CODLAD
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/08/25 05:39 UTC 版)
| 巡航時ディーゼル |
|---|
| 巡航時ガスタービン |
| 巡航時電気推進 |
| その他 |
CODLAD(英語: Combined Diesel-Electric And Diesel、複合ディーゼル・エレクトリック・ディーゼル)は、推進用電動機(電気モーター)とディーゼルエンジンを組み合わせた船舶推進方式の一種である。単一のプロペラ軸に対して電動機とディーゼルエンジンの双方から動力を伝達できる構造を持ち、減速機およびクラッチ等で構成される減速機機構によって、いずれか一方または両方の動力を切替・併用して軸を駆動する[1][2]。
概要
CODLAD推進システムは、プロペラ軸(通常は2軸)に直接連結された推進用電動機(電気モーター)を使用することを基本とする。電動機はディーゼル発電機から電力を供給されて駆動し、巡航時にはこのディーゼル・エレクトリック方式(電気推進)を用いて航行する。 高速航行を行う際には、減速機を介して高出力の推進用ディーゼルエンジンが動力系に割り込み(クラッチ連結され)、両方の動力を併用(または切り替え)して推進力を高める。巡航速度に戻る際には、推進用ディーゼルエンジンはトランスミッション(減速機機構)から遮断される。
推進と艦内電力を共通のディーゼル発電機で賄うこの方式は、搭載するディーゼルエンジンの総数を抑制できるほか、電動機の低メンテナンス性も相まって運用コストを大幅に削減できる。さらに、効率的な回転数を維持しやすい電動機を軸に直結することで、ディーゼル・エレクトリックと推進用ディーゼルエンジンを切り替える動力伝達系においても、従来の機械駆動方式より滑らかな動力切替が可能となる。
類似の技術概念
CODLADにおける「低・中速域は発電機とモーターによる電気推進を用い、高速域ではディーゼルエンジンによる直接駆動(機械駆動)を割り込ませて併用する」という動力切替メカニズムは、乗用車におけるシリーズ・パラレル切り替え型ハイブリッドシステム(ホンダのe:HEVや三菱自動車工業のPHEVなど)と概念的に共通している。
いずれも、エネルギー効率が高く微速・低速運転に適した電気駆動(シリーズ駆動)を基本としつつ、高負荷時や高速巡航時にはクラッチを介してエンジンの動力を直接駆動軸に連結(パラレル駆動)させる設計思想に基づく。
なお、高速時にエンジン駆動のみへ完全に切り替える方式(CODLODなど)に対し、CODLAD方式は高速時にエンジン駆動と電動機出力を重畳・併用できる(アシスト可能である)点が特徴であり、これはハイブリッド自動車における「フル加速時にエンジン出力へモーター出力を上乗せする」挙動に対応している。
採用例
CODLAD方式は、主に高い省燃費性・低速での細やかな保速性能と、平時の静粛性が求められる補助艦艇や哨戒艦艇を中心に採用されている。
- 日本の領海および排他的経済水域(EEZ)における常続監視を行うために整備が進められている哨戒艦。
- 平時の長時間の警戒監視時には電気推進(ディーゼル・エレクトリック)を用い、緊急進出時にはディーゼルエンジンによる機械駆動を併用する。
出典
- ↑ Modern Naval Final Solutions. (2012). pp. pp. 12–15 2020年5月22日閲覧。.
- ↑ “Documentation - Marine Applications / Electric & Hybrid Propulsion Systems”. Leroy-Somer. pp. pp. 10–12. 2020年5月22日閲覧。
- ↑ Delrieu, Pierre (2017年7月5日). “Rolls-Royce to provide engines for the RNZN’s”. Asian Military Review. 2020年5月22日閲覧.
関連項目
推進機関
シリーズ式ハイブリッド
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