農村文化伝承館 山本家とは? わかりやすく解説

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農村文化伝承館 山本家

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/23 13:41 UTC 版)

農村文化伝承館 山本家(のうそんぶんかでんしょうかん やまもとけ)は、富山県黒部市宇奈月町明日670番地にある古民家を利用した体験施設・宿泊施設である。

概要

もとの建物である『山本家』は、江戸時代末期に建てられたとみられる豪家で、樹木に包まれた3,080m2の敷地に建設内に建てられた木造かやぶき階建て(600m2、間口27m、奥行16m)の母屋と、1883年明治16年)に建てられた立派な白壁の山門で構成されている。母屋には広い土間や板張りの居間の他、畳敷きの部屋が16室あり、最も広い部屋は21畳である。また、屋敷の裏の山林では山菜が採れたという[1][2]

1987年昭和62年)に元の住民が解体予定だった同家を宇奈月町(当時)に寄付し、宇奈月町は土地を買い取った上で、母屋の屋根や壁の補修、障子や畳の交換などの改修を進め、1988年(昭和63年)6月1日に宿泊施設としてオープンした[1][2]

母屋は茶の間を中心とした広間型の間取で、普通の民家に無い部屋として、『カミユイバ』(髪結場)、サヤノマ(畳の敷いてある縁側)がある。茶の間、台所の天井の太い横はりには、手斧はりがかけられている。台所に、ヒアマ(火天)があり、囲炉裏の周囲は約10cmのあげ床の板張りになっている。茶の間とかもいの近くに「まゆ玉」の枝を指す専用の小さな穴があった[3]

同家では、かまどでご飯を炊いたり、囲炉裏を使った自炊体験が可能で、見学、日帰り、宿泊などに利用されている。また、屋敷内には、昔の生活用品(農機具、古文書)や遊びの用具も展示されている[1][4]

施設の管理及び利用者への体験指導は、元の所有者である山本家が委託で行っている[5]

補足

山本家は江戸時代末期には明日村の肝煎(村長)を、1873年明治6年)には戸長をそれぞれ務めている。また、寺子屋を開いていたこともある[5]。かつては、4haの田畑と3頭のを所有しており、太平洋戦争までは正月15日に30人余りの小作人を招いて宴会を持ったと言われている。なお、宴席を設ける時は前座敷と中の間の板戸を取り外して40畳あまりの部屋を作っていた。また、愛本橋の近くにあったため、江戸時代から明治時代にかけて文化人などが数多く宿泊していた[3]

周辺の施設

脚注

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  1. ^ a b c 『北日本新聞』1988年5月27日付朝刊18面『体験しよう江戸の生活 宇奈月農村文化伝承館来月オープン かまどを使い炊飯 山本家補修、宿泊施設に』より。
  2. ^ a b 『愛本橋周辺 -その見どころ-』(1990年3月20日、宇奈月町教育センター発行)36 - 37頁。
  3. ^ a b 『愛本橋周辺 -その見どころ-』(1990年3月20日、宇奈月町教育センター発行)37頁。
  4. ^ 黒部市農村文化伝承館 山本家(にいかわどっとこい、2023年2月23日閲覧)
  5. ^ a b c 『愛本橋周辺 -その見どころ-』(1990年3月20日、宇奈月町教育センター発行)36頁。

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