チカラン線とは? わかりやすく解説

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チカラン線

(Commuter Line Cikarang から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/03 13:54 UTC 版)

チカラン線
チャクン駅に到着するSeri 205
基本情報
インドネシア
所在地 ジャカルタ西ジャワ州
起点 チカラン駅英語版
ブカシ駅英語版
終点 アンケ駅英語版
カンプン・バンタン駅英語版
駅数 27
路線記号 C
開業 1924年(ジャカルタコタ-ジャティネガラ線)
1992年(ブカシ線)
2017年(旧チカラン線)
2022年5月28日(チカラン線)
廃止 2022年5月27日(チカラン線、環状線)
運営者 KAIコミューター
使用車両
路線諸元
路線距離 92 km
軌間 1,067 mm (狭軌)
線路数 複線
複々線
電化方式 直流1,500 V 架空電車線方式
最高速度 95km/h
チカラン線(Commuter Line Cikarang)
路線地図
テンプレートを表示

チカラン線インドネシア語: Commuter Line Cikarang)は、KAIコミューターが運営するインドネシア通勤鉄道路線。旧称はチカラン環状線(インドネシア語: Lin Lingkar Cikarang)など。北ジャカルタのカンプンバンダン駅と西ジャワ州ブカシのチカラン駅を結ぶ。 路線図では青色で表示されている。

概要

当路線は、ジャカルタの周辺都市の利用者がチカランからジャカルタ中心部へ行くための公共交通機関の1つである[1]。以前は、ブカシ線およびブカシ・エクスプレス線と案内されていた。2015年には、チカラン環状線はジャカルタ首都圏のKRLコミューターラインの中で3番目に利用者の多い路線だった。[2]

ジャカルタ・チカンペック・パダララン線インドネシア語版の一部であり、オランダ領東インド時代では、バタヴィア(ジャカルタ) - チカンペック駅間はKrawanglijn (オランダ語で カラワン線) と呼ばれ、北ジャワ本線の一部である[3]

環状線部であるジャティネガラ環状線は、ジャカルタ横断線インドネシア語版に含まれている。

開業

バタヴィア東部鉄道会社(BOS)によってバタヴィア(ジャカルタ)からブカシまでが計画された。オランダ領東インド政府は、国有会社であるStaatsspoorwegen(SS)に、1885年11月2日から運営を委託することになった。一般向けに1887年3月31日にて開通した[4]。1890年8月14日にチカランへ延伸し、その後 1891年6月21日にケドゥンゲデに、最終的に1898年3月20日にカラワンまで開通した[5]

電化と複線化(1922年)

複線化工事は 1922年から開始された。1922年6月24日、新聞「デ・プレアンガーボーデ」は 、当時はまだ橋の建設中であった複線化プロジェクトの進捗状況を報道した。 川にかかるケドゥンゲデ橋はドイツの鉄鋼工場から輸入した鉄骨を使用して建設され、建設作業にはオランダ人とドイツ人の技術者が従事した[6]

1925年4月6日、SSの設立50周年記念とバタヴィア-ミースター・コルネリス線の開業の一環として、パサール・セネン駅とタンジュン・プリオク駅に新駅舎が開業した。その後、複線化と電化工事は1929年10月8日にジャカルタ・コタ駅が開業した後、1930年にはバタヴィア線の複線化が完了した[7]。1930年10月28日にカラワン駅の新駅舎が開業した[8]

電化(1992年・2017年)

ジャボデタベック都市圏の通勤路線の運行区間延伸に関連して、PJKA(今のPT KAI)と運輸省は電化工事を再開した。 1988年5月13日時点では、ブカシ駅での土地買収は完了していなかった。その後ブカシ線(後のチカラン環状線)の車両基地の建設と駅の拡張へ利用された[9]。 1992年にはブカシ駅までの電化設備の建設完了した。直流1,500Vによる架空電車線方式により電化がなされた。ブアラン駅、クレンダーバル駅、ラワベベック駅では駅舎も増築され、通勤鉄道の駅として利用されるようになった。1992年9月8日と10月8日にクランジのLAA変電所、1992年9月23日にジャティネガラ変電所、1992年11月27日にジャカルタ・コタ変電所がそれぞれ稼働して電化工事が完了した[10]

その後、2014年から2017年にかけてチカラン駅まで電化区間が延長された。電化工事の費用は2.3兆ルピアであり、2017年10月8日に供用が開始され開通した[11]

