22q11.2欠失症候群とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 病気・健康 > 病気・けが > 病気 > 遺伝子疾患 > 22q11.2欠失症候群の意味・解説 

22q11.2欠失症候群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/02/12 14:08 UTC 版)

22q11.2欠失症候群
22q11.2欠失症候群の頭部CT像。大脳基底核および脳室周囲の石灰化が見られる。From a case report by Tonelli et al., 2007[1]
分類および外部参照情報
診療科・
学術分野
遺伝医学
ICD-10 D82.1
ICD-9-CM 279.11, 758.32
OMIM 188400
DiseasesDB 3631
eMedicine med/567 ped/589 derm/716
Patient UK 22q11.2欠失症候群
MeSH D004062

22q11.2欠失症候群(-けっしつしょうこうぐん)は、遺伝子異常に起因する奇形症候群の一つ。かつてはキャッチ=22症候群として知られていた。なお、有名なDiGeorge症候群副甲状腺胸腺無形成症)は、本症候群の一部である。

概要

22q11.2欠失症候群は、第22番染色体長腕q11.2領域の微細欠失を原因とするもので、第三・第四鰓弓に由来する複数の臓器の発生異常や奇形を特徴とする。本症候群においては、

  1. 心血管異常 (Cardiac defects)
  2. 特有の顔貌 (Abnormal facies)
  3. 胸腺低形成 (Thymic hypoplasia)
  4. 口蓋裂 (Cleft palate)
  5. 低カルシウム血症 (Hypocalcemia)

という5つの主要症状を呈する。キャッチ=22症候群という通称は、これらの5症状の頭文字と、原因が第22番染色体にあることから付けられた通称であると同時に、ジョセフ・ヘラーによる不条理小説「キャッチ=22」の題名と意図的に合わせたものとされるが、この語には俗語として「逃れることができない窮地」という意味もあるため、現在では22q11.2欠失症候群と呼ばれることのほうが多い。また、胸腺低形成症状についてはDiGeorge症候群、その他の症状については円錐動脈幹異常顔貌症候群(CAFS)や軟口蓋帆・心臓・顔症候群(VCFS)と呼ばれることもあり、とくにDiGeorge症候群の名前は頻繁に使われる。

本症候群の確定診断は、染色体Gバンド法あるいはFISH法による染色体22q11.2領域の欠失の証明によって行なわれる。問題となる症状とそれに対する治療方針は下記のとおりである。

胸腺低形成による免疫不全(DiGeorge症候群)
Tリンパ球減少・機能不全による免疫不全を呈する。ST合剤抗真菌薬の予防的な投与が行なわれるほか、同種造血幹細胞移植や、海外では胸腺移植が行われた報告もある。
副甲状腺低形成による低カルシウム血症(DiGeorge症候群)
副甲状腺機能低下症を呈し、パラトルモン分泌低下に伴う低カルシウム血症が発生しうる。この場合はカルシウムとビタミンDの補充が行なわれる。
心血管異常
ファロー四徴症, 心室中隔欠損, 大動脈離断症などを合併することが多い。これらについては、それぞれの疾患の通常の治療方針が採用される。
口蓋裂・鼻咽腔閉鎖不全
口蓋裂および鼻咽腔の閉鎖不全による哺乳不全が見られる場合には、経管栄養などによる栄養管理を行う。また、構音障害のある場合には言語聴覚療法、口蓋裂に対しては根治療法として手術も行なわれる。
知的障害
軽度から中等度の精神発達遅滞や、まれに統合失調症を認めることがある。

参考文献

  • 大関 武彦/古川 漸/横田 俊一郎 『今日の小児治療指針 第14版』 医学書院、2006年ISBN 978-4-260-00090-1

外部リンク


22q11.2欠失症候群 (Catch-22)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/28 13:22 UTC 版)

遺伝子疾患」の記事における「22q11.2欠失症候群 (Catch-22)」の解説

心疾患口蓋裂学習障害などがみられる病名は、心血管異常 (Cardiac defects)、特有な顔貌 (Abnormal facies)、胸腺低形成 (Thymic hypoplasia)、口蓋裂 (Cleft palate)、低カルシウム血症 (Hypocalcemia)の頭文字取ったもの。この病名ジョセフ・ヘラーによる不条理小説キャッチ=22」の題名意図的に合わせたものとされるが、この語には俗語として逃れることができない窮地」という意味もあるため、改名運動がある。

※この「22q11.2欠失症候群 (Catch-22)」の解説は、「遺伝子疾患」の解説の一部です。
「22q11.2欠失症候群 (Catch-22)」を含む「遺伝子疾患」の記事については、「遺伝子疾患」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「22q11.2欠失症候群」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「22q11.2欠失症候群」の関連用語

22q11.2欠失症候群のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



22q11.2欠失症候群のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの22q11.2欠失症候群 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの遺伝子疾患 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS