2018年設立)」が発足した。

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ そのために、20世紀中のロシア正教会内では、ウクライナ独立正教会の聖職者が「分離派教徒」・「自叙聖者」と蔑称された。

出典

参考文献

  • (日本語) 『ポーランド・ウクライナ・バルト史 』/ 伊東孝之,井内敏夫,中井和夫. 山川出版社, 1998.12. (新版世界各国史 ; 20)

関連項目

外部リンク


「Ukrainian Autocephalous Orthodox Church」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Ukrainian Autocephalous Orthodox Church」の関連用語

Ukrainian Autocephalous Orthodox Churchのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Ukrainian Autocephalous Orthodox Churchのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのウクライナ独立正教会 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS