護岸遺構
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 02:03 UTC 版)
太閤堤の遺構は、護岸遺構と水制遺構からなる。水制遺構とは、水流の勢いを制御するための工作物である。 護岸遺構は、石積み護岸と杭止め護岸の2種類がある。石積み護岸は、太閤堤の北寄りにみられるもので、堤の下部(水面寄り)を石積み、上部を石貼りとする。石積み部分は、「止め杭」と呼ばれる杭列を作り、その内側に拳大から人頭大の割石を充填する。石貼り部分は、堤上に板状の割石を敷くものである。堤の幅は4.7から6メートル、高さは2.2メートル、堤上部の平坦面は幅2メートルを測る。法面の傾斜は平均30度である。 杭止め護岸は太閤堤の南寄りにみられるもので、径8センチほどの「かせ木」と呼ばれる杭を15センチほどの間隔で密に立て込み、その内側を拳大から40センチ大の割石で充填する。水面側は径16センチほどの支え杭で支える。前述の石積み護岸と異なって、垂直に構築され、法面を造っていない。現場の地質等の違いによって、以上2つの工法のいずれかを選択したとみられる。
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