鴨撃ち
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/01 10:23 UTC 版)
村の庄屋が鴨汁をご馳走してくれると言うので出かけた吉四六だが、庄屋は自分の椀にばかり鴨肉を入れさせ、吉四六の椀の具は大根ばかりだった。それでも吉四六はその場は「美味しい鴨汁でした」と言って帰る。だが、帰り際に「青首(の鴨、すなわちマガモ)がたくさんいるところを知っている」と言って庄屋に豪勢な弁当を用意させ、翌朝二人で繰り出した。やがて吉四六は大根畑に着いて座り込むと、弁当をぱくつき始めた。庄屋が鉄砲を手に「いったい青首(の鴨)はどこにいるのか」と尋ねると、「ほれ、そこにいっぱいいるでしょう」と答える。庄屋が「どこにも青首なんかいないだろう」といぶかると、吉四六は澄ました顔で「青首(の大根)なら、目の前にいくらでも並んでるでしょう、あれこそ先日ご馳走になった鴨ですよ」とやり込めた。
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