風に関する妖怪の民間伝承
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/27 15:58 UTC 版)
風に関する妖怪や霊怪にはあたると病気になるとされる物が多く伝承されており、直接的な外傷を負わせてくるものは他には少ない。 山口県豊浦郡のヤマミサキは、深山に出る怪で、人の生首の形をして落ち葉の上を車のように飛んだりする魔風である。人がその風に会うと大熱を起こすと言われ、萩市相島では、その正体は死後に行き場のない、風になってさまよっている亡霊であるという。山口県阿武郡六島村(現・萩市)では、崖で死んだ人や難破者は、死後8日目までヤマミサキになるという。高知の幡多郡昭和村(現・四万十町)ではこのヤマミサキを「リョウゲ」と呼び、不慮の事故にあって死んだ者の霊とされ、これに行きあうことをリョウゲ憑きと呼んでいる。 高知県高岡郡黒岩村(現・越知町)では前述の野鎌に類する魔風を「ムチ(鞭)」というが、これは鞭を振り回すような風が田の上に吹くことをいい、これにあたると病気になるという。土佐郡土佐山村(現・高知市)では、ムチは夜道を行く者の連れている牛馬を取り殺すといい、牛馬に目隠しをしてこれを防ぐという。 奄美大島では、お盆近くに墓道などで、生温かい風が掠めて悪寒がし、家に帰って着物を脱いでみると、身体のどこかに斑紋が出来ていることがあるという。間もなく高熱が出て、ユタに祓いをしてもらわなければならないとされる。
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