HF6 (鉄道車両)とは? わかりやすく解説

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HF6 (鉄道車両)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/01 09:30 UTC 版)

HF6
デュッセルドルフ・シュタットバーンHF6形電車
ケルン・シュタットバーンHF6形電車
HF6(デュッセルドルフ・シュタットバーン)
2021年撮影)

HF6(ケルン・シュタットバーン)
2022年撮影)
基本情報
運用者 ラインバーンドイツ語版
ケルン市交通公社ドイツ語版
製造所 ボンバルディア・トランスポーテーションアルストム
製造年 2018年 -
製造数 デュッセルドルフ・シュタットバーン
59両(4301 - 4359)(予定)
ケルン・シュタットバーン
29両(5301 - 5329)(予定)
運用開始 デュッセルドルフ・シュタットバーン 2022年
ケルン・シュタットバーン 2021年
投入先 デュッセルドルフ・シュタットバーンケルン・シュタットバーン
主要諸元
編成 2車体連接車
軸配置 Bo'2'Bo'
軌間 1,435 mm
最高速度 80 km/h
車両定員 デュッセルドルフ・シュタットバーン 175人(着席64人)+折り畳み座席4人分
ケルン・シュタットバーン 182人(着席62人)
車両重量 39.95 t
全長 28,000 mm
全幅 2,650 mm
床面高さ 1,000 mm
備考 主要数値は[1][2][3][4][5][6][7][8][9][10]に基づく。
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HF6は、ボンバルディア・トランスポーテーションが開発・設計し、同社および合併先のアルストムによって生産が行われている電車。高床式プラットホームに適したライトレールシュタットバーン)向け車両で、ドイツデュッセルドルフデュッセルドルフ・シュタットバーン)やケルンケルン・シュタットバーン)で使用されている[1][2]

概要

2015年3月デュッセルドルフおよび周辺都市でシュタットバーンデュッセルドルフ・シュタットバーン)を運営するラインバーンドイツ語版と、ケルンおよび周辺都市を結ぶシュタットバーン(ケルン・シュタットバーン)を運営するケルン市交通公社ドイツ語版は、両社が所有する旧型電車(B形GT8SU形)の置き換えを目的に、共同でボンバルディア・トランスポーテーションへ向けて新型電車の発注を実施した。これを受け、路面電車やライトレール向けブランドである「フレキシティ・スウィフト(Flexity Swift)」の1つとして開発・設計が行われたのがHF6である[1][11]

全長28 mの両運転台式の2車体連接車で、床上高さは1,000 mmと高床式プラットホームが存在する路線に適した設計となっている一方、収納式のステップを展開する事で低床式プラットホームからの乗車も可能である。各車体には連結器も設置されており、最大4両まで総括制御による連結運転が可能な構造となっている。車内にはベビーカー車椅子が設置可能な多目的エリアが存在する他、冷房を含めた空調が完備されている[4][5]

運用

デュッセルドルフ

デュッセルドルフや周辺都市でシュタットバーン(デュッセルドルフ・シュタットバーン)を運営するラインバーンは当初43両を発注し、その後オプション権を行使する形で追加発注を実施したため合計59両が導入される事となった。試作車は2018年にデュッセルドルフに納入され試運転が実施されたが[注釈 1]、その中でデュースブルクデュースブルク・シュタットバーンドイツ語版)への直通系統に存在する一部の駅のプラットホームの端に部品が接触する事故が起きた。これに関しては部品の設計を見直す事により解決が行われ2020年に営業運転に関する承認が下りたものの、溶接の継ぎ目、台枠の基材、乗降扉や乗降用ステップの操作など複数の不備が発覚した事を要因にラインバーンは同年8月に一時的に納入を中止する事を発表した[2][3][4][12][13][14]

その後、2022年から納入が再開されており、本格的な営業運転は同年5月30日から開始された。以降、2024年までに順次全59両の導入が実施される事になっている[2][5][15][16]


ケルン

ケルンのシュタットバーン(ケルン・シュタットバーン)を運営するケルン市交通会社は当初20両を、その後2020年に7両を追加発注した他、2021年の豪雨により旧型車両の廃車が発生したため、その代用分として2022年に更に2両の追加発注が実施された。そして最初の車両となった試作車2両は2020年末にケルンに納入され、各種試運転や試験的な営業運転を実施した。その際、ソフトウェアの問題により乗降用ステップが正確に作動しない問題が生じたが、以降納入された車両では改善が行われ、2両についても修繕が実施されている。本格的な運用は2022年から始まり、5300番台(5301 - 5329)の車両番号が与えられたこれらの車両はケルン・シュタットバーンのうち高床式プラットホームを有している系統で使用されている他、2024年までにボンボン・シュタットバーン)への直通系統にも順次投入されている。また、これらのケルン向け車両は最短2両編成からの連結運転を前提にしており、運転台は片側の車両のみに設置されている[2][7][8][9][6]

