オペアンプ
μA741 集積回路、最も成功したオペアンプの一つ。
ピン配置
V+: 非反転入力
V−: 反転入力
Vout: 出力
VS+: 正電源
VS−: 負電源 電気用図記号
オペアンプ用の回路図記号。ピンは、上記のようにラベル付けされている。 テンプレートを表示
オペアンプ (operational amplifier ,オペレーショナル・アンプリファイア )は、非反転入力端子(+)と反転入力端子(-)と、1つの出力端子を備えた増幅器 の電子回路 モジュールである[1] 。日本語では演算増幅器 という[1] 。OPアンプ などと書かれることもある[1] 。増幅回路 、コンパレータ 、積分回路 、発振回路 など様々な用途に応用可能である。
オペアンプICの例
概要
オペアンプは2つの入力間の電位差によって動作する差動増幅回路 で、裸電圧利得 は104 倍から105 倍と非常に高く[2] 、負帰還回路と組み合わせて適切な利得と動作を設定して用いる。回路構成は一般的に、正負入力を持つ差動入力段、中間増幅段、負荷を駆動する出力段に分かれる。
演算増幅器の名称は、かつて自動制御機能などを電子回路で実現する際、微積分・比較・加算・減算などをアナログ演算によって行うために開発されたことに由来する。なお、こうした演算回路を自由に組み合わせて接続し、各種リアルタイム演算ができるようにした装置をアナログコンピュータ という。オペアンプは、モジュールとして考案された当初はトランジスタ や真空管 などの個別部品で構成され、のちに集積回路 化された。
動作
ネガティブフィードバックなしのオペアンプ
オペアンプの差動入力は、非反転入力 (+) のV + と 反転入力 (–) の V − から成り立つ。また、理想的なオペアンプは差動電圧入力 と呼ばれる2つの電圧のみで成り立つ。
オペアンプの出力電圧V out は以下の式となる。
V
out
=
A
d
(
V
+
−
V
−
)
{\displaystyle V_{\text{out}}=A_{\text{d}}\,(V_{\!+}-V_{\!-})}
オペアンプ
入出力間の電圧には差動利得(オープンループゲイン)を
A
d
{\displaystyle A_{\text{d}}}
非反転増幅回路
R
1
{\displaystyle R_{1}}
非反転増幅回路
入力信号と出力信号の位相 が同一である増幅回路。電圧増幅率は
1
+
R
2
/
R
1
{\displaystyle 1+R_{2}/R_{1}}
反転増幅回路
入力信号に対して出力信号の位相が180°変化する増幅回路。電圧増幅率は
−
R
f
/
R
i
n
{\displaystyle -R_{f}/R_{\rm {in}}}
差動増幅回路
原則として
R
1
=
R
2
,
R
f
=
R
g
{\displaystyle R_{1}=R_{2},\,R_{f}=R_{g}}
微分回路
電圧値の微分 値を出力する回路。入力電圧
V
i
{\displaystyle V_{i}}
積分回路
電圧値の積分 値を出力する回路。入力電圧
V
i
{\displaystyle V_{i}}
加算回路
複数の入力電圧を加算 した値を出力する回路。入力電圧
V
1
,
V
2
,
⋯
,
V
n
{\displaystyle V_{1},V_{2},\cdots ,V_{n}}
ウィキメディア・コモンズには、
オペアンプ に関連するメディアがあります。