エドモン・ジャベスとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 人名 > 作家 > 詩人 > フランスの詩人 > エドモン・ジャベスの意味・解説 

エドモン・ジャベス

(Edmond Jabès から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/13 06:05 UTC 版)

エドモン・ジャベス

エドモン・ジャベス(Edmond Jabès, 1912年4月16日 - 1991年1月2日)は、フランス詩人

来歴

1912年にエジプトカイロイタリア系ユダヤ人として生まれ、フランス語教育を受けて育った。1957年にナセルが政権をとったことから、エジプトを去り、フランスに移住。1967年にフランス国籍取得。

彼の初期の詩集はシュルレアリスムの影響がきわめて著しい。彼はブランショとは似て非なる方法で文学の限界、言語の限界に挑んだ。エジプトに生まれたユダヤ人であるジャベスは砂漠[1]、書物、ノマド、ユダヤ人、空虚井戸などを存在言語などの隠喩として好んで使いそのトーラー解釈の註釈の如き断章形式の作品は、彼独自の砂漠の思想が結実している。

ジャベスの思想はユダヤの経典を繙読することにより培われてきたため、ユダヤ的なものに人間の本質を見出すところにある。人間は本質的には流謫の民であり、居場所を持たないものであるということ、その意味で「人間は皆ユダヤ人である」とジャベスは言い、また言語ほど虚しいコミュニケーションはないことに確信し、絶望しながら、言語によって人間であることのアポリアを思考した。

無限に言語を疑い続ける姿勢はデリダブランショレヴィナスに絶賛された。レヴィナスは「真の詩人とは住処を持たないものだ」と言ったが、それはジャベスを評しての言葉である。

脚注及び出典

  1. ^ 『パリ、砂漠のアレゴリー』鈴村和成著、洋泉社

著作

  • Je bâtis ma demeure (1959)
    • 『私は私の住まいを建てる』
  • Le Livre des Questions (1963)
  • Le Livre de Yukel (1964)
  • Le Retour au Livre (1965)
  • Yael (1967)
    • 『ヤエル』
  • Elya (1969)
    • 『エリヤ』
  • Aely (1972)
    • 『アエリィ』
  • ・ (El, ou le dernier livre) (1973)
    • 『・ (エルまたは最後の書)』
  • Du Desert au Livre (entretiens avec Marcel Cohen) (1980)
    • 『砂漠から書物へ (マルセル・コーエンとの対話)』
  • Le Livre des Ressemblances (1980)
    • 『類似の書』
  • Le Livre du Dialogue (1984)
    • 『対話の書』
  • Le Livre du Partage (1987)
    • 『分割の書』
  • Le Seuil La Sable.Poésies complétes 1943-1988,(1990)
  • Le Livre de L'hospitalité (1991)

関連項目

外部リンク





固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「エドモン・ジャベス」の関連用語

エドモン・ジャベスのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



エドモン・ジャベスのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのエドモン・ジャベス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS