カーン・インゴールド・プレローグ順位則とは? わかりやすく解説

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カーン・インゴールド・プレローグ順位則

(CIP順位則 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/07 09:20 UTC 版)

カーン・インゴールド・プレローグ順位則(カーン・インゴールド・プレローグじゅんいそく、: Cahn–Ingold–Prelog priority rule)は、化合物の化学的構造中のある部位と繋がっている置換基に対して、それらを番号付けする際に使用される規則である(主に立体中心。本ページでも読みやすくするため立体中心に繋がっている4つの置換基を順位付けるためとして書く)。主にIUPAC命名法に基づいて、化合物の立体配置の絶対配置を示す際に使用される。

1951年にロバート・シドニー・カーン、クリストファー・ケルク・インゴールドが提案したR/S表示法の置換基の順位付けをする方法を、ウラジミール・プレローグが彼らとともに改良した方法である。1958年にバイルシュタインの命名法に取り入れられ、さらにIUPAC命名法の1979年勧告に立体配置の命名法として取り入れられた。提案者3名の頭文字をとってCIP順位則ともいう。また単に順位則といった場合、CIP順位則を指すのが普通である。

適用法

原子番号が大きい原子が原子番号が小さい原子よりも順位が高い

CIP順位則による順位の決定の基本である。

順位付けの例

CIP順位則により立体中心と連結している置換基間の順位を比較する場合には、まず置換基の、立体中心に直接連結している原子(以降、「結合位置」と呼ぶ)について比較を行なう。このため、例えばメチル基 (−CH3)、アミノ基 (−NH2)、ヒドロキシ基 (−OH) であれば、立体中心に対して結合しているそれぞれの原子は炭素(原子番号6)、窒素(原子番号7)、酸素(原子番号8)であるから、順位はヒドロキシ基がもっとも高く、次いでアミノ基、メチル基の順になる。

結合位置の原子番号が等しくこれだけでは順位が付けられない場合、続いて結合位置に結合している原子について同じように比較を行なう。例えばメチル基 (−CH3)、エチル基 (−CH2CH3)、イソプロピル基 (−CH(CH3)2) であれば、結合位置の原子は炭素で等しいので、それぞれの、炭素に結合している3つの原子を比較する。メチル基は水素が3つ、エチル基は炭素が1つと水素が2つ、イソプロピル基は炭素が2つと水素が1つである。そして、それぞれ原子番号で順位を付ける。

  • メチル基:H<H<H
  • エチル基:H<H<C
  • イソプロピル基:H<C<C

最高位の原子はメチル基H、エチル基とイソプロピル基がCである。原子番号はC>Hなのでメチル基が最下位であることが判る。続いて2番目の原子を比較すると、エチル基Hでイソプロピル基Cである。よって、




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