軽唇音が重唇音であった証拠
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/05 16:46 UTC 版)
「古無軽唇音」の記事における「軽唇音が重唇音であった証拠」の解説
「佛」と「弼」の2字を例とする。中古音の声母では「佛」は奉母、「弼」は並母である。しかし、唐の陸徳明によって書かれた『経典釈文』には、『詩経‧周頌‧敬之』の「佛時仔肩」を「佛,毛符弗反,鄭音弼」と解釈しているのに対し、銭はこの2字の漢字音は互いに関連すると主張する。後漢の許慎(58-147年)の作『説文解字』は「㚕,大也。从大弗聲,讀若「予違,汝弼」と言い、段玉裁(1735-1815年)は『説文解字注』にこれに「佛時仔肩」を引用し注をつける。「佛」、「弼」の上古音が共通していて、「佛」の声母は並母であったことが分かる。現存の方言による一例として、黄錫凌(1980-1959年)の作『粤音韻彙』に「佛」の同音異字として「弼」を収録していることが挙げられる(粤拼広東語表記法:bat6)。
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