複線化の推進

特にブカシ駅からチカラン駅間において複線化が進められている。都市間列車と貨物列車が当路線と線路共有しているため、運行頻度を高めて運行を円滑に行うために線路を分離する必要があるためである。しかし、ジャティネガラからブカシ間は複線化により解消された。都市間輸送を推進するためにチカラン駅まで延伸する予定である[12]。プルワカルタ・エクスプレスの運行区間の一部を (ジャカルタ・コタ~チカラン~プルワカルタ) を電車による運行へ置き換えるために運行されている。

マンガライ駅改良工事による環状運転化

KAIコミューターは2022年5月21日、マンガライ駅改良工事の一環として、2022年5月28日までにチカラン線をチカラン環状線に改称すると発表し、 同線はジャカルタコタ駅までの運行を終了し、ボゴール線と運行が分離した。 ブカシまたはチカランからジャティネガラ駅に到着した電車は、カンプンバンダン駅(右回りまたは左回り)経由の環状運転でブカシまたはチカラン駅に戻るが、ループ(半周回)せずにアンケ駅またはカンプンバンダン駅止まりの列車もある[13]。 マンガライ駅での乗客の混雑を受け、待ち時間を最小限にするため、2022年5月30日にマンガライ駅からアンケ駅またはカンプンバンダン駅への区間運用が開始された[14][15]

カラワンへの延伸計画

ブディ・カルヤ・スマディ運輸大臣は、2025年か2026年にかけてカラワンまで延伸される可能性があると述べた[16]。この計画は2019年からあったが、 COVID-19パンデミックのため中止された。カラワンまで延伸する計画では、架空電車線の設置、所要時間や乗車人数、延伸後の増備編成数などの条件を考慮する必要がある。リサル・ワサル運輸大臣は、カラワンまで延伸する計画については今のところ新たな発表はないと述べた[17]

運行

チカラン環状線の路線図。(日本語表記)
環状運転
半周回 チカラン/ブカシ - ジャティネガラ - マンガライ - アンケ/カンプンバンダン
右回り チカラン/ブカシ-ジャティネガラ - マンガライ - カンプンバンダン - ジャティネガラ - ブカシ/チカラン
左回り チカラン/ブカシ - ジャティネガラ - パーサル・スネン - カンプン バンダン - マンガライ - ブカシ/チカラン

駅一覧

駅番号 駅コード[18] 駅名 接続路線 所在地
ジャティネガラ駅 (C15) 方面
C
01
POK ポンドックジャティ
Pondok Jati
東ジャカルタ ジャカルタ
C
02
KMT クラマト
Kramat
中央ジャカルタ英語版
C
03
GST ガンセンティオン
Gang Sentiong
C
04
PSE パサール・スネン
Pasar Senen
右回り、ガンセンティオン駅方面の列車は通過

KAI線
トランスジャカルタ :

  • コリドアー2
  • コリドアー2A
  • コリドアー7F
  • コリドアー14
  • コリドアー5
  • コリドアー5D

Senen Bus Terminal (via short walk)

C
05
KMO ケマヨラン
Kemayoran
C
06
RJW ラジャワリ
Rajawali
C
07
KPB カンプン・バンタン英語版
Kampung Bandan
タンジュンプリオク線 (TP2)

トランスジャカルタ :

  • コリドアー5
  • コリドアー5D
  • コリドアー10H
北ジャカルタ英語版
C
08
AK アンケ英語版
Angke
西ジャカルタ
C
09
DU ドゥリ英語版
Duri
スカルノ・ハッタ空港線

タンゲラン線 (T1)

C
10
THB タナアバン
Tanah Abang
ランカスビトゥン線 (R1) 中央ジャカルタ
C
11a
KAT カレット
Karet
C
11
SUDB BNIシティ
BNI City
スディルマン・バル
Sudirman Baru
スカルノ・ハッタ空港線
C
12
SUD スディルマン英語版
Sudirman
ジャカルタMRT南北線 : ドゥクアタス駅

ジャボデベックLRT : ドゥクアタス駅

C
13
MRI マンガライ
Manggarai
ボゴール線 (B9)

スカルノ・ハッタ空港線
トランスジャカルタ :

  • コリドアー4
  • コリドアー4D

Manggarai Terminal (via short walk)

南ジャカルタ
C
14
MTR マトラマン
Matraman
トランスジャカルタ :
  • コリドアー5
  • コリドアー5C
  • コリドアー5D
東ジャカルタ
C
15
JNG ジャティネガラ
Jatinegara
チラカン線 パサールスネン方面

KAI線
トランスジャカルタ :

  • コリドアー5
  • コリドアー5C
  • コリドアー5D
  • コリドアー7F
  • コリドアー10
  • コリドアー11
C
16
KLD クレンダー
Klender
トランスジャカルタ :
  • コリドアー11
C
17
BUA ブアラン
uaran
トランスジャカルタ :
  • コリドアー11
C
18
KLDB クレンダーバル
Klender Baru
トランスジャカルタ :
  • コリドアー11
C
19
CUK チャクン
Cakung
トランスジャカルタ :
  • コリドアー11D

