逆散乱法による解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/10 15:44 UTC 版)
「非線形シュレディンガー方程式」の記事における「逆散乱法による解」の解説
他の可積分系の方程式と同様に、非線形シュレディンガー方程式の初期値問題は逆散乱法によって解くことができる。逆散乱法では、問題は一次元シュレディンガー方程式の散乱の逆問題に帰着でき、解は与えられた散乱データに対応するポテンシャル関数として求められる。非線形シュレディンガー方程式の逆散乱法による解は、1972年にロシアの数学者ウラジミール・ザハロフ(英語版)とアレクセイ・シャバットによって、与えられた。ザハロフとシャバットは、 i u t + u x x + κ | u | 2 u = 0 ( κ > 0 ) {\displaystyle iu_{t}+u_{xx}+\kappa |u|^{2}u=0\quad (\kappa >0)} について、ラックス方程式 L t = [ A , L ] {\displaystyle L_{t}=[A,L]} を満たすラックス対として、 L = i ( 1 + p 0 0 1 − p ) ∂ ∂ x + ( 0 u ∗ u 0 ) {\displaystyle L=i{\begin{pmatrix}1+p&0\\0&1-p\end{pmatrix}}{\frac {\partial }{\partial x}}+{\begin{pmatrix}0&u^{\ast }\\u&0\end{pmatrix}}} A = i p ( 1 0 0 1 ) ∂ 2 ∂ x 2 + ( | u | 2 1 + p i u x ∗ − i u x − | u | 2 1 − p ) {\displaystyle A=ip{\begin{pmatrix}1&0\\0&1\end{pmatrix}}{\frac {\partial ^{2}}{\partial x^{2}}}+{\begin{pmatrix}{\frac {|u|^{2}}{1+p}}&iu_{x}^{\,\ast }\\-iu_{x}&-{\frac {|u|^{2}}{1-p}}\end{pmatrix}}} κ = 2 1 − p 2 {\displaystyle \kappa ={\frac {2}{1-p^{2}}}} を与え、 L ψ = λ ψ {\displaystyle L\psi =\lambda \psi } に対する散乱の逆問題を解くことでN-ソリトン解を構成した。
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