S2W (原子炉)
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S2W(S2W Submarine Thermal Reactor)はアメリカ海軍の原子力艦艇向け発電・推進用原子炉である。当初はSTR (Submarine Thermal Reactor) と命名されていた[1]:35/280。
型式名のS2Wは以下のような意味である。
S2Wは原型炉であるS1Wを艦載用に小改修したもので、原潜ノーチラスに搭載された。熱出力は70MWt、軸出力は13,400軸馬力 (10.0 MW) であった[1]:38/280。
ノーチラスの退役後、原子炉設備は撤去された。艦体は現在 博物館船としてコネチカット州グロトンにあるニューロンドン海軍潜水艦基地に係留・展示されている。
S2Wa
ノーチラスの建造プログラムでは、原子炉を3基製造することになっていた。1基は陸上での研究・試験用原型炉 (S1W)、もう1基は艦載用実用炉 (S2W)、残りの1基は予備であった。ノーチラスと前後して、ノーチラスの加圧水型原子炉とは異なる方式として、液体金属冷却炉を試行したシーウルフ (SSN-575) は、搭載したS2Gの冷却材であるナトリウムに伴う問題が絶えず[2][3]:79。その後もナトリウムに関連する問題が続き[3]:79、性能面でも期待されていた水準に到達できなかったため[2][3]:79、早期に見限られてノーチラス用の予備の原子炉(S2Waの型式名が与えられた[1]:43-44,63,73/280)と交換することになり[1]:43-44,63,73/280。これに伴って、シーウルフの蒸気タービンのブレードは過熱水蒸気用から飽和水蒸気用に交換された[1]:43-44/280。
脚注
- ^ a b c d e Peter Lobner. “60 Years of Marine Nuclear Power:1955 – 2015 Part 2: United States” (PDF). Lynceans Group of San Diego. 2021年3月11日閲覧。
- ^ a b “S2G”. globalsecurity.org. 2025年7月3日閲覧。
- ^ a b c 井上孝司 (2023). “原子力推進艦のハードウェア”. 世界の艦船 (海人社) 通巻1003 (2023年10月号): 76-83.
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