三熊野詣
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/17 06:10 UTC 版)
『三熊野詣』(みくまのもうで)は、三島由紀夫の短編小説。全6章から成る。 歌人で国文学博士の老教授と、先生を崇拝する弟子の寡婦が熊野詣に旅する物語。亡き初恋の人の名前を象る三つの櫛を熊野三山の内庭に埋める先生に同道しながら、様々な想いが錯綜する静かな女の心理と、彼女を証人にして自らの物語を創造しようとする孤独な人間の姿が、黄泉の国と浄土感が一体化された荘厳な熊野の風景を背景に描かれている。民俗学者の折口信夫をモデルにした作品である[1][2][3]。
- ^ 高橋睦郎「解説」(殉教・文庫 1982, pp. 329–334)
- ^ a b c d e 「第五章 文と武の人」(佐藤 2006, pp. 144–205)
- ^ a b c 鎌田東二「三熊野詣」(事典 2000, pp. 362+363)
- ^ 井上隆史「作品目録――昭和40年」(42巻 2005, pp. 438–440)
- ^ 山中剛史「著書目録――目次」(42巻 2005, pp. 540–561)
- ^ 久保田裕子「三島由紀夫翻訳書目」(事典 2000, pp. 695–729)
- ^ 「あとがき」(『三熊野詣』)(新潮社、1965年7月)。33巻 2003, pp. 472–473に所収
- ^ 松本 2005
- ^ a b 「第十一回 雅びとエロスと 『孔雀』『春の雪』『朱雀家の滅亡』」(徹 2010, pp. 145–158)
- ^ 「日本文学小史――『古事記』と『万葉集』」(群像 1969年8月号)。『日本文学小史』(講談社、1972年11月)。休暇 1982, pp. 236–264、35巻 2003, pp. 538–564に所収
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