関連項目

  • ケルン・シュタットバーン向けのボンバルディア・トランスポーテーション(→アルストム)製電車(フレキシティ・スウィフト[17][18]
    • K4000形 - 1995年から2002年まで導入されたボンバルディア・トランスポーテーション製の超低床電車[19]
    • K4500形 - K4000形の増備車両として2005年から2007年に導入されたボンバルディア・トランスポーテーション製の超低床電車[20][21]
    • K5000形 - 高床式プラットホームを用いる系統向けにボンバルディア・トランスポーテーションが製造した電車。

脚注

注釈

  1. ^ 契約当初は2017年から納入を開始する予定であった。

出典

  1. ^ a b c Bombardier erhält Auftrag für die Lieferung von FLEXITY Stadtbahnwagen für Düsseldorf und Köln”. Bombarider (2015年3月19日). 2015年3月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月13日閲覧。
  2. ^ a b c d e STADTBAHNWAGEN HF6”. mobil.nrw (2023年3月29日). 2024年8月13日閲覧。
  3. ^ a b Der Prototyp ist da!”. Rheinbahn (2018年9月18日). 2020年6月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月13日閲覧。
  4. ^ a b c Annika Bödefeld. “Neue Stadtbahnen für die Rheinbahn”. Rheinbahn. 2024年8月13日閲覧。
  5. ^ a b c Rheinbahn Type HF6 FLEXITY Trams Authorised”. Railvolution (2020年5月14日). 2024年8月13日閲覧。
  6. ^ a b First Bombardier HF6 high-floor light rail vehicle arrives in Cologne”. Urban Transport Magazine (2020年12月19日). 2025年1月11日閲覧。
  7. ^ a b Neue Hochflurbahnen stehen kurz vor Einsatz”. Kölner Stadt Anzeiger (2022年5月9日). 2023年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月13日閲覧。
  8. ^ a b Neue Hochflur-Stadtbahnen können auf allen innerstädtischen Strecken fahren”. Kölner Verkehrs-Betriebe (2022年5月6日). 2024年8月13日閲覧。
  9. ^ a b Ulrich Kissmann (2024年3月8日). “NRW: Zulassung für Kölner Stadtbahn HF6”. Lok Report. 2024年8月13日閲覧。
  10. ^ Wie kommt der Strom in die Bahn ?”. Kölner Verkehrs-Betriebe (2016年2月23日). 2024年8月13日閲覧。
  11. ^ NRW: KVB bestellen zwei zusätzliche HF6 bei Bombardier”. Lok Report (2022年3月18日). 2024年8月13日閲覧。
  12. ^ Arne Lieb (2018年10月8日). “Panne bei der Testfahrt Düsseldorfer Rheinbahn ist selber schuld an zu breiten Zügen”. RP Online. 2024年8月13日閲覧。
  13. ^ Arne Lieb (2019年3月20日). “Nach Rheinbahn-Panne in Duisburg Fehler in neuen Stadtbahnen ist beseitigt”. RP Online. 2024年8月13日閲覧。
  14. ^ Produktionsmängel: Rheinbahn stoppt Annahme der neuen HF6-Bahnen von Bombardier Transportation”. Rheinbahn (2020年8月13日). 2021年6月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月13日閲覧。
  15. ^ Katharina Natus (2022年5月31日). “Vom Tieflader auf die Schiene: Wie die neuen HF6-Bahnen für ihren Einsatz vorbereitet werden”. Rheinbahn. 2024年8月13日閲覧。
  16. ^ Katharina Natus (2022年5月31日). “59 neue Stadtbahnen für einen attraktiven Nahverkehr: Neue HF6-Bahnen sind im Einsatz”. Rheinbahn. 2024年8月13日閲覧。
  17. ^ Libor Hinčica (2021年1月18日). “Bombardier dodá další vozy Flexity do Kolína nad Rýnem”. Československý Dopravák. 2024年8月13日閲覧。
  18. ^ Bombardier Transportation Austria GmbH & Co. KG (March 2008). Werks- und Organisationsgeschichte und Produkte (PDF) (Report). 2024年8月13日閲覧.{{cite report}}: CS1メンテナンス: 先頭の0を省略したymd形式の日付 (カテゴリ)
  19. ^ NIEDERFLUR-STADTBAHNWAGEN K4000”. mobil.nrw (2020年12月9日). 2024年8月13日閲覧。
  20. ^ Stadt Köln & Kölner Verkehrs-Betriebe 2018, p. 52-53.
  21. ^ NIEDERFLUR-STADTBAHNWAGEN K4500”. mobil.nrw (2020年12月9日). 2024年8月13日閲覧。



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