Ordinal definable setとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Ordinal definable setの意味・解説 

順序数定義可能集合

(Ordinal definable set から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/01 16:08 UTC 版)

数学の集合論において、集合S順序数定義可能(じゅんじょすうていぎかのう、: ordinal definable)であるとは、非形式的には、 有限個の順序数によって一階述語論理式による定義を用いてされること。順序数定義可能集合Gödel (1965)によって導入された。

この非形式な定義の短所は量化が一階述語論理の式全てにわたる必要があり、これは集合論の言語では形式化できないことである。しかしながら、その定義を形式的に記述する方法はある。そのアプローチでは、集合の要素として一階述語論理式 φ、α2...αn をパラメータとしてとることによって定義できるような有限個の順序数α1...αnがあるときに、順序数定義可能であると形式的に定義される。

ここで フォン・ノイマン階層α1番目のことである。言い換えると、Sは量化をに制限したときに、式 φ(S, α2...αn) を成り立たせる一意的な対象ということである。

順序数定義可能集合全てによるクラスを OD で表す。これは推移的クラスというわけではないし、一般には外延性公理を満たさないから普通はZFCのモデルともいえない。集合が遺伝的順序数定義可能であるとは、その集合が順序数定義可能であり、かつその推移閉包の全ての要素が順序数定義可能であることをいう。遺伝的順序数定義可能集合全てによるクラスを HOD で表す。これは定義可能な整列付けによりZFCの推移的モデルになる。全ての集合が順序数定義可能であるという主張(ないしは遺伝的順序数定義可能であるという主張)は集合論の公理と無矛盾である。この主張は V = OD や V = HOD として表される。これはV = Lと、ユニバースの(定義可能な) 整列づけの存在性が同値であることから導かれる。V = HOD を表す式は HOD の中で真である必要はないことには注意。HODの中では HOD 自体の解釈がさらに小さい内部モデルを考えられることから、この式は絶対的ではない。

参照

  • Gödel, Kurt (1965) [1946], “Remarks before the Princeton Bicentennial Conference on Problems in Mathematics”, in Davis, Martin, The undecidable. Basic papers on undecidable propositions, unsolvable problems and computable functions, Raven Press, Hewlett, N.Y., pp. 84–88, ISBN 978-0486432281, MR 0189996 
  • Kunen, Kenneth (1980), Set theory: An introduction to independence proofs, Elsevier, ISBN 978-0-444-86839-8 

「Ordinal definable set」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Ordinal definable set」の関連用語

Ordinal definable setのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Ordinal definable setのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの順序数定義可能集合 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS