COGLOGとは? わかりやすく解説

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COGLOG

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/09/12 08:37 UTC 版)

COGLOG(英語: COmbined Gas-turbine Lectric Or Gas-turbine、コンバインド・ガスタービン・エレクトリック・オア・ガスタービン)は、船舶の複合推進方式の一種。低速・巡航時にはガスタービン発電機を用いた電気推進(ガスタービン・エレクトリック)で航行し、高速航行時には推進用ガスタービンエンジンによる機械駆動に「切り替えて(Or)」推進力を得る方式である。

概要

COGLOGは、船舶用複合推進(Combined Propulsion)の命名体系において定義されている方式の一つである。

巡航時にはガスタービン発電機で起電した電力により電動モーターを駆動してスクリュープロペラを回し、高速時(フルパワー航行時)には推進用の大型ガスタービンエンジンを減速機を介してプロペラシャフトに直接接続(機械駆動)し、駆動源を切り換えて高速航行を行う。

低速・巡航時にもガスタービンを発電に用いるため、ディーゼル発電機を用いるCODLOG(Combined Diesel-Electric Or Gas-turbine)などと区別される。また、高速航行時に電気推進と推進用ガスタービンの両方の動力を併用(And)するCOGLAG(Combined Gas-turbine Electric And Gas-turbine)とは異なり、いずれか一方の動力のみを使用する「切替式(Or)」である点が特徴である。

仕組みと特徴

メリット

  • 静粛性と制御性
低速・巡航時は電気推進を用いるため、ガスタービンエンジンの機械的振動や水中放射雑音がプロペラ軸へ直接伝わりにくい。これにより対潜戦等における静粛性を確保できるほか、電動モーター特有の優れた応答性や無段変速による微速航行・操縦性を得られる。
  • 低負荷運用の回避
ガスタービンエンジンは低出力(低負荷)運転時に極めて燃費が悪化する特性を持つが、巡航時は発電機として定常・最適効率ゾーンで運用するため、機関の効率低下を抑制できる。
  • 減速機(ギヤボックス)の構造簡略化
高速時に電気推進の出力を加算(併用)しないOr方式であるため、減速機や結合クラッチの設計において双方のトルクや回転数を統合・同期させる複雑なメカニズムを回避でき、システム構造自体は簡略化しやすい。

デメリット(デッドウェイト問題)

  • 機器の遊休化
高速航行時には巡航用の発電機・電動モーター群が完全に遮断(無効化)され、逆に巡航時には大出力の推進用ガスタービンが使用されずに停止状態となる。限られた船体容積・重量枠(排水量)の中で、常に使われない大型機器を「デッドウェイト」として搭載し続けることになる。
  • 最高出力の制限
高速航行時に電気推進側の出力を加算する事ができないため、艦全体の合計最大出力をプロペラ推進力に還元するエネルギー効率の面で不利となる。
  • 燃料コストと排熱
低速巡航時の発電源としてディーゼルエンジンではなくガスタービンを用いるため、同等出力のディーゼル発電機と比べると燃費(航続距離)や排熱管理の面で制約を受ける。

採用状況

現代の水上戦闘艦艇をはじめとする船舶の推進プラントにおいては、COGLOG方式の技術的課題(特に高速時における出力加算の不可と重量の無駄)を克服するため、技術の成熟に伴い高速時に双方の出力を併用できるCOGLAG(日本のあさひ型護衛艦やまや型護衛艦など)や、巡航時の燃料経済性に優れるディーゼル発電機を用いたCODLOG(イギリス海軍の23型フリゲートなど)が広く普及することとなった。

そのため2026年8月現在、COGLOGは複合推進における理論上の命名分類として定義されているものの、明確な主推進方式として実装された実艦の例は極めて限定的(または体系上の概念)とされている。

各推進方式の比較

主要な電気推進系複合推進方式の一覧
方式名 名称(英) 低速・巡航時
(発電源)
動作形式 高速時
(主機関)
主な特徴・実態
COGLOG Combined Gas-turbine Lectric Or Gas-turbine ガスタービン(発電) Or
(切替)
ガスタービン(機械駆動) 高速時に巡航側のパワーを加算できずデッドウェイト化するため、実艦での採用例がほぼ見当たらない理論上の分類。
COGLAG Combined Gas-turbine Lectric And Gas-turbine ガスタービン(発電) And
(併用)
ガスタービン(機械駆動) 高速時に電気推進とガスタービンの両出力を合算可能。静粛性と大出力を両立(例:あさひ型、まや型護衛艦など)。
CODLOG Combined Diesel Lectric Or Gas-turbine ディーゼル(発電) Or
(切替)
ガスタービン(機械駆動) 巡航時の燃費に優れるディーゼル発電を採用。高速時はガスタービンへ切換(例:23型フリゲートなど)。
CODLAG Combined Diesel Lectric And Gas-turbine ディーゼル(発電) And
(併用)
ガスタービン(機械駆動) 巡航時の低燃費・静粛性と、高速時の出力併用を両立させた現代の主流方式(例:もがみ型護衛艦、独バーデン・ヴュルテンベルク級フリゲートなど)。
CODLOD Combined Diesel Lectric Or Diesel ディーゼル(発電) Or
(切替)
ディーゼル(機械駆動) 低速時は電動機、高速時は高出力ディーゼルへ切り替える。CODEDと呼称されることもある(例:ゴーウィンド2500型など)。
CODLAD Combined Diesel Lectric And Diesel ディーゼル(発電) And
(併用)
ディーゼル(機械駆動) 高速時もディーゼル推進に電動機出力を併用。戦闘艦での採用は少ないが、大電力が必要な大型艦艇等で採用(例:仏ジャック・シュヴァリエ級補給艦など)。

関連項目




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