逐次近似との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 09:45 UTC 版)
バナッハ空間 X の元u、v と線形作用素 A で与えられる方程式 u = A u + v {\displaystyle u=Au+v\,} を考える。ここで、v は既知の変数とし、u を未知の変数とする。この方程式は ( I − A ) u = v {\displaystyle (I-A)u=v\,} と変形できることから、逆作用素 (I-A)-1が存在し、それが求まれば、問題は解ける。一方、元の方程式において、逐次代入を繰り返せば、 u = A ( A u + v ) + v = A 2 ( A u + v ) + A v + v = v + A v + ⋯ + A n v + A n + 1 u {\displaystyle {\begin{aligned}u&=A(Au+v)+v\\&=A^{2}(Au+v)+Av+v\\&=v+Av+\cdots +A^{n}v+A^{n+1}u\end{aligned}}} となる。従って、An+1u の項が無視できるとすると u n := ∑ i = 0 n A i v {\displaystyle u_{n}:=\sum _{i=0}^{n}A^{i}v} で定義される un が逐次近似解となる。ノイマン級数は、一定の条件が満たされば、n→∞で逐次近似解 un が真の解となり、 u = ( I − A ) − 1 v = v + A v + A 2 v + ⋯ {\displaystyle u=(I-A)^{-1}v=v+Av+A^{2}v+\cdots } となることを意味している。ノイマン級数の結果から、逐次近似解 un の誤差評価を行うこともでき、 | | u − u n | | ≤ ∑ i = n + 1 ∞ | | A | | i ⋅ | | v | | = | | A | | n + 1 1 − | | A | | | | v | | {\displaystyle ||u-u_{n}||\leq \sum _{i=n+1}^{\infty }||A||^{i}\cdot ||v||={\frac {||A||^{n+1}}{1-||A||}}||v||} である。
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