青蛙おのれもペンキぬりたてか
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出 典 |
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前 書 |
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評 言 |
大正7年作。芥川は我鬼と号して数々の俳句を作っている。 この句は、ルナールの『博物誌』にある「蛙―ペンキ塗りたてご用心」の換骨脱胎である。本歌取り的手法ともいえる。この句、作者は得意だったらしく、大正8年8月15日の秦豊吉宛の手紙に「この頃(中略)君の水仙の句にも劣らず名句を盛に吐き居り候へば左に一二を録すべく御感服御嘆賞御愛吟御勝手たるべく候」として何句かあげた中にこの句もあげている。更にこの句だけに註記をつけて、「この句天下有名なり俗人の為に註す事然り」と書いている。芥川は知人への書状に俳句をそえることが多かったから、上記の戯文も俳句で友人への戯れを仕掛けているのである。この句を作ったころ芥川は鎌倉に住んでいた。俳句については虚子の斧正を乞うていた。この句、「ホトトギス」にも掲載されたという。 |
評 者 |
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備 考 |
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