赤道上の膨らみ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/01 15:29 UTC 版)
重力のため、全ての質量は重力中心にできるだけ近くに集まろうとし、天体は完全な球形に収縮する。しかし、自転する恒星は球形ではなく、赤道部分に膨らみを持つ。 自転する原始星円盤は収縮してより球形に近い恒星を形成するが、収縮により完全な球形にはならない。極では、全ての重力が収縮に働くが、赤道上では実効重力は遠心力に相殺される。星形成後の恒星の最終的な形は、赤道領域の実効重力がそれ以上恒星を中心に引っ張れないという意味で均衡形に達する。また自転により赤道では、フォン・ツァイペルが記述したような重力減光が起きる。 赤道上の膨らみの極端な例は、レグルスAで見られる。この恒星の赤道上での自転速度は、317 ± 3 km/sと測定された。この値は、15.9時間の自転周期に相当し、恒星が自壊する速度の86%に達する。赤道半径は、極方向の半径よりも32%大きい。高速で自転する恒星には、他にさいだん座α星、おうし座28番星、ベガ、アケルナル等がある。 恒星が自壊する速度とは、赤道上の遠心力が重力と釣り合った時を意味する。安定な恒星の自転速度は、必ずこの値以下である。
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