鎮 (ベトナム)とは? わかりやすく解説

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鎮 (ベトナム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/28 07:11 UTC 版)

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ベトナム語Trấn/ )はかつて存在したベトナムの広域地方行政区画である。

陳朝

陳朝には天關鎮(長安鎮)、広威鎮(国威鎮)、天興鎮(沱江鎮)、太原鎮、諒山鎮(諒江鎮)、宣光鎮、清都鎮(清化鎮)、望江鎮(演州鎮)、西平鎮(新平鎮)、順化鎮、雲屯鎮、乂安鎮(臨安鎮)などの鎮があった。これらは現在のベトナムの、日本の都道府県に相当するような広域をカバーしていた。

黎朝

黎朝(後黎朝)は黎聖宗の時に、全国を十三承宣に区分した後、承宣を処と改め、各所に対応する軍事政区を「鎮」、対応する監察政区を「」と呼んだ。このため、十三承宣は十三処、十三鎮、十三道とも呼ばれる。

洪順年間からベトナムは戦乱が絶えず、各鎮の軍事官の権力はますます強くなり、民政事務を兼ねるようになった。中興黎朝(後黎朝の後期)の保泰二年(1721年)、冗官の解任を理由に、高、宣、興、諒の四つの外鎮の二司と府県の役人を解任し、すべての事務は各鎮官に任せた[1]

沿革

後黎朝の十三鎮は山南鎮、山西鎮、京北鎮、海陽鎮、安邦鎮、諒山鎮、太原鎮、宣光鎮、興化鎮、清華鎮、乂安鎮、順化鎮、広南鎮。

莫朝が建てられると、黎朝の旧臣は清華乂安で反莫を掲げて黎朝を守ろうとした。莫朝は概ね、山西、山南、海陽、京北、太原、諒山、安邦の7つの鎮を占拠し、黎朝は清華、乂安、興化、宣光の4つの鎮を占拠し、その他の町は阮主によって占拠された。莫朝は同時に清華鎮2府を清華外鎮と呼び、黎朝が支配した地域を清華内鎮と呼んだ。以来、清華鎮には清華外鎮と清華内鎮の区別がある。

永治2年(1677年)、黎朝は莫朝の残存政権を滅ぼし、高平鎮を増設した。景興二年(1741年)、黎朝は山南鎮を山南上鎮と山南下鎮とに分割した。このため黎朝には14鎮がある。

西山朝

西山朝は黎朝の区割を継承して14鎮はそのままにし、鎮の上位機関として北城()を設け、皇室の近親者が北城の総鎮を務めることで諸鎮を統轄した。

阮朝

嘉隆元年(1802年)、阮朝がベトナムを統一した。同年、嘉定府は嘉定鎮となった。その後も阮朝は各地で再編を行って新たに鎮を設けていった。明命十二年(1831年)の行政区画改革の始まる前は、阮朝には以下の27鎮があった。

山南鎮(もと山南上鎮)、南定鎮(もと山南下鎮)、山西鎮、海陽鎮、北寧鎮(もと京北鎮)、広安鎮(もと安広鎮)、太原鎮、高平鎮、諒山鎮、宣光鎮、興化鎮、寧平鎮(もと清華外鎮)、清華鎮(もと清華內鎮)、乂安鎮、広平鎮、広治鎮、広南鎮、広義鎮、平定鎮、富安鎮、平和鎮、平順鎮、邊和鎮、藩安鎮、定祥鎮、永隆鎮、河仙鎮。

注釈

  1. ^ 《大越史記全書》續編卷二·保泰二年:省減外鎮職任員數。

参考文献


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