Pulogebang Bus Terminal (via 12 minutes' walk)

C
20
KRI クランジ
Kranji
トランス・パトリオット :  TP1  ブカシ 西ジャワ州
C
21
BKS ブカシ英語版
Bekasi
KAI線

トランス・パトリオット:  TP1   TP2   TP3 

C
22
BKST ブカシ・ティムール
Bekasi Timur
トランス・パトリオット:  TP1 

Bekasi Bus Terminal (via short walk)

C
23
TB タンブン
Tambun
ブカシ県英語版
C
24
CIT チビトゥン
Cibitung
C
25
TLM メットランド・テラガムルニ
Metland Telaga Murni
C
26
CKR チカラン駅英語版
Cikarang
KAI線

ワラハル線
ジャティルフル線

使用車両

現在の車両
導入予定の車両
過去の車両

出典

  1. ^ KRL Commuterline to introduce 12-car trains on busy Bogor and Bekasi lines”. Coconuts Jakarta. 2015年12月9日閲覧。
  2. ^ Komuter Bogor–Jakarta mendominasi KRL”. kontan.co.id (2016年4月11日). 2016年4月29日閲覧。
  3. ^ Request Rejected”. jdih.kemenhub.go.id. 2025年4月14日閲覧。
  4. ^ Request Rejected”. web.archive.org (2025年3月15日). 2025年4月14日閲覧。
  5. ^ Wayback Machine”. web.archive.org (2020年6月10日). 2025年4月14日閲覧。
  6. ^ "De groote S.S.-werken"”. 2025年4月14日閲覧。
  7. ^ Spoor- en tramwegen”. 2025年4月14日閲覧。
  8. ^ Spoor- en tramwegen; tijdschrift voor het spoor- en tramwegwezen in Nederland en Indië, jrg 4, 1931, no. 8, 13-10-1931. (1931-10-13). https://www.delpher.nl/nl/tijdschriften/view?identifier=MMUTRA03:004498009:00001&query=(Spoor+en+tramwegen+Nederlandsch+indie)&page=2&sortfield=datedesc&cql%5B%5D=(volumeYear+_gte_+%221930%22)&cql%5B%5D=(volumeYear+_lte_+%221931%22)&coll=dts. 
  9. ^ "Pembebasan Tanah PJKA di Wilayah Bekasi". Harian Neraca. 3 Mei 1988.”. 2025年4月14日閲覧。
  10. ^ DJKA (2014). Buku Informasi Direktorat Jenderal Perkeretaapian Tahun 2014 (PDF). Jakarta: Direktorat Jenderal Perkeretaapian, Kementerian Perhubungan Indonesia. Diarsipkan dari versi asli (PDF) tanggal”. 2025年4月14日閲覧。
  11. ^ Idris, Muhammad. “Proyek KRL Cikarang Telan Biaya Rp 2,3 Triliun” (インドネシア語). detikfinance. 2025年4月14日閲覧。
  12. ^ Ditargetkan Rampung Desember 2021, Menhub Tinjau Jalur Dwi Ganda KRL” (インドネシア語). Kompas.tv. 2025年4月14日閲覧。
  13. ^ @commuterline (2022年5月21日). “Ingatkah #RekanCommuters akan rencana pengembangan Stasiun Manggarai menjadi Stasiun Sentral? Hal tersebut kedepannya akan terjadi dengan…” (英語). Instagram. 2022年5月21日閲覧。
  14. ^ Okezone (2022年5月28日). “Ada Perubahan Rute KRL, 200 Ribu Pengguna Diprediksi Transit di Stasiun Manggarai : Okezone Economy” (インドネシア語). https://economy.okezone.com/. 2025年4月15日閲覧。
  15. ^ Stasiun Manggarai Padat, KAI Commuter Bakal Tambah 6 Kereta Tambahan di Jam Sibuk” (インドネシア語). iNews.ID (2022年5月30日). 2022年5月30日閲覧。
  16. ^ Rahmawati, Dwi. “Menhub Buka Kemungkinan Rute KRL sampai Karawang 2025 atau 2026” (インドネシア語). detiknews. 2025年4月14日閲覧。
  17. ^ Soal Rencana Perpanjangan Rute KRL ke Karawang, MTI: Masyarakat Butuh” (2023年12月27日). 2025年4月14日閲覧。
  18. ^ BI_Final_RevMei.pdf”. 2025年4月19日閲覧。

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