2025年マダガスカル軍事クーデター
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| 指揮官 | |||||||||
| アンドリー・ラジョエリナ大統領 | ミカエル・ランドリアニリナ大佐 デモステネ・ピクラス |
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2025年マダガスカル軍事クーデター（2025ねんマダガスカルぐんじクーデター）は、2025年10月14日にマダガスカル共和国で発生した軍部によるクーデターである。このクーデターの結果、マダガスカルの大統領であるアンドリー・ラジョエリナが国外へ脱出し、軍が政権を掌握した。
背景
マダガスカルでは2025年9月25日以降全土で反政府運動が発生し、20人以上の死者が出る事態にまで発展した[1]。この運動は首都アンタナナリボを含む全土で発生していた断続的な停電・断水の解消を求めることが目的であった[2][3][4][5]。これに対し、政府は国家警察による鎮圧を試みる一方で、クリスチャン・ンツァイを首班とする内閣を解任することで不満を解消しようと試みた[3]。
しかし、ついぞ反政府運動が収まることはなかった。
推移
一部のCAPSATの兵士が10月11日に兵舎を離れて抗議運動に参加していることが確認されたため[6]、10月12日の朝、ラジョエリナ大統領はCAPSATによるクーデターの試みがあったことを発表した[5][7]。
その後、戒厳令が発令された。新たに首相に就任したルフィン・ザフィサンボ元首相付軍参謀長が軍に対して冷静に行動するよう呼びかけた[6]。
また、CAPSATと親政府の治安部隊の間で銃撃戦が発生し、デモに参加していた1人とCAPSATの兵士1人が国家憲兵隊により射殺された[7]。
10月13日、CAPSATはデモステネ・ピクラス将軍を陸軍参謀総長に任命すると発表し、国防大臣がこれを追認した[5]。また、ラジョエリナ大統領の側近であるリチャード・ラヴァロマナナ将軍が上院議長の職を解任された[5]。
この日、ラジョエリナ大統領はフランス軍機に乗って国外の「安全な場所」に避難した[8][9]。
また、野党側は大統領が「職務を放棄している」として弾劾決議に附すと発表した[1]。
10月14日、ラジョエリナ大統領はマダガスカル国会の下院である国民議会の解散を命じた。しかし、国民議会は弾劾決議案の採決を強行し、賛成多数で可決された[10]。
CAPSATの司令官であるミカエル・ランドリアニリナ大佐は、国営ラジオで「我々は権力を掌握した」と発表した[10]。また軍は大統領官邸を制圧し、陸軍と国家憲兵隊の将校からなる評議会の設立を発表した。大佐は、あくまで暫定政権であり、遅くとも2年以内に選挙を行い、「迅速に」文民政府への移行を進めるとしている[11][12]。
国民議会を除くすべての国家機関は軍によって停止させられた[13][14]。
10月15日、大佐は大統領に就任する意向を表明した[14]。
10月17日、大佐はマダガスカル憲法裁判所において大統領就任の宣誓を行った[15][16]。
国外の反応
アフリカ連合（AU）は、「深刻な懸念」を表明し、関係者に対して冷静になり、自制心を保つよう求めた[8][1]。15日、AUはマダガスカルの加盟資格を停止した[14][17]。
英国の外務・英連邦・開発省はマダガスカルへの不要不急の外出を控えるよう勧告を行った[8][18]。
脚注
出典
- ^ a b c “Andry Rajoelina: Madagascar president hiding in 'safe place' as he warns of coup attempt” (英語). BBC News (2025年10月13日). 2025年10月15日閲覧。
- ^ “Madagascar army installs new chief, president denounces power grab” (英語). France 24 (2025年10月12日). 2025年10月15日閲覧。
- ^ a b Kyekyeku, Kofi Oppong (2025年9月30日). “Deadly youth-led protests force Madagascar’s president to fire the prime minister and his government” (英語). Face2Face Africa. 2025年10月15日閲覧。
- ^ “マダガスカルでクーデター 軍が権力掌握を宣言 大統領は国外逃亡の報道（テレビ朝日系（ANN））”. Yahoo!ニュース. 2025年10月15日閲覧。
- ^ a b c d “Madagascar presidency says attempt to seize power under way” (英語). www.bbc.com (2025年10月13日). 2025年10月15日閲覧。
- ^ a b Newsroom (2025年10月12日). “Coup Alert in Madagascar After Soldiers Side with Protesters” (英語). Modern Diplomacy. 2025年10月15日閲覧。
- ^ a b “Madagascar ‘attempt to seize power illegally’ is under way, says president” (英語). South China Morning Post (2025年10月12日). 2025年10月15日閲覧。
- ^ a b c “Madagascar's president says he fled the country in fear for his life after military rebellion” (英語). AP News (2025年10月13日). 2025年10月15日閲覧。
- ^ Agencies, News. “President of Madagascar flees to ‘safe location’ amid deadly protests” (英語). Al Jazeera. 2025年10月15日閲覧。
- ^ a b “Madagascar’s military takes power, says colonel” (英語). CNN (2025年10月14日). 2025年10月15日閲覧。
- ^ “マダガスカルで軍事クーデターか バオバブの木などでも知られるアフリカの島国で軍が権力掌握を発表 大統領は出国明らかに｜FNNプライムオンライン”. FNNプライムオンライン (2025年10月15日). 2025年10月15日閲覧。
- ^ “Madagascar's president is ousted in a military coup after weeks of youth-led protests” (英語). AP News (2025年10月14日). 2025年10月15日閲覧。
- ^ Hume, Tim (2025年10月14日). “Madagascar military says it seizes power, suspends institutions” (英語). Al Jazeera. 2025年10月15日閲覧。
- ^ a b c Rabary, Lovasoa、Paravicini, Giulia「マダガスカル、軍大佐が大統領就任へ アフリカ連合は加盟資格停止」『Reuters』（ロイター）2025年10月15日。2025年10月16日閲覧。
- ^ “島国マダガスカル クーデター率いた軍司令官が大統領就任「徹底的に改革する」（FNNプライムオンライン（フジテレビ系））”. Yahoo!ニュース. 2025年10月18日閲覧。
- ^ Rabary, Lovasoa「マダガスカル、クーデター指導者が大統領に就任」『ロイター』2025年10月17日。2025年10月18日閲覧。
- ^ “マダガスカルの資格停止 アフリカ連合、軍のクーデターに反発 大佐「大統領に就く」”. 産経新聞：産経ニュース (2025年10月16日). 2025年10月16日閲覧。
- ^ “Madagascar travel advice” (英語). GOV.UK. 2025年10月15日閲覧。
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