鉤虫感染症とは? わかりやすく解説

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鉤虫感染症

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/21 15:05 UTC 版)

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Hookworm infection
別称 Hookworm disease
Hookworms
診療科 Infectious disease
症候学 Itchiness, localized rash, abdominal pain, diarrhea[1]
原因 Ancylostoma duodenale (old world hookworm), Necator americanus (new world hookworm)[1]
リスクファクター Walking barefoot in warm climates with poor sanitation[1]
診断法 Stool sample[1]
合併症 Anemia, protein deficiency[2]
予防 Not walking barefoot, stopping outdoor defecation[1]
使用する医薬品 Albendazole, mebendazole, iron supplements[3]
頻度 428 million (2015)[4]

鉤虫感染症(こうちゅうかんせんしょう)は、腸内寄生虫の一種である鉤虫による感染症である[1][5]。感染初期に感染部位にかゆみや発疹が発生することがある。鉤虫の数が少ないと、症状がみられない場合がある。多数の鉤虫に感染した場合、腹痛、下痢、体重の減少、倦怠感、などの症状がみられる。子供の場合、精神的および肉体的発達に害を与える可能性がある。貧血を起こす場合がある[1]

一般的に人に感染する鉤虫感染症には、鉤虫症とアメリカ鉤虫症の2つあり、それぞれ、鉤虫ドゥオデナーレ(Ancylostoma duodenale)アメリカ鉤虫(Necator americanus)が原因である。鉤虫の卵は感染者の便に沈着する。これらが幼虫(未熟な鉤虫)に孵化して皮膚に潜り込み感染する。この他にも、汚染された食品から感染が拡散されることがある。危険因子には、衛生状態が悪い温暖な気候で裸足で歩くことがあげられる。診断は、顕微鏡便のサンプルを検査することによって判明する[1]

鉤虫感染症が一般的にみられる地域での個人レベルの予防は、裸足で歩かないことである。大衆レベルでの効果的な予防は、屋外排泄を減らすこと、生の糞便を肥料として使用しないこと、大量の駆虫である[1]。治療は通常、医薬品のアルベンダゾールまたはメベンダゾールの1〜3日間の投与である。貧血の人には鉄分サプリメントの投与が必要な場合がある[3]

2015年に鉤虫に感染した人数は約4億2800万人である[4]。重度の感染症は子供と大人の両方にみられるが、一般的に大人の重症化はあまりみられない[2]。鉤虫感染症が致命的となることはまれである[6]。鉤虫感染症は土壌伝播蠕虫症であり、顧みられない熱帯病に分類される[7]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i CDC - Hookworm - General Information - Frequently Asked Questions (FAQs)” (英語). www.cdc.gov (2014年12月16日). 2017年4月22日閲覧。
  2. ^ a b CDC - Hookworm - Disease” (英語). www.cdc.gov (2013年1月10日). 2017年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年4月22日閲覧。
  3. ^ a b CDC - Hookworm - Treatment” (英語). www.cdc.gov (2013年1月10日). 2017年4月22日閲覧。
  4. ^ a b GBD 2015 Disease and Injury Incidence and Prevalence, Collaborators. (8 October 2016). “Global, regional, and national incidence, prevalence, and years lived with disability for 310 diseases and injuries, 1990–2015: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2015.”. Lancet 388 (10053): 1545–1602. doi:10.1016/S0140-6736(16)31678-6. PMC 5055577. PMID 27733282. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5055577/. 
  5. ^ CDC - Hookworm - Biology” (英語). www.cdc.gov. 2017年6月21日閲覧。
  6. ^ GBD 2015 Mortality and Causes of Death, Collaborators. (8 October 2016). “Global, regional, and national life expectancy, all-cause mortality, and cause-specific mortality for 249 causes of death, 1980–2015: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2015.”. Lancet 388 (10053): 1459–1544. doi:10.1016/s0140-6736(16)31012-1. PMC 5388903. PMID 27733281. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5388903/. 
  7. ^ Neglected Tropical Diseases”. cdc.gov (2011年6月6日). 2014年12月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年11月28日閲覧。

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