CODLOD
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/08/18 16:17 UTC 版)
| 巡航時ディーゼル |
|---|
| 巡航時ガスタービン |
| 巡航時電気推進 |
| その他 |
CODLOD(英語: COmbined Diesel-Electric Or Diesel、コンバインド・ディーゼル・エレクトリック・オア・ディーゼル)は、複合船舶推進方式の一種。電気推進とディーゼルエンジンによる機械駆動を組み合わせたシステムである。
巡航時や低速時にはディーゼル・エレクトリック方式による電気推進で航行し、高速航行時にはディーゼルエンジンによる直接駆動(機械駆動)に切り替えて推進力を得る。また、フランスのゴーウィンド型コルベット(ゴーウィンド2500型など)の設計においては、同様のシステムがCODED(COmbined Diesel-Electric and Diesel-Mechanical)と呼称されることもある。
本システムは、巡航時には低出力のディーゼルエンジンを用い、高速時には高出力のディーゼルエンジンに切り替えるCODOD推進方式に類似している。
CODLOD方式では、巡航時にはディーゼル発電機から電力を供給される電動モーターによって各プロペラを駆動し、高速時にはより高出力のディーゼルエンジンによって推進力を供給する。両推進源は減速機を介してプロペラシャフトに接続されているが、同時に使用できるのはいずれか一方のみである。これは、両方式の動力を同時に併用できるCODLAD方式とは異なる。
特徴とメリット・デメリット
CODLOD方式は、低速時と高速時で動力伝達のメカニズムを明確に使い分ける点に特徴がある。
民間・官公庁船における利点
精密航行と環境性能
超低速での保持や静音性が求められる調査・観測において電気推進が威力を発揮し、排ガスや燃料費の削減(エミッション低減)にも寄与する。
機関の摩耗低減
港湾内や低速作業時にメインエンジンの低負荷運転を回避できるため、機関の耐久性向上やメンテナンス周期の延長につながる。
- 民間・官公庁船での普及状況
軍用以外の分野では同等の技術コンセプト(低速・観測時の電気推進と移動時のディーゼル直結駆動の併用)が「ハイブリッド・ディーゼル推進」等の名称で広く普及している。民間のハイブリッドタグボートや大型ヨットのほか、日本の海洋地球研究船「みらい」(JAMSTEC所属)をはじめとする海洋調査船や官公庁船において、静止観測時の静粛性・位置保持能力と長距離進出時の移動性能を両立させるシステムとして多数の採用例が存在する。
軍用における利点
対潜戦(ASW)性能と静粛性の向上
巡航・低速時にディーゼル・エレクトリック推進を使用することで、エンジン音や水中放射雑音、振動を著しく低減できる。これにより敵潜水艦からの被探知リスクを抑えると同時に、自艦ソナーのソナーノイズを減らし探知能力を向上させることができる。
優れた燃料経済性
低速航行時に主機関の低負荷運用を避け、効率的な発電運転を行うことで燃料消費を抑え、航続距離を延伸できる。
- 軍事用途での普及状況
軍事用途における本方式(またはCODEDという別称)の採用例は、フランスのナバル・グループが開発したゴーウィンド型コルベット(ゴーウィンド2500型など)など限られたものにとどまる。水上戦闘艦においては、高速時に両方の動力を重ね合わせて利用できるCODLAG方式やCODLOG方式が主流となっているためである。
高速進出能力
戦域への急行時には、ディーゼルエンジンによる直接機械駆動に切り替えることで、電気駆動の能力上限を超えた最高速力を発揮できる。
類似の技術概念
CODLOD(およびCODED)における「低・中速域は発電機とモーターによる電気推進、高速域はエンジンによる直接機械駆動」という動力切替メカニズムは、乗用車におけるシリーズ・パラレル切り替え型ハイブリッド(e:HEV(旧称:i-MMD)、e-Powerなど)と概念的に極めて類似している。
どちらも、エネルギー効率が低下する低・中速域や微速運用時にはエンジンを発電機として運用してモーターで駆動し、モーター駆動の効率が落ちる高速巡航時にはクラッチを介してエンジンを駆動軸へ直接連結(機械駆動)する仕組みをとっている。両者とも「電気駆動」か「エンジン直結駆動」のどちらか一方のみを選択して使用する点(併用を行わない点)で技術的アプローチを共有している。
採用例
日本
エジプト
- エジプト海軍:エル・ファテー級コルベット(ゴーウィンド2500型)
アラブ首長国連邦
- アラブ首長国連邦海軍:バニ・ヤス級コルベット(ゴーウィンド2500型)
関連項目
推進機関
シリーズ式ハイブリッド
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