氷 (小説)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 氷 (小説)の意味・解説 

氷 (小説)

(Ice (Kavan novel) から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/07 07:55 UTC 版)


Ice
作者 アンナ・カヴァン
イギリス
言語 英語
ジャンル サイエンスフィクションディストピア小説スリップストリーム
初出情報
初出 1967年
出版元 Peter Owen Publishers
刊本情報
刊行 サンリオSF文庫(1981)、バジリコ(2008)、ちくま文庫(2015)
日本語訳
訳者 山田和子
ウィキポータル 文学 ポータル 書物
テンプレートを表示


』(こおり、原題:Ice)は、1967年に出版された、イギリスアンナ・カヴァンによるSF小説、スリップストリーム小説。カヴァンの死の前年に発表された生前最後の長編小説であり、カヴァンの死後、英文学のメインストリーム(純文学界)による注目を浴びた、カヴァンの最も重要な著作である。ブライアン・オールディスは『氷』を1967年ベスト長編SFに選出し、「唯一無二の小説」と絶賛している[1]

日本では複数回にわたり翻訳、再版され、1981年にサンリオSF文庫、2008年にバジリコ、2015年にちくま文庫から翻訳版が出版された。

あらすじ

核戦争によって引き起こされた地球規模の気候変動により生み出された、巨大な氷の塊が地球を包み込もうとしている終末的な世界が、本作の舞台となる。物語の主人公である男は、姿を消した少女を追いかけている。男は少女の夫や、少女を確保して支配下に置こうとする「長官」との対立に直面しながら、なんとか彼女を見つけ出すために、氷に閉じられて、略奪や殺戮によって荒廃していく世界の中を進み続ける。

本作の登場人物には一切の名前がないこと、発生した偶然の連鎖による緊迫的な出来事の連鎖が特徴で、クリストファー・プリーストは序文で、「実質的にプロットを欠いており、この点ひとつをとっても通常の小説とは大きくかけ離れている[2]」と述べている。

書籍情報

初版

  • "Ice"(1967年)Peter Owen Publishers

邦訳
『氷』(山田和子訳)

翻訳[3]

  • "Het ijs" Meulenhoff社(オランダ語訳、1974年)
  • "Lod" Swiat Ksiazki社(ポーランド語訳、2007年)
  • "Eis" Diaphanes社(ドイツ語訳、2020年)

脚注

  1. ^ サンリオSF文庫版オールディスの序文、ちくま文庫版訳者あとがきより
  2. ^ ちくま文庫版、プリーストの序文より。
  3. ^ http://www.isfdb.org/cgi-bin/ea.cgi?1372

参考文献

  • Callard, D. A. (1995). The Case of Anna Kavan: A Biography. Peter Owen Publishers.(未邦訳)
  • 『氷』ちくま文庫版



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  氷 (小説)のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「氷 (小説)」の関連用語

氷 (小説)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



氷 (小説)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの氷 (小説) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS