ナシ亜科
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/08/11 15:14 UTC 版)
ナシ亜科 | |||||||||||||||
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![]() セイヨウリンゴ(ふじ)
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分類 | |||||||||||||||
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シノニム | |||||||||||||||
Maloideae |
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Schulze-Menz (1964) による連 | |||||||||||||||
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ナシ亜科(ナシあか、Pyroideae) あるいは リンゴ亜科 (Maloideae)は、かつて提唱されていた、バラ科の亜科の1つである。Maloideae をナシ亜科と訳すこともある。リンゴ、ナシ、ビワ、ナナカマドなどを含んでいた。
分類
ナシ亜科(リンゴ亜科)の正確な範囲は学説により若干揺らぎがあるが、おおよそ、シモツケ亜科に内包されており、シモツケ亜科が側系統になっていた。そのため現代的な系統分類では、シモツケ亜科に統合される[1]。古典的なナシ亜科は、Potter et al. (2007) のナシ亜連 (Pyrinae) にあたる。
Schulze-Menz (1964) は古典的なナシ亜科(彼らによればリンゴ亜科)をリンゴ連 (Maleae) とサンザシ連 (Crataegeae) に分けたが、実際の系統を反映してはなかった[1]。
Takhtajan (1997) などにより、古典的なナシ亜科に加え、近縁な3属 Kageneckia ・ Vauquelinia ・ Lindleya がナシ亜科に追加された。ただしそれでも、シモツケ亜科の側系統性は解消されていない。彼らは古典的なナシ亜科に当たるグループをリンゴ連 (Maleae) とし、追加した3属を Kageneckieae(Kageneckia のみ)と Lindleyieae (Vauquelinia と Lindleya)の2連に分けた。また彼らは Dichotomanthes を別亜科 Dichotomanthoideae に分離したが、これは現在から見れば間違いだった[1]。
特徴
すべて木本。心皮は2ないし5個あり、合着して1本の雌蕊になっている。子房下位で、果実(リンゴやナシの芯の部分)を花托(萼の根元)が包んで肥厚し偽果(ナシ状果:ふつう食べる部分)となる。
主な属
- ザイフリボク属 Amelanchier - ザイフリボク、ジューンベリー
- アズキナシ属 Aria - アズキナシ、ウラジロノキ
- アロニア属 Aronia
- ボケ属 Choenomeles - ボケ、カリン
- コトネアスター属(シャリントウ属) Cotoneaster
- サンザシ属 Crataegus - サンザシ
- マルメロ属 Cydonia - マルメロ
- ビワ属 Eriobotrya - ビワ
- リンゴ属 Malus - リンゴ
- テンノウメ属 Osteomeles
- カマツカ属 Pourthiaea - カマツカ
- カナメモチ属 Photinia - カナメモチ
- トキワサンザシ属 Pyracantha - トキワサンザシ、タチバナモドキ
- ナシ属 Pyrus - ナシ
- シャリンバイ属 Rhaphiolepis - シャリンバイ
- ナナカマド属 Sorbus - ナナカマド
出典
- ^ a b c Potter, D.; Eriksson, T.; Evans, R.C.; Oh, S.H.; Smedmark, J.E.E.; Morgan, D.R.; Kerr, M.; Robertson, K.R.; Arsenault, M.P.; Dickinson, T.A.; Campbell, C.S. (2007), “Phylogeny and classification of Rosaceae”, Plant Systematics and Evolution 266 (1–2): 5–43,
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