2024年パリオリンピックのブレイキン競技
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/16 10:11 UTC 版)
2024年パリオリンピック ブレイキン競技 |
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![]() コンコルド広場 |
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会場 | コンコルド広場 |
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開催日 | 2024年8月9日-8月10日 |
参加選手数 | 33人 |
2024年パリオリンピックのブレイキン競技[1]は世界ダンススポーツ連盟 (WDSF) が管轄し、追加種目で2024年パリオリンピックにて初めて実施されたダンススポーツのオリンピックのブレイキン競技である。
概要
2019年6月25日のIOC総会で、追加種目の採用について、スポーツクライミング、サーフィン、スケートボードの事実上決定とともに、ブレイキンが決定した[2]。ブレイキンは初の採用だったのでオリンピック憲章の、種目構成は前大会の実施状況を見てから実施を決定する、の対象外だった。なお、ブレイキンは2023年10月のIOC総会で次の2028年ロサンゼルスオリンピックでは実施競技から除外されている[3]。
競技はコンコルド広場に特設された「コンコルド・アーバンパーク」にて行われた[4][5]。競技開幕を告げる杖を3回突く儀式「トロワ・ク」(Trois coups) はラッパーのスヌープ・ドッグが行った[6]。審査員9名に加え、DJ2名、MC2名の構成となった。
第1試合はBガール(女子)が予定より1名多い出場となったのでINDIA(オランダ)対TALASH(難民選手団)の予備予選となった。カブール出身のアフガニスタン難民であるマニジャ・タラシュ(ダンサー名: TALASH)が演技中に「FREE AFGHAN WOMEN(アフガニスタンの女性を解放しろ)」と書かれた青いケープを広げた。これは政治的なメッセージを発することを禁止したオリンピック憲章に反する行為となり失格となった[7][8]。
オーストラリア代表選手のレイチェル・ガンは予選ラウンドで0点を獲得して敗退した後、彼女の独特なパフォーマンスやユニフォームが非難の的となり、アメリカのトークショー番組『ザ・トゥナイト・ショー』のパロディにもなった。同国の選手団やオリンピック委員会はガンを擁護する声明を出す事態になった[9][10][11][12]。
出場選手
2008年12月31日以前に生まれた選手のみが出場権を得ることができる。
IOCのオリンピックサイトによるとBガール(女子)、Bボーイ(男子)16名ずつの選手が以下の条件によって出場する[13]。
- 1つのNOCからは男女各2名までが出場できる。
- ベルギーのルーヴェンで行われた2023年WDSF世界選手権の優勝者は出場権を獲得する。
- 各大陸予選で首位となった選手に出場権が与えられる(合わせて男女各5名)。ただし、当該の選手が世界選手権で出場権を得ている場合は次点の選手に割り当てられる。
- アジア…杭州アジア大会で兼ねる
- アフリカ…アフリカ選手権
- ヨーロッパ…2023年ヨーロッパ大会で兼ねる
- オセアニア…オセアニア選手権
- アメリカ大陸…2023年パンアメリカン大会で兼ねる
- 2024年5月(上海)と6月(ブダペスト)に行われる五輪予選シリーズの成績により男女各7名が出場権を得る。
- 以上とは別に開催国フランスからは最低でも男女各1名の、ユニバーサリティ枠として男女各2名の出場枠が確保されている[13]。
また、2024年5月2日、国際オリンピック委員会より、難民選手団の女子1名がブレイキン競技に参加することが発表され[14]、女子の出場選手は計17名となった。
以下の選手が出場権を獲得した。
資格条件 | Bボーイ | Bガール | |
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2023年世界選手権優勝 | ![]() |
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大陸予選首位 | アジア | ![]() |
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アフリカ | ![]() |
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ヨーロッパ | ![]() |
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オセアニア | ![]() |
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アメリカ大陸 | ![]() |
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五輪予選シリーズ | ![]()
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ユニバーサリティ枠 | ![]() |
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開催国枠 | ![]() |
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難民選手団 | ![]() |
競技日程
開始時刻は中央ヨーロッパ夏時間(UTC+2)[15]
開催日 | 種目 | 競技開始 | |
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8月9日 | Bガール | 予選 | 16:00 |
決勝 | 20:00 | ||
8月10日 | Bボーイ | 予選 | 16:00 |
決勝 | 20:00 |
競技結果
種目 | 金 | 銀 | 銅 |
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Bボーイ[16] 詳細 |
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Bガール[17] 詳細 |
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脚注
- ^ “Breaking” (英語). Paris 2024. 2022年9月19日閲覧。
- ^ “Breaking approved as one of four provisional sports for Paris 2024”. Olympics.com. 2024年8月16日閲覧。
- ^ 「28年ロス五輪 追加競技候補のブレイキン、空手など落選」『スポーツニッポン「スポニチアネックス」』スポーツニッポン新聞社、2023年10月17日。2024年8月16日閲覧。
- ^ “コンコルド広場”. Olympics.com. 2024年8月16日閲覧。
- ^ “【パリ五輪】 ブレイキンが五輪デビュー、最初の金メダルは日本のAMIが獲得”. BBC NEWS JAPAN. 2024年8月16日閲覧。
- ^ ““伝説的ラッパー”スヌープ・ドッグが新種目ブレイキン開会の儀式に登場”. テレ朝news. テレビ朝日 (2024年8月10日). 2024年8月11日閲覧。
- ^ “難民選手団のブレイキン女子選手が失格、演技中に青いケープで「アフガニスタンの女性を解放せよ」”. 読売新聞オンライン. 読売新聞 (2024年8月10日). 2024年8月11日閲覧。
- ^ “「女性解放」全身で アフガン出身の難民選手 ブレイキン 試合は敗れ、失格に パリ五輪:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2024年8月11日). 2024年8月11日閲覧。
- ^ “批判受けたブレイキン女子豪代表、同胞の五輪選手が擁護”. AFP通信 (2024年8月15日). 2024年8月16日閲覧。
- ^ “豪五輪委員会、ブレイキン女子選手に謝罪求める署名活動を非難”. AFP通信 (2024年8月15日). 2024年8月16日閲覧。
- ^ “ブレイキン・「カンガルーダンス」で0点選手、米番組パロディーで波紋 英紙も「痛烈に嘲笑」報じる”. J-CASTニュース (2024年8月15日). 2024年8月16日閲覧。
- ^ 千歳香奈子 (2024年8月16日). “パリ五輪ブレイキン女子で0点敗退のレイチェル・ガン、非難殺到に声明「かなり破滅的なもの」”. 日刊スポーツ. 2024年8月16日閲覧。
- ^ a b “【パリ2024への道】ブレイキン、出場資格取得プロセスを解説”. olympics.com. 2023年8月8日閲覧。
- ^ “パリ2024のIOC難民選手団、36選手発表”. Olympics.com. 2024年8月16日閲覧。
- ^ “Paris 2024 Olympic Competition Schedule” (PDF) (英語). Paris 2024. 2023年8月8日閲覧。
- ^ “B-BOYS GOLD MEDAL BATTLE BATTLE 32 RESULTS” (英語). olympics.com. 2024年8月10日閲覧。
- ^ “B-GIRLS GOLD MEDAL BATTLE BATTLE 32 RESULTS” (英語). olympics.com. 2024年8月9日閲覧。
外部リンク
- 競技紹介 - paris2024.org
- 2024年パリオリンピックのブレイキン競技のページへのリンク